(株) ミツバ 2010年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)

  2010年
3月期
2009年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 175,522 209,973 (16.4) -
営業利益 2,176 (7,500) - -
経常利益 1,874 (9,736) - -
当期純利益 (3,247) (18,376) - -事業構造改革費用や減損損失等の特別損失の発生。
-繰延税金資産取り崩し。
輸送用機器関連事業
売上高 166,541 201,796 (17.5) -一昨年以降の世界同時不況の影響を受けて低調なスタート。
-日本でのエコカー減税による需要の増加と中国及びアジア地域の販売が好調。
-北米とヨーロッパの大幅な減収。
-これらの結果、通期で減収。
営業利益 1,816 (7,809) - -原材料費、人件費などのコスト削減効果。
-年度後半にかけて売上が回復基調。

新会社

-ブラジルに四輪車用フロントワイパーシステムの生産拠点を立ち上げることを決めたと発表した。11月準備会社である「ミツバ・ド・ブラジル・レプレセンタション・コメルシアル・リミターダ」をサンパウロ州アルトゥルノゲイラ市に設立する。資本金は1200万レアル(約6億円)。2011年9月から生産を開始し、14年に2300万レアル(11億円)の売り上げを目指す。同社はブラジルに二輪車向け製品の生産拠点を持っているが、四輪車用部品製造の南米進出は今回が初めて。(2009年10月29日付日刊自動車新聞より)

事業再編

<日本>
-2009年9月30日までに車載用小型モーターなどを生産する菊川工場(静岡県菊川市)を閉鎖する。国内自動車生産の減少に対応するとともに、固定費削減など効率化に取り組む。閉鎖する菊川工場は、従業員99人で、ルーフモーターやシートモーターなどを生産してきた。生産品目の移管先は富岡工場(群馬県富岡市)など群馬県内の事業所。従業員も同県内の各事業所に配置転換する。閉鎖に伴う再編費用などは2010年3月期の業績予想に織り込んであり、最終赤字見通しの26億円に含まれる。(2009年5月15日付日刊自動車新聞より)

-自動車部品を製造する連結子会社のサンユーとエムテックを合併するとともに、長野ミツバを解散する。サンユーとエムテックはともに群馬県桐生市を本拠とし、それぞれラジエータークーリングファン、ワイヤーハーネスなどを製造している。事業の採算性向上と経営基盤強化を狙いに合併することを決めた。サンユーを存続会社とし、2010年4月1日付で実施する。長野ミツバは小型リレーなどを生産してきたが、景気後退による市況悪化など事業環境が悪化していた。来年3月20日付で解散し、生産品目はミツバのいずれかの事業所で引き継ぐ。(2009年11月13日付日刊自動車新聞より)

<中国>
-中国の子会社を解散する。需要に対し適正な生産能力を確保することが目的。解散するのは自動車用のファンモーターの製造販売などを手掛けている三葉電機(中国山東省)で、これにより中国子会社は3社になる。三葉電機で扱っていた事業は中国国内の他の拠点に分散する。清算が完了するのは2010年5月中旬の予定。(2009年11月18日付日刊自動車新聞より)

<フィリピン>
-ミツバは、フィリピンにある連結子会社を合併する。電装部品やワイパーの製造を手がける3社を8月1日付で統合する。今回再編を行うのはミツバ・フィリピンズ・コーポレーション(MPC)、ミツバ・マニュファクチャリング・フィリピンズ・コーポレーション(MMPC)、ミツバ・マニュファクチャリング・バタンガス・コーポレーション(MMBC)の3社。MPCを存続会社として他の2社を吸収合併する。(2009年7月8日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 557 729 1,136
輸送機器関連 488 645 960

研究開発体制

拠点 所在地
ミツバ研究開発センター 群馬県桐生市
開発横浜拠点 神奈川県横浜市

研究開発活動

-モーター技術と制御技術をコア技術とした新アクチュエーターの研究開発、およびそのキーとなる要素技術の開発。
-先進の制御技術、新センサー技術や駆動原理を応用したシステム商品の研究開発。
-大学や物質・材料研究機構(つくば市)などの社外との共同研究。

