大豊工業 2007年度の動向
ハイライト
業績
(単位: 百万円) |
2008年 3月期 |
2007年 3月期 |
増減率 | 要因 |
全社 | ||||
売上高 | 108,883 | 105,860 | 2.9% | 自動車用製造設備の受注は減少したが、自動車部品関連事業が好調。 |
営業利益 | 5,756 | 4,154 | 38.6% | 価格改定や為替変動などの減益要因があったものの、グループをあげての合理化努力や増産増収の効果。 |
経常利益 | 5,620 | 4,286 | 31.1% | |
当期純利益 | 3,695 | 2,599 | 42.1% | - |
自動車部品部門 | ||||
売上高 | 87,653 | 79,965 | 9.6% | 軸受製品および液封形成部品等の組付製品の売上が大きく増加。 |
営業利益 | 8,571 | 5,804 | 47.7% | - |
海外動向
-中国
完全子会社である「大豊工業(煙台)有限公司」(山東省煙台市)の第2工場が完成し、2007年11月より本格的に稼動開始。拡大する中国ディーゼルエンジン市場への対応、日系自動車メーカーの現地生産への対応を目的として、エンジンベアリング等のすべり軸受を生産する。総建設費は11億円。
(2007年11月1日付プレスリリースより)
事業計画
-組付部品事業
ターボチャージャーやサスペンション用などの高付加価値部品事業を強化。メインの取引先であるトヨタ自動車の新型車向けサスペンション部品で、円滑な立ち上げを徹底するほか、ターボ関連でも受注領域を広げるなどして、拡販につなげる。組付部品事業として重点的に育成し、2008年度をめどに現状より16%増の190億円以上の売上を目指す。主力のすべり軸受やダイカストなどに加え、付加価値の高い組付部品事業を育成することで、収益基盤をより強固なものとする。(2007年5月28日付日刊自動車新聞より)
-ガスケット事業
ガスケット事業を強化・拡充する。子会社の日本ガスケットとの連携を強め、同社のエンジン部品技術と日本ガスケットのシール材技術を融合。超低粘度オイルや低油圧、新素材など、次世代エンジン向けのガスケットの商品化と拡販に注力する。2008年度を目処に、ガスケット事業で120億円(2006年度比14.4%増)以上の売上を目指す。(2007年6月11日付日刊自動車新聞より)
開発動向
-トライポロジー(摩擦/磨耗/潤滑技術))をはじめとする基礎研究部門、製品開発部門、生産技術開発部門を「技術本館」に集約し、様々な課題に対応できる体制を確立。
-その他に、摩擦技術研究センター、エンジン試験センター、生技開発センターを有している。
研究開発費
(単位:百万円) | 2008年3月期 | 2007年3月期 | 2006年3月期 |
全社 | 1,501 | 1,542 | 1,363 |
自動車部品関連事業 | 1,408 | 1,440 | 1,337 |
近年の研究開発活動 (自動車部品関連事業)
1. すべり軸受 :
-高性能エンジンに対応したエンジン用軸受、コンプレッサ用特殊軸受、各種軸受などを開発。
-エンジン用軸受については、鉛を一切含まないオーバーレイ付き銅系軸受、同オーバーレイ付きアルミ系軸受を開発し市場投入。
-最近のエンジン高性能化の要求に応えた、鉛を含まない固体潤滑剤を用いたオーバーレイ材料を開発し、国内外のフラッグシップカーに採用される。新規取引先海外メーカーへの納入も開始し、グローバル展開を積極的に推進。
-鉛を一切含まない銅系軸受材を開発・製品化し市場投入。
-鉛フリーブシュのラインアップが完成し、トランスミッション等に採用。
2. エンジン用メタルヘッドガスケット:
-日本ガスケット(株)の子会社化による開発力強化。
3. ダイカスト製品:
-オイルコントロールバルブ用スリーブを開発・製品化し、国内外メーカーへ供給。
-カムハウジングを開発・製品化し、更にデフキャリア等の高機能部品への展開も行う。
4. 高付加価値製品:
-ソレノイドバルブ用コイル&コアアッセンブリ、連続可変バルブタイミング機構用部品、商用小型ディーゼル・大型ディーゼル用EGRバルブなどを開発・製品化。
