アイシン精機 (株) 2013年3月期の動向

ハイライト

業績

(単位:億円)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率 (%) 要因
売上高 25,299 23,041 9.8 -電動ポンプや回生協調ブレーキなどハイブリッド車向け関連製品やトランスミッションの販売が堅調に推移。
営業利益 1,488 1,218 22.2 -
経常利益 1,587 1,291 22.9 -
純利益 775 554 39.9  -
アイシン精機グループ
売上高 8,977 8,220 9.2 -国内および北米自動車メーカーの生産台数の増加等。
営業利益 524 426 23.0

事業方針

グループ効果による開発、営業力強化
-アイシングループは開発、営業分野でグループ資源を結集し、次世代品の製品化や新規受注の獲得に取り組む。主要6社の役員で構成する新製品検討チームで技術進化の方向性をまとめて一層の効果を引き出したり、環境、安全規制への対応などに役立てる。現時点で、グループ主要6社が2017年頃までに市場導入を計画する新製品を合算すると、現状に対して100キログラム超の軽量化、15%の燃費改善が可能になる見通し。自動車メーカーに対してグループ製品をまとめて、改善効果を明快に示す"パッケージ提案"を積極化し、受注増につなげる。(2013年1月21日付日刊自動車新聞より)

海外売上高の引き上げ
-同社子会社のアイシン化工は、2015年度をめどに海外事業の売上高を現状に比べて約2.5倍の年150億円に引き上げる。現在、海外生産拠点で取り扱う品目は中国とタイがディスクブレーキ、米国が湿式セグメントディスクと塗布型制振材で、大半を摩擦材の現地生産が占めている状況だ。今後は各地域で化成品の現地化を視野に入れている。これにより、米国とタイの売上高を現状の約30億円から50億円規模に拡大する。中国工場は昨年、操業を開始したばかりだが、順次、生産規模を拡大して売上増につなげていく。(2012年8月21日付日刊自動車新聞より)

買収

-2012年、半導体回路の設計、評価試験などを手がける日出ハイテックの株式33.4%を取得。車両制御システムの高度化対応や、電子部品、センサーなどの小型化、低コスト化を加速するため、開発基盤を拡充する。日出ハイテックの12年3月期の売上規模は9億9,100万円。12年3月時点の従業員数は76人。(2012年7月5日付日刊自動車新聞より)

主な受注

-2012年、パワースライドドアシステムがトヨタ自動車が7月23日に発売した新型「Porte」、「Spade」に採用されたと発表した。同社のパワースライドドアシステムは世界シェアトップ。「Porte」と「Spade」に採用されたタイプは、ドア内に配置する開閉ユニットや半ドア防止などの構成部品を統廃合することで部品点数を削減して小型軽量化を実現した。(2012年8月10日付日刊自動車新聞)

-2012年、中間ロック可変バルブタイミングが日産 「Altima」に採用された。同製品は油圧式で世界初となる新たなロック機構を開発したことで、コストを抑えつつ電動式並みの性能を実現する。>>>製品画像

2014年3月期の見通し

(単位:億円)
  2014年3月期
(予想)
2013年3月期
(実績)
増減
(%)
売上高 26,500 25,299 4.7
営業利益 1,550 1,488 4.2
経常利益 1,600 1,587 0.8
純利益 700 775 (9.7)

-2014年3月期の売上高は、日本において2013年3月期実績比で4.0%減少するが、北米およびアジアで二桁増加するなど、全体では同4.7%増加する見通し。

>>> 次年度業績予想 (売上、営業利益等)

中期経営計画

-同社は、2020年度までに売上高を11年度見通しに比べ5割増の3兆3,000億円に引き上げる長期ビジョンを策定した。営業利益は3倍の3,300億円以上を目指す。

開発動向

研究開発費

(単位:億円)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
アイシン精機グループ 564 507 -
アイシン高丘グループ 11 11 -
アイシンAWグループ 529 490 -
アドヴィックスグループ 193 157 -
その他 51 47 -
合計 1,350 1,214 1,114

-同社は、2014年3月期の研究開発に前年比3.7%増加の1,400億円を投じる見込み。

研究開発活動

-システム化、モジュール化からITS関連商品の開発など、最先端の自動車部品技術を基盤に、住環境と生態の科学的研究、燃料電池やレーザーをはじめとする先端技術研究など様々な分野へ開発の領域を広げている。

-同社の2013年3月期の主な成果は、油圧式中間ロック可変バルブタイミング機構 (VVT)。同製品は、油圧式で世界初となる新たなロック機構を開発したことで、コストを抑えつつ電動式並みの性能を実現する。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2013年3月期 2012年3月期
アイシン精機グループ 76,944 61,324
アイシン高丘グループ 32,711 23,919
アイシンAWグループ 66,632 52,955
アドヴィックスグループ 11,412 8,239
その他 7,741 6,113
消去 (409) (1,753)
合計 195,032 150,798
-2013年3月期、主にボディ関連およびエンジン関連製造設備等に投資。

海外投資

<インド>
-2012年、インド北部と南部に新たな生産子会社を設立したと発表した。北部のハリヤナ州には営業、設計機能から生産までを手がけるアイシン・オートモーティブ・ハリヤナを設置した。南部のカルナタカ州にはアイシン・オートモーティブ・カルナタカを開設した。従来、現地にはカルナタカ州に車体部品などを製造する拠点を設置していたが、新会社2社の設立を機に事業拡大を図る。トヨタ自動車を始め、現地に進出する日系メーカーから幅広く受注を獲得することを目指す。

設備の新設計画

(2013年3月31日現在)
  投資予定額
(百万円)
主な設備投資の内容
アイシン精機グループ 88,300 ボディ関連製造設備、エンジン関連製造設備等
アイシン高丘グループ 23,400 鋳造設備等
アイシンAWグループ 75,000 ドライブトレイン関連製造設備等
アドヴィックスグループ 14,200 ブレーキおよびシャシー関連製造設備等
その他 17,200 ドライブトレイン関連製造設備等
消去 (3,100) -
合計 215,000 -