日立金属 (株) 2010年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2010年 3月期 |
2009年 3月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 431,683 | 590,704 | (26.9) | - |
営業利益 | 13,349 | 15,058 | (11.3) | - |
経常利益 | 10,033 | 10,235 | (2.0) | - |
当期純利益 | 1,937 | (3,016) | - | - |
高級金属製品 | ||||
売上高 | 193,979 | 265,048 | (26.8) | - |
営業利益 | 6,438 | 5,735 | 12.3 | - |
電子・情報部品 | ||||
売上高 | 102,900 | 137,264 | (25.0) | - |
営業利益 | 6,296 | 9,349 | (32.7) | - |
高級機能部品 | ||||
売上高 | 141,617 | 188,290 | (24.8) | - |
営業利益 | 4,702 | 4,238 | (10.9) | - |
事業概況
高級金属製品-自動車関連材料は、中国向けを中心とした需要に支えられ、第2四半期後半以降回復基調となった。
電子・情報部品
-自動車向け希土類磁石やフェライト磁石の需要は、回復基調となった。
高級機能部品
<高級ダクタイル鋳鉄製品>
-顧客の北米・アジアにおける自動車販売が好調だったことなどにより、需要は回復基調となった。
<耐熱鋳造部品>
-欧州向けは第2四半期以降の新規品立ち上がり効果などから、北米は大型車向け増加により、需要は回復基調で推移。
<アルミホイール>
-国内では顧客の中国向け自動車販売が好調だったことにより、需要は回復基調となった。北米では自動車販売の好調と新規品の量産開始が重なり、第2四半期以降需要が急回復した。
国内事業
-樹脂部品向けの金型用鋼の提案を強化する。提案を強化するのは同社が樹脂製品用の次世代金型用鋼と位置づける「HPM―MAGIC(ハイピーエム・マジック)」で、金型用鋼に要求される鏡面仕上げ性と硬さを従来にない比率にバランスさせたのが特徴。ユーザーにはこれまでの成型品質を維持しながら金型鋼の調達コストが低減できるだけでなく、切削性が高いため金型制作のコストも低減できるメリットがある。自動車ではランプやインテークマニホールドといった部品向けに提案する。(2009年12月16日付日刊自動車新聞より)
>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)
2011年3月期の見通し |
(単位:億円) |
2011年3月期 | 2010年3月期 | 増減 | |
売上高 | 5,000 | 4,317 | 683 |
-高級金属製品 | 2,230 | 1,940 | 290 |
-電子・情報部品 | 1,300 | 1,029 | 271 |
-高級機能部品 | 1,480 | 1,416 | 64 |
営業利益 | 330 | 133 | 197 |
経常利益 | 280 | 100 | 180 |
当期純利益 | 140 | 19 | 121 |
研究開発費 | 130 | 106 | 24 |
設備投資額 | 230 | 165 | 65 |
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2010年3月期 | 2009年3月期 | 2008年3月期 | |
高級金属製品 | 4,099 | 4,620 | 3,881 |
電子・情報部品 | 4,116 | 6,138 | 7,059 |
高級機能部品 | 2,411 | 2,325 | 2,343 |
全社 | 10,626 | 13,083 | 13,283 |
対売上高比率 | 2.5% | 2.2% | 1.9% |
研究開発体制
-2010年3月31日現在、735名の研究開発人員が在籍。開発拠点(自動車機器カンパニー)
拠点名 | 所在地 | 概要 |
素材研究所 | 栃木県 真岡市 |
自動車業界のグローバル化に伴う環境対策、軽量化、短納期化など、顧客ニーズに対応する「製品開発型研究所」として、最新の素形材からユニットまで幅広い研究開発活動を行う。 |
研究開発活動
-日立ツールとエンジンの摺動部品などに使われる摩擦低減のためのDLCコーティング(ダイヤモンド・ライク・カーボン、硬質炭素膜)の用途を広げる技術を開発したと発表。新たに基材(母材)を開発するとともにコーティングとの界面の不純物除去を強化することで、DLCコーティングの密着性を従来に比べ50%以上向上させた。10月からコーティングサービスと基材の販売を開始する。DLCコーティングが難しかったバルブリフターやロッカーアームなどの動弁系摺動部品、燃料噴射ノズルや燃料供給ポンプなどの燃料噴射系摺動部品に適用する。(2009年8月21日付日刊自動車新聞より)-17インチ以下の中小口径アルミホイールの軽量化を進める。現行品に比べ5-7%軽量化した新型を開発しており、小型車で強まる軽量化ニーズに応える。アルミホイールの標準装着は高級車やスポーツ用多目的車(SUV)などに普及しているが、エンジン排気量の小さな小型車では一部に限られる。上級車種から小型車へ買い替えても見劣りしない意匠性と、軽量性を兼ね備え、中小口径アルミホイールの商品性を高める。(2009年11月18日付日刊自動車新聞より)
主な研究開発実績
部門 | 開発実績 |
電子・情報部品 | -スマートキー用アンテナ |
高級機能部品 | -小中排気量ガソリンエンジン用耐熱鋳鋼製品の拡充 -高意匠軽量アルミホイールの拡充 |
技術供与契約
(2010年3月31日現在)
相手方 (国名) |
契約品目 | 契約内容 | 期間 |
TDK株式会社 (日本) 信越化学工業株式会社 (日本) |
希土類磁石 | 希土類磁石に関する非独占的実施権の許諾 | 1988年 3月24日(基本発明の権利取得日)から、許諾した特許出願の権利が消滅する日まで |
Magnequench Limited (バルバドス) |
希土類磁石 | 希土類磁石に関する独占的実施権の許諾 | 2007年8月10日から 契約対象特許の終了日まで |
相互援助技術契約
(2010年3月31日現在)
相手方 (国名) |
契約品目 | 契約内容 | 期間 |
Magnequench, Inc. (米国) |
希土類磁石 | 希土類磁石に関する特許実施権の交換 | 2000年8月22日から契約対象特許の終了日まで |
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2010年3月期 | 2009年3月期 | 2008年3月期 | |
高級金属製品 | 4,964 | 20,128 | 22,052 |
電子・情報部品 | 7,301 | 12,743 | 13,350 |
高級機能部品 | 3,440 | 8,707 | 10,704 |
サービス他 | 633 | 1,993 | 3,079 |
消去又は全社 | 147 | 197 | 142 |
全体 | 16,485 | 43,768 | 49,327 |
主な設備投資
事業部門 | 投資目的・内容 |
高級金属製品 | 圧延ロールの生産物流合理化および電子機能部品材料の合理化。 |
電子・情報部品 | 事業構造改革に伴う事業所再編、および設備更新。 |
高級機能部品 | 新規の自動車部品への対応。 |
設備投資計画
金額 | 投資目的・内容(単位:百万円) | |
高級金属製品 | 9,900 | 新製品対応の設備新設と既存ラインの生産性向上 |
電子・情報部品 | 7,100 | 同上 |
高級機能部品 | 4,900 | 同上 |
サービス他 | 1,100 | - |
全体 | 23,000 | - |