-特にソレノイドバルブ用コイル&コアアッセンブリは国内外のメーカーへの採用が拡大。
-2005年10月からスタートした商用車の新長期排気規制に対応した、精密制御かつ大流量を確保した電子制御式EGRバルブの開発に成功し、量産化。
-環境対応型エンジンである吸気システムを一新したエンジンに対し、新機構である負圧を発生させる機能を持ったバキュームポンプを開発、量産化。
5. 環境配慮製品:
-鉛フリーバランスウエイトを製品化。
-クリップタイプの鉛フリー化を達成し、海外でも採用。貼り付けタイプのバランスウエイトを量産化。
設備投資
(単位:百万円) | 2008年3月期 | 2007年3月期 | 2006年3月期 |
全社 | 9,645 | 9,240 | 15,801 |
自動車部品関連事業 | 9,066 | 8,674 | 14,932 |
自動車部品関連事業 (2008年3月期)
-同事業では、生産能力の向上、生産設備の維持更新を目的とした投資を実施。
-国内では、子会社の大豊岐阜(株)が軸受製品製造設備へ投資。
-海外では、中国の大豊工業(煙台)有限公司にて軸受製品製造設備の増設、タイのNHK Gasket (Thailand) Co., Ltd.にて新工場建設用地の取得を実施。
設備の新設等(自動車部品関連)
2009年3月期、同社グループの設備投資予定額は10,000百万円。主な内訳は以下の通り。
事業所名 | 主要設備の内容 | 投資予定 総額 (百万円) |
目的 |
同社 | |||
本社および本社工場 (愛知県豊田市) |
土地(工場用地) | 538 | 基礎投資 |
ダイカスト製品製造設備 | 382 | 新製品 | |
細谷工場 (愛知県豊田市) |
軸受製品製造設備等 | 580 |
合理化および維持更新 |
篠原工場 (愛知県豊田市) |
軸受製品、組付製品製造設備等 | 550 | 新製品 |
九州工場 (鹿児島県出水市) |
軸受製品製造設備等 | 152 | 合理化および維持更新 |
幸海工場 (愛知県豊田市) |
軸受製品製造設備等 | 1,336 | 拡張・能力増強 |
子会社 | |||
大豊精機(株) 本社および本社工場 (愛知県豊田市) |
建物(本社生産棟拡充・部品棟改造)、設計開発設備および自動車足廻部品製造設備等 | 1,160 | 基礎投資および維持更新 |
大豊岐阜(株) 本社および本社工場 (岐阜県可児郡御嵩町) |
軸受製品製造設備およびダイカスト製造設備 | 1,271 | 拡張・能力増強および維持更新 |
日本ガスケット(株) 本社 (愛知県豊田市) |
土地および建物(本社) | 1,140 | 基礎投資 |
日本ガスケット(株) 滋賀工場 (滋賀県米原市) |
ガスケット製品製造設備 | 793 | 基礎投資および拡張・能力増強 |
建物(厚生棟) | 317 | 基礎投資 | |
Taiho Corporation of America 本社および本社工場 (アメリカ オハイオ州) |
軸受製品製造設備等 | 337 | 新製品および維持更新 |
PT. Taiho Nusantara 本社および本社工場 (インドネシア カラワン市) |
軸受製品製造設備等 | 100 | 拡張・能力増強 |
Taiho Corporation of Europe 本社および本社工場 (ハンガリー ウィハルチャン市) |
軸受製品製造設備等 | 572 | 拡張・能力増強 |
韓国大豊(株) [Taiho Corporation of Korea] 本社および本社工場 (韓国 大邱広域市) |
軸受製品製造設備等 | 71 | 拡張・能力増強 |
大豊工業(煙台)有限公司 [Taiho Kogyo Corporation of Yantai] 本社および本社工場 (中国 山東省煙台市) |
軸受製品製造設備および建物(メッキ加工ライン) | 735 | 拡張・能力増強 |
Taiho Manufacturing of Tennessee LLC (米国 テネシー州) |
ガスケット製品製造設備等 | 195 | 新製品 |
NHK Gasket (Thailand) Co., Ltd. (タイ サムットプラカン県) |
建物(生産棟) | 250 | 拡張・能力増強 |