-車載モーターシステムの軽量化に取り組む。ブラシレス化や制御系との一体化、高性能永久磁石の採用といった技術を組み合わせ、自動車メーカーから寄せられるニーズ“従来比30%の軽量化”に応える。軽量化に向けた各種部品開発が急務になっていることから、まずは従来分割していた制御装置をモーターと一体化していく。ワイヤーハーネスが不要になることから軽量化のほかコストダウン、部品の小型化などにもつなげる。電動パワーステアリング(EPS)や、電動パワースライドドアといった“大物”を皮切りに、新世代製品群に順次切り替えていく。(2009年10月28日付日刊自動車新聞より)

研究開発活動の成果

  立ち上げた主な商品
ボディシステム (視界系) フロントワイパシステム、リアワイパシステム、ウォッシャシステム、ドアミラー
ボディシステム (利便快適系) ホーン、パワーウインドモータ、シートモータ、サンルーフモータ、パワースライドドアシステム
エンジン・パワートレインシステム
(エンジン補機)
ファンモータ、燃料ポンプ、二輪用スタータモータ、四輪用スタータモータ、ACジェネレータ、各種コントローラ等
エンジン・パワートレインシステム
(走行制御系)
パワーステアリングモータ

技術開発

-各種システム商品の次世代開発。
-次世代アクチュエータの開発。
-信頼性向上の為の要素技術開発。

技術導入契約

(2010年3月31日現在)

契約会社 相手方の名称
(国名)
契約内容 契約期間
同社、
Tokyo Electrica de Mexico, S.A. de C.V.
市光工業
(日本)
メキシコ国内の自動車部品製造の特許およびノウハウの行使
1993年12月 -
製造終了まで
同社 ドネリー社
(米国)
ターンシグナルライトを含む車両外部バックミラーシステムについてのライセンス契約 2005年9月 - 特許期間終了まで

技術供与契約

(2010年3月31日現在)

相手方の名称
(国名)
契約内容 契約期間
士林電機社
[Shihlin Electric & Engineering Corp.]
(台湾)
二輪・四輪車用電装品の製造技術の供与および実施許諾 1998年8月 - 自動延長
Armstrong Auto Parts Sdn. Bhd.
(マレーシア)
二輪・四輪車用電装品の製造技術の供与および実施許諾 1992年5月 - 自動延長
Valeo
(フランス)
四輪用スタータモータの製造技術の供与および実施許諾 1989年3月 - 自動延長
Smith
(南アフリカ)
四輪車用ワイパモータの製造技術の供与 1979年3月 - 自動延長
APM Auto
(マレーシア)
四輪車用ワイパモータ、ウォッシャ等の技術の供与 2007年4月 - 2012年4月
Deloyd
(マレーシア)
四輪車用パワーウィンドモータ、ドアロックアクチュエータの製造技術の供与 2001年10月 - 自動延長

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 9,794 13,802 15,048
輸送機器関連 9,454 13,451 14,866


-輸送用機器関連事業では主に、四輪車用パワーウィンドモータ、四輪用ワイパーモータ等を中心に在外子会社を含め設備投資を実施。同社の設備投資は 3,991百万円。
-当年度においては、重要な設備の除却、売却はない。

設備の新設計画

事業所名 設備内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了
予定
同社
研究開発センター 研究開発設備 248 2010年4月 2011年3月
赤城工場 新製品向け機械他 475 2010年4月 2011年3月
鬼石工場 新製品向け機械他 136 2010年4月 2011年3月
新里工場 新製品向け機械他 1,201 2010年4月 2011年3月
利根工場 新製品向け機械他 145 2010年4月 2011年3月
富岡工場(注) 新製品向け機械他 384 2010年4月 2011年3月
福島工場(注) 新製品向け機械他 73 2010年4月 2011年3月
新潟工場 新製品向け機械他 95 2010年4月 2011年3月
国内子会社
(株)東葉電機製作所 新製品向け機械 26 2010年3月 2010年8月
(注) 富岡工場および福島工場は、2007年4月1日付で吸収合併した自動車電機工業(株)の工場。