豊田合成 (株) 2017年3月期の動向

業績

(単位:百万円)

2017年
3月期
2016年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 755,601 781,886 (3.4) -為替の影響やオプトエレクトロニクス事業での販売の減少等により、全体で減収
営業利益 40,675 42,824 (5.0) -国内外での自動車部品事業の増販効果や合理化はあったものの、上述の為替や販売減の影響で減益
経常利益 39,007 41,490 (6.0) -
当期純利益 16,233 20,255 (19.9) -
自動車部品事業
売上高 737,049 747,089 (1.3) -為替の影響で減収
セグメント利益 46,256 43,045 7.5 -増販効果や欧州での立上げ費用の減少に加え、グローバルでの合理化の取り組み等により増益



国内LED生産集約

-同社は2016年8月、佐賀工場(佐賀県武雄市)でのLED生産を9月末までに終了し、LED生産を平和町工場(愛知県稲沢市)と子会社TSオプト(千葉県市原市)に集約すると発表した。生産能力を削減し効率化を図る。LED事業では今後、車載製品の採用拡大、照明などで普及が見込まれる東南アジアでの拡販、産業用特殊照明の開拓の3点に注力する方針。佐賀工場は09年にLED工場に切り替えたが、再び自動車部品工場に戻る見通し。(2016年8月31日付日刊自動車新聞より)

海外投資

<インド>
-2016年7月、インドにエアバッグの製造を手掛ける新工場を建設すると発表した。2017年3月の操業を目指す。同社として4拠点目の現地工場で、主に日系自動車メーカーに部品を供給する。投資額は約5億5千万ルピー (約9億円)。現地では車両の安全規制の強化が控えており、これに対応するため、エアバッグの装着が必要不可欠になるとみられている。同社は供給体制の強化により、高まる需要に備える。新工場は2008年に設立した子会社のToyoda Gosei Minda India Pvt. Ltd.の第2工場となる。州はまたぐものの、第1工場と近いロケーション。両工場では運転席と助手席用エアバッグやハンドルに加え、ウェザーストリップ類の生産も手がける。(2016年7月15日付日刊自動車新聞より)

<メキシコ>
-2016年8月、メキシコでウェザーストリップ製品の生産能力を2020年までに1.5倍に増強すると発表した。メキシコを含む北米地域の自動車生産の拡大に対応する。投資額は3,450万ドル (約34億5千万円) で、従業員数は今年3月末に対し540人増の1,450人を見込む。生産能力を増強するのは全額出資孫会社のToyoda Gosei Automotive Sealing Mexico, S.A. de C.V.。メキシコ中部サンルイスポトシ市の既存工場に生産設備を増設するほか、隣接地を取得し、生産準備を円滑に行うための試作設備を導入する。(2016年8月25日付日刊自動車新聞より)

-2016年5月、メキシコの生産子会社であるToyoda Gosei Irapuato Mexico, S.A. de C.V. (TGIMX) が本格稼働し、このほど開所式を行ったと発表した。TGIMXはラジエーターグリル、コンソールボックス、樹脂フューエルフィラーパイプなどの製品を米州の自動車メーカーに供給する。2017年夏には、めっき部品の生産も開始する予定。同社グループでは、メキシコですでに3子会社が稼働しており、 TGIMXの生産開始で、同社の自動車部品全4事業がそろったという。(2016年5月25日付日刊自動車新聞より)

<ブラジル>
-2016年4月、ブラジルの生産子会社GDBR Industria e Comercio de Componentes Quimicos e de Borracha Ltda.が開所式を実施したと発表した。同社にとって南米初の生産拠点で、ドアウェザーストリップなどのゴム製シーリング部品と、樹脂製のインパネ部品などの内外装部品、サイドエアバッグなどのセーフティシステム部品を製造している。GDBRはサンパウロ州イタペチニンガ市に立地する。建屋面積は1万8千平方メートルで、従業員数が約260人。2015年1月に自動車部品の生産を開始した。同社はブラジルでは、2015年11月に資本参加した現地樹脂部品製造会社との2拠点体制で、トヨタ自動車などの完成車メーカーに部品を供給している。(2016年4月16日付日刊自動車新聞より)

