(株) タチエス 2010年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2010年
3月期
2009年
3月期
増減率
(%)
要因
売上高 192,172 221,498 (13.2) -自動車座席の販売は国内外ともに回復に向かったが、上半期の販売低迷の影響があり減少。
営業利益 6,051 623 871.3 -
経常利益 7,938 (291) - -
当期純利益 3,786 (3,704) - -
自動車座席事業等
売上高 191,578 220,893 (13.3) -
営業利益 6,651 1,225 442.9 -

合弁事業

-米Lear Corp.と合弁でタイとインドに生産進出すると発表した。8月上旬にも両国に新会社を設立、日産自動車が生産する超小型車(Vプラットホーム)向けシートを2010年から量産する。日産の海外工場向けのシート供給で両社は「タックル・シーティング」の名称で合弁事業を軌道に乗せており、米国(テネシー州)、英国(タインアンドウェア州)と合わせこれで4拠点目となる。タイに設立するのは「TACLE Seating Thailand Co., Ltd.」(ラヨーン県)。資本金は約4億7千万円で、出資比率はLear Corp.(モーリシャス)51%、同社49%となる。投資額は2億3千万円で、2010年2月から生産を開始する。(2009年7月27日付日刊自動車新聞より)

事業再編

-北米で3工場を閉鎖した。米国でスクールバス用シートの生産から撤退したのに続き、カナダ、メキシコでもシート、シート表皮の生産を縮小する。メキシコでは、米Johnson Controls, Inc.(JCI)との合弁でシート表皮などを生産しているテクノトリムが持つ3工場(サルテージョ市)を2工場に集約。トリムカバーの生産を縮小する。テクノトリムの生産基盤はこれにより米2拠点と合わせ4拠点体制となる。カナダでもJCIと合弁でホンダ向けのシート生産を行ってきたSETEX Canada GP(オンタリオ州)の工場を閉鎖。生産は近隣にあるJCIの遊休施設を間借りし、会社組織は存続させる。(2009年6月8日付日刊自動車新聞より)

-ホンダ向けシートなどを生産してきた鈴鹿第2工場(三重県鈴鹿市)を閉鎖した。人員および生産設備は原則として同第1工場に移管する。同社は2008年12月、生産品目の減少に伴い追浜工場(神奈川県横須賀市)を閉鎖しており、経済危機の影響による自動車の減産が深刻化して以来、工場閉鎖は国内で2ヶ所目。両工場の閉鎖による固定費・変動費の圧縮で2010年3月期以降は年間29億円のコストダウン効果を見込む。(2009年7月13日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

2011年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期 増減
売上高 186,000 192,200 (6,200)
営業利益 58 61 (3)
経常利益 71 79 (8)
当期純利益 36 38 (2)
研究開発費 3,731 1,072 2,659
設備投資額 2,932 2,482 450

得意先別売上高

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期
売上高 割合 売上高 割合
ホンダ圏 70,100 38% 74,400 39%
日産圏 72,300 39% 67,600 35%
トヨタ圏 23,100 12% 26,300 14%
三菱圏 16,400 9% 15,600 8%
その他 4,100 2% 8,200 4%

 

所在地別売上高

(単位:百万円)
  2011年3月期 2010年3月期
売上高 割合 売上高 割合
日本 100,000 54% 109,500 57%
米国 37,400 20% 39,100 20%
カナダ 9,300 5% 11,000 6%
メキシコ 21,800 12% 18,500 10%
中国 15,600 8% 13,400 7%
フランス 1,900 1% 700 -

長期ビジョン「Challenge-15」

1.市場の基軸
国内・欧米市場から新興国市場→アジア地域(中国)の掘りおこし

2.商品性
商品性(環境技術・安全技術・軽薄化技術)の強化
-C-15フレームシステム(全方位の衝突安全と環境に配慮した次世代シートフレームシステム)の開発

3.モノづくり
集中管理(モノづくりセンター)+多国地域サテライト生産
-モノづくりセンターにモノづくりに関わる部署を集約。コア技術を日本で確立・標準化し、グローバル展開。2012年12月末竣工予定。

4.商売の道具
標準骨格
-顧客先の共用化による量の確保。

トリムカバー
-トリムカバーコスト低減のため、中国縫製化率の向上を図る。広州泰極第2工場を開設し、日本向けトリム工場として生産拡大。2010年3月期の中国縫製化率25%が2013年3月期には70%になる計画。

