ジヤトコ (株) 2017年3月期の動向
事業動向
-同社は、ステップATとCVT(無段変速機)のグローバル累計生産台数が3月末で1億台に達したと発表した。内訳はステップATが約6500万台、CVTが約3500万台。同社の前身の一つである日産自動車・吉原工場(現・ジヤトコ富士工場)で1967年にステップATの生産を開始して以来、50年で達成した。(2017年4月28日付日刊自動車新聞より)
-同社小型車用CVT(無段変速機)「CVT7」のグローバルでの累計生産台数が1千万基に達したと発表した。CVTの単一機種で1千万台超えとなったのは、同社の中型車用CVT「JF011E」に次いで世界で2機種目。中型車用は生産開始してから9年11カ月かかったのに比べ、CVT7では7年1カ月の短期間で達成した。CVT7は日本に加え、中国とメキシコ、タイで生産しており、海外生産比率は約6割。同社の主力商品として、今後も生産台数の伸長を見込んでいる。(2016年8月30日付日刊自動車新聞より)
-同社は無段変速機 (CVT) の世界生産台数が2016年3月末で累計3千万台に達したと発表した。単一メーカーによるCVT生産が3千万台に到達したのは世界で初めてという。1997年の生産開始から18年8カ月で達成した。同社は1997年に世界で初めて2リッタークラスに対応した金属ベルト式CVTの生産を開始した。低燃費化に対する世界的な需要の高まりを背景に販売台数が増加。2005年にメキシコ、2009年に中国、2013年にタイと、生産拠点を海外にも拡げた。2015年度に生産した432万台のうち、57%にあたる246万台が海外生産となっている。(2016年4月7日付日刊自動車新聞より)
国内事業
-同社は本社工場の最新鋭ラインを報道陣に初公開した。同ラインでは、中型車向け無段変速機(CVT)の生産を手がけている。従来、手作業でしか行えなかったOリングの組み付けを、双腕ロボットを活用して自動化するなど生産効率を高めた。本田聖二最高執行責任者(COO)は「技術や品質など新領域にチャレンジするラインであり、ここでの取り組みを世界に広げていく」とマザー機能としての役割を強化していく方針を示した。(2017年2月21日付日刊自動車新聞より)
-同社は国内に無段変速機 (CVT) の生産ラインを増設する。グローバルに需要が高まっている中・大型クラス用CVTを増産する。新ラインは本社のある富士市の工場に設置し、2015年度末に年間7万2千基の能力で稼働。2016年後半には同24万基まで能力を増強する。日本で増産するのは中・大型クラス用の 「CVT8」 で、富士1地区の既存工場の建屋内に新ラインを導入する。2015年夏に工事を開始し、部品加工ラインと組み立てラインを設置する。第1期分として約60億円を投資し、月産6千基の生産能力で稼働する。さらに70億円を追加投資し、2016年後半に同2万基に能力を引き上げる。(2015年6月22日付日刊自動車新聞より)
-同社は無段変速機 (CVT) をベースにしたハイブリッド用変速機 「ジヤトコCVT8 ハイブリッド」 の国内生産を始めた。CVTベースのハイブリッド用変速機はすでにメキシコ工場で生産しており、日産自動車の北米向けモデルに搭載されている。日産が国内向けの 「エクストレイル」 にハイブリッド車を設定したことに伴い、日本でも生産することにした。CVT8を生産している八木工場 (京都府南丹市) がハイブリッド用も生産する。(2015年4月8日付日刊自動車新聞より)
海外事業
<タイ>
-同社は2016年度に年間70万台としていたタイ工場の能力増強を先送りする。稼働当初の見通しに比べ需要が低調に推移しているためで、現状の能力でも生産に余力がある。東南アジア地域は中期的には需要が伸びると見込んでおり、当面は他地域向けの部品やユニットの生産で稼働率の向上を図る。タイ工場は海外3カ国目の工場として2013年に稼働した。年間50万台の生産能力を持ち、小型車向けの無段変速機 (CVT) を生産している。2016年度には同70万台に能力を引き上げる計画だったが、市場の低迷により、現地の自動車生産が伸び悩んでいる。(2016年1月21日付日刊自動車新聞より)
受注
-三菱自動車は新型 「アウトランダー」 で同社製の新世代CVT 「CVT8」 を採用した。先代に搭載していたCVT2に比べ駆動効率を5%高め、加速性能と燃費の向上を図った。CVT8の採用は 「RVR」 に続いて2車種目。エンジン制御とCVT制御の協調制御を最適化することで燃費 (JC08モード) 2WD車で0.8km/L向上した16.0km/L、4WD車で0.2km/L改善した14.6km/Lとした。(2015年6月19日付日刊自動車新聞より)
-2015年5月、日産 「X-Trail Hybrid」 に同社製ハイブリッドFF車用トランスミッション 「Jatco CVT8 HYBRID」 が搭載されたと発表した。(2015年5月13日付プレスリリースより)
-2015年10月26日、同日中国で東風日産から発売された新型「Lannia」に副変速機付きCVT「Jatco CVT7 W/R」が搭載されたと発表した。(2015年10月26日付プレスリリースより)
-2016年2月18日、同日スズキから発売された新型「Ignis」に副変速機付きCVT「Jatco CVT7 (JF015E)」が搭載されたと発表した。(2016年2月18日付プレスリリースより)
製品開発
Jatco CVT7 W/R (Wide Range)
-2015 年10月、小型FF車用無段変速機 「CVT7」 をベースに変速比幅を拡大した 「CVT7 ワイドレンジ」 を日産自動車と共同で開発したと発表した。同社の中国工場で生産を開始しており、日産自動車が10月に同国で発売する新型車 「ラニア」 に搭載する。新製品は新開発ベルトの採用、プーリーの改良により、変速比幅をCVTとして世界最大の8.7に拡大した。改良型の小型オイルポンプを採用し て摩擦損失を低減し燃費性能も向上させた。(2015年10月15日付日刊自動車新聞より)
研究開発拠点
名称 | 所在地 |
国内 | |
厚木開発センター | 神奈川県厚木市 |
岡崎開発センター | 愛知県岡崎市 |
茂木試験場 | 栃木県芳賀郡 |
海外 | |
JATCO USA, Inc. | 米国ミシガン州 |
JATCO Korea Engineering Corp. | 韓国ソウル |
JATCO France SAS | フランス Verrieres le Buisson |
JATCO France SAS, Spain branch | スペイン Barcelona |