研究開発活動

-バイオ燃料、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池自動車などの動向を先取りした製品・技術

-各種環境規制に対応した材料および製品、生産技術

製品開発

-樹脂フューエルフィラーパイプ:金属部品を樹脂に置き換えた軽量化製品。

-キャップレス給油口:給油口キャップを開け閉めすることなく給油できる給油口。

-クリスタルアクリルグリル:立体感ある透明な意匠を実現させた製品。

-警告機能付きハンドル:脇見運転や居眠りによる事故を未然防止する製品。

-パワー半導体デバイス:
2016年7月、世界で初めて窒化ガリウム (GaN) を用いて20アンペアを超える大電流動作が可能な1.2キロボルト級パワー半導体デバイスチップを開発したと発表した。GaNは青色LEDの主要材料。同社は2010年からGaNを使った半導体の研究開発を進めてきた。大電力を扱うハイブリッド車 (HV) の電力制御装置などに適用できる。18~20年頃の実用化を目指す。同社は青色LEDを開発・生産しており、この開発や生産で培ったGaNの結晶成長技術を活用してパワー半導体を開発した。(2016年7月9日付日刊自動車新聞より)

-復元しやすいゴム材料:
-2016年10月、高温で長時間、力を加えても形状が復元しやすいゴムの材料技術を確立したと発表した。電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車に搭載されるバッテリーユニットのシール部品など、高機能品への活用を見込む。2020年頃の実用化を目指す。熱への耐久性を高める薬品を選定し、ゴムの配合設計を最適化することで、元の形状から4倍以上伸びる性能を持ちながら、形状が従来品に比べ約2倍復元しやすいゴム材料技術を開発した。(2016年10月25日付日刊自動車新聞より)

研究開発体制

-開発本部、生産本部、オプトエレクトロニクス事業部技術部および海外子会社の豊田合成ノースアメリカ (北米)、豊田合成アジア (アジア)、豊田合成 (上海) 管理有限公司 (中国)、豊田合成ヨーロッパ (欧州・アフリカ地域) が連携し、グローバルな研究開発活動を展開。



研究開発拠点

北島技術センター 愛知県稲沢市
美和技術センター 愛知県あま市
TGR Technical Center, LLC 米国ミシガン州プリマス
Toyoda Gosei North America Corporation 米国ミシガン州トロイ
Toyoda Gosei Europe N.V. ベルギー
Toyoda Gosei Asia Co., Ltd. タイ チョンブリ
Toyoda Gosei (Shanghai) Co., Ltd. 中国 上海



技術導入契約

(2017年3月31日現在)

相手方の名称 (国名) 契約内容 契約期間
Intier Automotive Interiors of America (米国) ウレタンスプレー表皮に関する特許・ノウハウライセンス 2002年11月18日 - 2019年5月10日
Daimler AG (ドイツ) ミリ波レーダー用カバーに関する特許ライセンス 2011年11月10日 - 2019年9月23日



技術援助契約

(2017年3月31日現在)

相手方の名称 (国名) 契約内容 契約期間
Stant Manufacturing, Inc. (米国) 導電性フューエルキャップに関する特許・ノウハウライセンス 1998年11月17日 - 2018年12月21日
Magna Steyr Fuel Systems (ドイツ) 導電性フューエルキャップに関する特許・ノウハウライセンス 2004年2月26日 - 2018年12月21日
Pong Codan Rubber (M) Co., Ltd. (マレーシア) ウェザーストリップに関する技術許諾契約 2007年7月16日 - 2017年7月15日



研究開発費

(単位:百万円)

2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
自動車部品事業 25,000 25,600 26,600 25,700
オプトエレクトロニクス事業 2,100 2,700 2,900 3,400
合計 27,100 28,300 29,500 29,100



設備投資額

(単位:百万円)

2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
自動車部品事業 54,800 53,500 63,400 41,600
非自動車部品事業 400 800 1,100 1,400
合計 55,200 54,400 64,700 43,000

-2018年3月期は、全社で64,000百万円の設備投資を計画。このうち自動車部品事業向けは63,400百万円。

受注

-2016年9月、同社の「キャップレス給油口」が日本国内の生産販売車種として初めて、日産自動車の新型「セレナ」に採用されたと発表した。キャップの開閉操作をすることなく給油ができる。(2016年9月2日付日刊自動車新聞より)

2018年3月期の見通し

(単位:百万円)

2018年3月期
(予想)
2017年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 730,000 755,601 (3.4)
営業利益 43,000 40,675 5.7
経常利益 43,000 39,007 10.2
親会社株主に帰属する当期純利益 24,000 16,233 47.8

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)