NOK (株) 2015年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2015年
3月期
2014年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 693,689 591,388 17.3 -
営業利益 67,085 32,586 105.9 -
経常利益 80,776 42,313 90.9 -
当期純利益 46,813 21,757 115.2 -
シール事業
売上高 296,875 284,861 4.2 -自動車向けは国内の需要減少やタイでの需要低迷等はあったものの、北米や中国での需要増加に支えられて販売額が増加。
営業利益 33,487 27,729 20.8 -新興国における人件費・経費等の増加はあったものの、減価償却方法の変更および増収等により増益。

生産動向

-国内市場向け防振ゴムに使う鋳物を、2017年初頭から日本での生産に切り替える。現在は大半を中国工場から輸入しているが、為替の元高によって中国生産品のコスト競争力が低下した。日本で生産することにより、コスト競争力を高める。防振ゴム用の鋳物は、中国とタイの工場で生産している。日本を加えることにより、グローバルでの鋳物の生産能力を2、3割増やし、防振ゴムの販売拡大にもつなげる。(2015年5月14日付日刊自動車新聞より)

事業計画

-中国での自動車向けを中心としたシールの売上高を2016年度に13年度に比べ4割増やす。主要な納入先となっている日系、欧米系の自動車・部品メーカーに加え、ローカルメーカーへの販売を拡大する。同国では消費者の間で品質への要求が高まりつつあり、コストを最優先してきた現地資本の自動車メーカーでも、性能、耐久性に優れる部品を採用しようとする動きがある。現地での営業活動を強化してローカルの需要に対応し、同国での事業拡大につなげる。(2014年10月21日付日刊自動車新聞より)

中期経営計画 (2015年3月期~2017年3月期)

国内投資の増強
-2015年3月期から3年間の新中期経営計画で国内のオイルシール工場の全自動化を進める。3年間合計で450億円を投資し、現在2、3割の全自動化率を2017年3月期に5割に引き上げる。中長期的に需要の縮小が見込まれる国内のコスト競争力を、自動化により一段と向上させるとともに、労働コストが急激に上昇している新興国の工場でも自動化を推進し、シール事業全体で収益力の向上を図る。同社は2012年3月期~2014年3月期の3年間、シール事業に総額625億円の設備投資を行い、主に海外で生産能力の増強を進めてきた。2015年3月期からの3年間は国内外で650億円を投資する計画で、このうちの7割弱を国内への投資に振り向けることになる。新興国でも生産能力増強のための投資を一段落させ、生産性向上への投資を行う。(2014年5月16日付日刊自動車新聞より)

-スローガン:「持続性ある成長への基礎固め」、現場の足固めと新製品・新ビジネスの創出
-方針:

  • もの作りの再点検
  • ダントツな品質への再挑戦
  • 新商品・新技術・新ビジネスの創出
  • 人材の活用、育成

-財務目標 (2017年3月期)

  • 売上高:700,000百万円
  • 営業利益額:55,000百万円
  • 営業利益率:7.9%

2016年3月期の見通し

(単位:百万円)
  2016年3月期
(予測)
2015年3月期
(実績)
増減 (%)
売上高 760,000 693,689 9.6
-シール事業 310,000 296,875 4.4
-電子機器部品事業 410,000 354,777 15.6
営業利益 62,000 67,085 (7.6)
経常利益 68,000 80,776 (15.8)
当期純利益 44,000 46,813 (6.0)


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

研究開発費

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 8,096 7,622 6,834
-シール事業 6,261 5,752 5,212

研究開発活動

シール事業
-環境関連:低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、ハイブリッド・電気自動車・燃料自動車に対応するクリーン製品の開発を推進している。
-安全やIT関連:自動車制動関連の製品や電子部品との複合等による高付加価値製品の開発を推進している。
-オイルシール:信頼性を維持しつつ摩擦力低減を狙った新たな低摩擦シールで、従来のコーティングタイプに加えて、低摩擦力ゴム材料や子会社であるNOKクリューバー (株) と共同開発した低トルクグリースを組み合わせ、自動車用として市場投入。また、海外の新興国に向けた過酷な道路環境に対応する耐ダスト性が改良された製品も市場投入。
-Oリング:環境対応の新冷媒対応シール材、組立性向上コーティング材を市場投入する一方で、燃料電池用水素ガス対応シール材の開発を推進している。
-EV・HEV向け製品:省スペースや低反力のガスケットおよびフレキシブル基板 (FPC) 一体シール部品を開発、一部量産化。
-燃料電池車向け製品:燃料電池セルスタック向けシール部品を供給しており、量産に向けた準備を推進している。

電子機器部品事業
-放熱機能が要求される車載用LED照明分野に関しては、メタルベースFPC (フレキシブルプリント配線板) 技術を開発し一部採用され製品化。
-FPCとケーブル、FPCと機器間の高信頼性接続技術を開発、各顧客への技術紹介を開始。
-PE (プリントエレクトロニクス) による環境にやさしいプロセスを用いた静電容量方式のタッチセンサーを開発。さらに高信頼性化による車載用途への適用検討開始。

研究開発拠点

拠点名 所在地
湘南開発センター 神奈川県藤沢市

技術提携契約

(2015年3月31日現在)
相手先 国名 内容 契約日
Freudenberg ドイツ オイルシール、Oリング等のシール製品およびそれに関連する技術の導入・供与 2009年1月1日

設備投資額

(単位:百万円)
  2015年3月期 2014年3月期 2013年3月期
全社 41,470 40,615 52,802
-シール事業 18,680 21,914 27,957


シール事業
-国内では同社を中心に、海外では中国の無錫NOKフロイデンベルグCo.,Ltd. [Wuxi Nok-Freudenberg Oilseal Co., Ltd.]、タイのThai NOK Co., Ltd.を中心に設備投資を実施。

設備の新設計画

(2015年3月31日現在)
事業所名
(所在地)
設備の内容 投資予定金額
(百万円)
着手 完了予定
MEKTEC Manufacturing Corp. (Thailand) Ltd.
(タイ アユタヤ)
フレキシブル基板製造設備 5,950 2015年
2月
2015年
9月

2016年3月期設備投資額見通し

(単位:億円)
  2016年3月期
(予測)
2015年3月期
(実績)
増減
(%)
日本 267 165 61.8
アジア 281 246 14.2
欧米 9 4 125.0
合計 557 415 34.2