5.グローバル調達力強化→現地調達率向上・LCC拡大
日供品→現地調達によるコスト低減・為替影響回避
LCC(コスト競争力の高い地域)調達→中国等からの調達によるコスト低減。

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 2,482 3,575 4,528

研究開発拠点

タチエス技術センター
東京都青梅市
タチエス技術センター愛知 愛知県安城市
Tachi-S Engineering U.S.A. Inc. 米国ミシガン州
Tachi-S Engineering Europe S.A.R.L. フランス ヴェリジー・ビラクブレー市
福州泰昌汽車座椅開発有限公司
[Tachi-S Engineering China]
中国福州市

研究開発活動

-新製品開発及び新技術の基礎開発は、主に国内の技術センターにおいて実施。

-米国・欧州の拠点及び国内外の技術提携先企業等を通じて、先進技術や周辺技術の情報収集を行う。

シート及びオリジナル機構部品開発
-自動車及びその他乗り物用シート、またシートのリクライニングデバイス、スライドレール、大移動量リフター、床下格納デバイス、RV車用シートのロングスライドレール及びその付属機構、回転ユニット等を開発。

安全性向上技術開発
-3点式シートベルト組込みシート、サイドエアバッグ組込みシート、乗員感知式スマートエアバッグ対応シート、頚部傷害軽減システムを開発。また、前後面、側面衝突に対応した安全シート構造の研究開発を実施中。

環境対応技術開発
-易解体シートの研究、自動車の燃費向上のため新材料、新構造技術を織り込んだ超軽量シートの開発。

福祉車両商品の開発
-福祉車両用に操作性、乗降性に優れたヘルパーシートを開発。

原価低減商品開発
-開発期間短縮を反映し、標準化、共通化を踏まえた低コスト次世代シートを開発。

生産技術開発
-接着成形シートの改良技術開発、ヘッドレスト、アームレストの一体発泡成形技術開発、シート組立の省力化・自動化技術開発、CAD/CAMによる型製作等を推進。また、多品種少量生産を可能にした混流ラインを開発。

シートの研究分野
-「座り心地」評価、シートの構造方式について自主研究。CAE解析を行って、開発期間短縮、コストダウンなどに貢献。

技術導入契約

(2010年3月31日現在)

相手先 国名 内容 契約期間
Isringhausen GmbH & Co. KG ドイツ サスペンションシステムの製造・販売継続権に関するライセンス契約及びシート技術と販売ノウハウの相互自由開示と自由使用(除特許)契約 1985年11月 - 無期限又は一方の6ヶ月前の予告により終結

技術援助契約

(2010年3月31日現在)

相手先 国名 内容 契約期間
Auto Parts Manufacturers Co., Sdn. Bhd. マレーシア 契約製品の製造に必要なノウハウの供与及び契約製品の製造に必要な機械・設備の供給(別契約必要)等に関する技術援助契約 2000年3月 - 2015年3月

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2010年3月期 2009年3月期 2008年3月期
全社 1,072 2,839 5,609

-新規受注・モデルチェンジ等に伴う生産対応設備を中心に設備投資を実施。

主な設備の新設

(2010年3月31日現在)

会社名/事業所名 設備の内容 投資予定総額
(百万円)
着工 完成予定
モノづくりセンター 営業・調達・設計・開発・試作・実験等技術全般 2,392 2010年
5月
2011年
12月
愛知工場 自動車座席用製造設備 653 2010年
4月
2010年
12月
栃木工場 自動車座席用製造設備 550 2010年
4月
2010年
12月
青梅工場 自動車座席用製造設備 331 2010年
6月
2010年
9月
Industria de Asiento
Superior, S. A. de C. V.
本社工場他
自動車座席用製造設備 291 2010年
3月
2010年
12月
広州泰李汽車座椅有限公司
[Tacle Guangzhou Automotive Seat Co., Ltd.]
本社工場
自動車座席用製造設備 279 2009年
12月
2010年
8月
技術センター 技術情報システム更新 194 2010年
4月
2011年
1月
武蔵工場 自動車座席用製造設備 99 2010年
4月
2010年
8月
平塚工場 自動車座席用製造設備 78 2010年
5月
2010年
12月