(株) ミツバ 2016年3月期の動向

業績

(単位:百万円)

2016年
3月期
2015年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 333,232 306,030 8.9 -
営業利益 22,889 22,096 3.6 -
経常利益 19,619 25,231 (22.2) -為替差損の発生等に起因。
親会社株主に帰属する当期純利益 8,518 11,434 (25.5) -為替差損に加え、法人税および法人税等調整額の増加。
輸送用機器関連事業
売上高 319,755 293,601

8.9

-北米および中国の自動車生産が増加。
営業利益 22,087 21,246 4.0 -増収効果と合理化改善効果。



製品開発

曲率可変ドアミラー
-曲率可変鏡を使ってミラーの視野角を広げる「曲率可変ドアミラー」を開発した。斜め後方からの車両の接近をセンサーが検知すると、ミラーの曲率を変えてドライバーの視野角を広げる。幅広い車両に適用可能な安全技術として実用化に向けた開発を進める。(2015年11月11日付日刊自動車新聞より)


研究開発体制

海外現地開発体制の拡充
-同社は、海外で現地開発体制を拡充する。欧米、アジアの研究開発拠点の人員を増強するとともに、生産拠点にセールスエンジニアを配置し、市場ニーズに合った製品の開発と自動車メーカーへの営業を強化する。海外の開発機能の強化により派生製品を現地で開発する体制とし、市場ニーズに合ったデザイン、性能、コストを満たす製品を投入していく。日本では先行開発分野への開発投資を増やし、電動化、小型・軽量化ニーズの取り込みに一段と力を入れる。(2015年10月2日付日刊自動車新聞より)

国内
-グループにおける開発のセンター機能として、国内にミツバ研究開発センター (群馬県桐生市) と横浜研究センター (神奈川県横浜市) を有する。
海外
-海外では米国、イタリア、フランス、ドイツ、タイ、フィリピン、インド、ベトナム、中国に開発拠点を保有し、国内との緊密な連携を保ちながら、研究・開発のグローバル化を図る。

研究開発費

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
全社 13,039 10,631 10,364

-2015年3月期より、従来の研究開発費の他に、新製品の試作設計、および既存製品に係る著しい改良等の開発費を含める表示に変更。

研究開発活動

-主要なテーマとして、モーター技術と制御技術をコア技術とした新アクチュエーターの研究開発、およびそのキーとなる要素技術の開発を進めている。また、モーター・制御・機構技術を統合したシステム商品の研究開発を進めるとともに、制御技術やセンシング技術、先端技術の研究として、大学やつくば市の物質・材料研究機構等と共同研究を行っている。

-2016年3月期において立ち上げた主な商品は、以下の通り:

  • フロントワイパーシステム
  • リアワイパーシステム
  • ウィンドウォッシャーシステム
  • ドアミラー
  • ホーン
  • パワーウィンドモーター
  • シートモーター
  • サンルーフモーター
  • パワースライドドアシステム
  • ファンモーター
  • 電動パワーステアリングモーター
  • 四輪用スタータモーター
  • ACジェネレーター
  • ACジェネレータースターター
  • 各種コントローラー

-現在は、各種システム商品の次世代開発と次世代アクチュエーターの開発を、信頼性向上の為の要素技術開発とともに推進している。

技術導入契約

(2016年3月31日現在)
契約会社 相手方の名称
(国名)
契約内容 契約期間
同社 Magna Mirrors of America
(米国)
ターンシグナルライトを含む車両外部バックミラーシステムについてのライセンス契約 2005年10月 - 2022年9月

技術供与契約

(2016年3月31日現在)
相手方の名称
(国名)
契約内容 契約期間
Smiths
(南アフリカ)
四輪車用ワイパーモーターの製造技術の供与 1979年3月 - 自動延長
Armstrong Auto Parts Sdn. Bhd.
(マレーシア)
二輪・四輪車用電装品の製造技術の供与および実施許諾 1992年5月 - 自動延長
士林電機社
[Shihlin Electric & Engineering Corp.]
(台湾)
二輪・四輪車用電装品の製造技術の供与および実施許諾 1998年8月 - 自動延長
シークス (株)
(日本)
四輪車用SRモーター第三者販売に係る技術援助契約 2006年4月 - 自動延長
APM Automotive Holdings Berhad
(マレーシア)
四輪車用ワイパーモーター、ウォッシャー等の技術の供与 2007年4月 - 2017年4月
ピョンハオートモーティブ社
(韓国)
四輪車用電装品の製造技術の供与 2015年 - 自動延長

設備投資額

(単位:百万円)
2016年3月期 2015年3月期 2014年3月期
全社 18,987 16,854 17,536
-輸送用機器関連 18,339 16,511 17,043


-2015年3月期、輸送用機器関連事業では主に、四輪車用ワイパーモーターおよびパワーウィンドモーター等を中心に投資。

設備の新設計画

(2016年3月31日現在)
事業所名 設備内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
同社
研究開発センター 研究開発設備 904 2016年4月 2017年3月
赤城工場 新製品の生産設備ほか 279 2016年4月 2017年3月
新里工場 新製品の生産設備ほか 817 2016年4月 2017年3月
鬼石工場 新製品の生産設備ほか 851 2016年4月 2017年3月
利根工場 新製品の生産設備ほか 317 2016年4月 2017年3月
富岡工場 新製品の生産設備ほか 314 2016年4月 2017年3月
福島工場 新製品の生産設備ほか 139 2016年4月 2017年3月
新潟工場 新製品の生産設備ほか 83 2016年4月 2017年3月
在外子会社
Corporacion Mitsuba de Mexico, S.A. de C.V. 新製品の生産設備ほか 1,179 2016年4月 2017年3月
Mitsuba M-Tech Vietnam Co., Ltd. 新製品の生産設備ほか 1,015 2016年4月 2017年3月
Mitsuba Sical India Pvt. Ltd. 新製品の生産設備ほか 820 2016年4月 2017年3月
Mitsuba Automotive Systems of Europe Kft. 新製品の生産設備ほか 504 2016年4月 2017年3月

2017年3月期の見通し

(単位:百万円)
2017年3月期
(予測)
2016年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 320,000 333,232 (4.0)
営業利益 21,000 22,889 (8.3)
経常利益 21,000 19,619 7.0
親会社株主に帰属する当期純利益 8,000 8,518 (6.1)


次期見通しのポイント
-日本経済は緩やかな回復基調と予想。ただし、中国など新興国の減速懸念、為替相場の不安定なことから先行き不透明。
-世界経済は、米国経済は堅調な成長を期待するが、原油価格の変動、地政学上の問題等のリスクの顕在化を予想。

>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)