NOK (株) 2012年3月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万円) |
2012年 3月期 |
2011年 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 495,251 | 498,932 | (0.7) | - |
営業利益 | 30,012 | 35,134 | (14.6) | - |
経常利益 | 34,694 | 32,426 | 7.0 | - |
当期純利益 | 16,016 | 16,685 | (4.0) | - |
シール事業 | ||||
売上高 | 259,143 | 255,050 | 1.6 | -期初に東日本大震災による自動車生産の減少に影響を受けたが、サプライチェーンの急速な回復とともに国内販売が回復。 -米国や新興国での自動車生産が堅調に推移したため、販売が前年同期比で微増。 |
営業利益 | 26,294 | 24,716 | 6.4 | - |
国内事業
-電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)用2次電池部品事業に本格参入する。防振ゴムやガスケットなどの部品を開発しており、自動車メーカーやバッテリーメーカーなどへの供給を目指す。同社が車載用2次電池用部品分野の新製品として期待するのは、バッテリー本体の振動を抑制する防振ゴム、配線と基板を一体化したフレキシブルプリント基板(FPC)、バッテリー本体に空気や水、油の侵入を防止するガスケット、電解液を封止する電極部シールなど。ニッケル水素、リチウムイオンの両タイプのバッテリーに対応した技術と製品群を用意し、自動車メーカーやバッテリーメーカーの要求に応じていく。(2011年5月27日付日刊自動車新聞より)海外事業
-自動変速機用のシール部品の海外生産を始める。これまで二本松事業場(福島県二本松市)で集中生産していたが、タイと中国に、それぞれ年間30万個の工場を新設し、2012年度中に生産を開始する。変速機メーカーからの現地調達ニーズに対応するほか、生産場所を分散させることで災害などのリスク対応を強化する狙いがある。 (2012年2月2日付日刊自動車新聞より)
2013年3月期の見通し |
(単位:億円) |
2013年3月期 (予想) |
2012年3月期 (実績) |
増減 (%) | |
売上高 | 5,640 | 4,953 | 13.9 |
営業利益 | 414 | 300 | 38.0 |
経常利益 | 450 | 347 | 29.7 |
当期純利益 | 265 | 160 | 65.6 |
セグメント別 2013年3月期の見通し |
(単位:億円) |
2013年3月期 (予想) |
2012年3月期 (実績) |
増減 (%) | |
シール事業 | 2,730 | 2,591 | 5.4 |
電子機器部品事業 | 2,500 | 1,941 | 28.8 |
ロール事業 | 280 | 291 | (3.8) |
その他 | 130 | 128 | 1.6 |
合計 | 5,640 | 4,952 | 13.9 |
>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万円) |
2012年3月期 | 2011年3月期 | 2010年3月期 | |
全社 | 6,403 | 6,375 | 6,433 |
シール事業 | 4,706 | 4,807 | 4,689 |
研究開発活動
シール事業-環境関連では、低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、ハイブリッド・電気自動車・燃料自動車に対応するクリーン製品の開発を推進。
-オイルシールでは、信頼性を維持しつつ摩擦力低減を狙った新たな低摩擦シールで従来のコーティングタイプに加えてゴム材料本体で摩擦力低減したものを開発し、自動車用として市場投入。また、中国やタイ等海外での劣悪道路環境に対応する耐ダスト性が改良された製品も市場投入した。
-Oリングでは、環境に配慮しつつ組み付け性を向上させたコーティング材の開発や、最新冷媒(1234YF)対応の製品を市場投入。
-EV・HEV用のシール製品として、次世代用として省スペースや低反力のガスケットを開発。
-自動車の電子化に対して、クリーン材料シール部品やFPC複合品の開発を積極的に推進している。
電子機器部品事業
-FPCの薄型化・低価格化に関して、両面FPCは従来厚みの半減化(総厚51.5マイクロメートル)を量産適用を実現。
-多層FPCは、FRBB (Flex Resin Build Board)の量産化技術を確立し、4層で総厚0.19mmで、かつ実装性にも優れる薄型多層FPCの量産品供給を開始。
-放熱機能が要求される、デジタルサイネージ(LED)照明や車載用LED照明分野に関しては、メタルベースFPC技術を開発し、各分野顧客への開発施策対応を実施している。
研究開発拠点
湘南開発センター | 神奈川県藤沢市 |
技術提携契約 |
(2012年3月31日現在) |
相手先 | 国名 | 内容 | 契約日 |
Freudenberg | ドイツ | オイルシール、Oリング等のシール製品およびそれに関連する技術の導入・供与 | 2009年1月1日 |
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万円) |
2012年3月期 | 2011年3月期 | 2010年3月期 | |
全社 | 27,158 | 23,480 | 18,232 |
シール事業 | 16,099 | 13,159 | 11,666 |
シール事業
-国内では、福島事業場のオイルシール製品製造工場を中心に、海外では無錫NOKフロイデンベルグCo.,Ltd. (Wuxi Nok-Freudenberg Oilseal Co., Ltd.)、タイNOK Co.,Ltd. (Thai NOK Co., Ltd.)、を中心に設備投資を実施。
海外投資
-自動車用シール製品の生産能力を中国とASEANで増強する。タイ、インドネシア、中国の既存生産拠点に工場建屋を新設し、同地域の生産量を2013年初頭に現行の1.2倍に増やす。アジアでの能力増強により、中国や東南アジアでの日系メーカーの生産拡大に対応するほか、自然災害などリスク発生時の代替生産場所を確保する。インドでも日系メーカーの生産拡大に対応するため、能力増強の検討に着手した。インドネシアの生産拠点では工場を1棟新設し、生産の能力を2倍にする。タイでは工場建屋を増設して生産能力を増強するほか、新たに自動変速機用のシール部品を月産30万個の能力で生産する。中国では無錫の生産拠点に建屋を新設して能力を増強するほか、タイと同様、自動変速機用のシール部品を月産30万個の能力で生産する。東南アジア、中国のシール事業へ11年度の設備投資は80億円で、12年度も能増のための投資が続く。15年以降はさらに能力が足りなくなる見通しで、中国、ASEANでのさらなる増強を検討する。インドには提携先の独フロイデンベルグが現地資本との合弁で運営する生産拠点があり、日系メーカーの現地生産拡大に対応するための能力増強を検討している。(2012年2月22日付日刊自動車新聞より)設備の新設
事業所名 (所在地) |
設備の内容 | 投資予定 金額 (百万円) |
着手 | 完了 予定 |
北茨城事業場 (茨城県北茨城市) |
樹脂加工品等製造工場 | 2,194 | 2012年 7月 |
2013年 7月 |
福島事業場 (福島県福島市) |
オイルシール事務棟 | 2,160 | 2012年 1月 |
2012年 10月 |
無錫恩福有限公司 [Wuxi NOK-Freudenberg Co., Ltd.] (中国無錫) |
オイルシール、Oリング等、各種シール製品製造工場 | 1,786 | 2011年 10月 |
2012年 7月 |
MEKTEC Manufacturing Co., (Suzhou) Ltd. (中国蘇州) |
フレキシブル基板製造工場 | 1,198 | 2012年 4月 |
2012年 9月 |
2013年3月期 設備投資額見通し |
(単位:億円) |
2013年3月期 (予想) |
2012年3月期 (実績) |
増減 (%) |
|
日本 | 210 | 111 | 89.2 |
アジア | 226 | 160 | 41.3 |
欧米 | 2 | 1 | 100.0 |
合計 | 437 | 272 | 60.7 |