Novelis, Inc. 2013年3月期までの動向

ハイライト

近年の動向

業績

(単位:百万ドル)
  2013年
3月期
2012年
3月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 9,812 11,063 (11.3) 1)
純利益 203 556 (63.5) -
セグメント別売上高
北米 3,405 3,967 (14.2) 2)
欧州 3,181 3,840 (17.2) 3)
アジア 1,762 1,830 (3.7) 4)
南米 1,391 1,278 8.8 5)

要因
1) 売上高
-2013年3月期の売上高は、前年比11.3%の減少。アルミ平均価格が15%下落したこと、生産量が2%減少したことが影響した。

2) 北米
-2013年3月期の売上高は、前年比14.2%の減少。圧延製品の生産量の減少およびアルミ平均価格の下落が影響。

3) 欧州
-2013年3月期の売上高は、前年比17.2%の減少。アルミ平均価格の下落、圧延製品の輸出減少が売上高を押し下げた。また、2012年6月のフォイルおよびパッケージ工場の売却が生産量の減少に大きく影響した。

4) アジア
-2013年3月期の売上高は、前年比3.7%の減少。アルミ平均価格の下落が主な要因。一方、自動車および製缶用の圧延製品の輸出が増加し、一部減少分を相殺。

5) 南米
-2013年3月期の売上高は、前年比8.8%増加。アルミ平均価格の下落が見られたが、圧延・非圧延製品の輸出が増加したことが寄与。

主な受注

-2012年、Jaguar Land Roverに対して自動車用シート部品の独占供給に関する複数年契約を締結。新モデル「Range Rover」を含む様々なモデルに同社のアルミ圧延製品を供給する。同契約は、Jaguar Land Roverの排ガス削減に向けた車両の軽量化戦略と合致することになる。また、同社はJaguar Land Rover向け製品のアルミスクラップを回収・リサイクルすることにより、クローズループリサイクリングシステムの構築が可能となる。(2012年9月11日付プレスリリースより)

-2012年、同社のアルミがMercedes-Benz 「SL」の2012年モデルに幅広く使用されると発表。同モデルの構造部品はアルミで構成されており、ドア、フードや様々な構造部品にアルミが使用され、新アルミ合金を使ったトランスミッショントンネルもその一つ。この新アルミ合金「Anticorodal-300」は自動車構造部品向けとして、車両の強度・安全性向上を目的にMercedes-Benzと同社が共同で開発した。(2012年5月21日付プレスリリースより)

-2010年春に発売のBMW 「5 Series」にアルミニウムシートを供給している。ドア、フード、フロントフェンダー、その他補強部品に使用される。また、ドア骨格にはアルミニム積層板 「Novelis Fusion」が採用。この積層板は「5 Series Gran Turismo」、「7 Series」にも納入中。なお、今回の受注により同社のアルミシートはBMW 「M3 Series」、「5 Series」、「6 Series」、「7 Series」、「X6」、「X5」、「Z4」に採用されたことになる。(2010年5月26日付プレスリリースより)

-2010年、Daimlerが同社顧客に加わったと公表。

-2010年3月、モデルチェンジされたAudi 「A8」 Luxury Sedan用のアルミシート主要メーカーとして選定されたと発表。(2010年3月11日付プレスリリースより)

-2009年9月、New Jaguar 「XJ」 Sedan用の単独アルミシートサプライヤーとして選定されたと発表。(2009年9月15日付プレスリリースより)

受賞

-2012年11月、同社はBMWより、軽量構造物 (Lightweight Construction) カテゴリーにおいて「Innovation Award」を受賞。新型の多層アルミシートの開発が評価された。

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
全社 46 44 40

研究開発体制

-約180名が研究開発に従事。

研究開発拠点

-2012年、米国ジョージア州Kennesawに研究開発拠点のセントラルハブとなる「グローバルリサーチ&テクノロジーセンター」を開設。施設面積は16万平方フィートで、テストラボを保有し、様々な素材開発を行なう。将来的には、自動車向けアルミシート最終加工用に小規模アルミ圧延装置および熱処理機器の設置を計画している。

-米国、カナダ、ドイツ、ルクセンブルク、スイスおよび韓国に6カ所のサテライトR&Dセンターを保有。

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2013年3月期 2012年3月期 2011年3月期
北米 183 108  61
欧州 80 73 73
アジア 251 151 37
南米 197 177  81
消去・その他 64 7 (18)
合計 775 516  234

 

国内投資

<ニューヨーク>
-2013年、ニューヨーク州のOswegoで自動車用シートの最終加工工場を稼働予定。他にも同社は2014年末までに5カ所の最終加工工場の稼働を計画。

<北米>
-2011年、自動車業界における軽量化の流れに対応するため、北米の圧延製品の生産能力を年間約20キロトン増強。

海外投資

<中国>
-2012年、中国江蘇省常州市の常州国家ハイテク産業開発区にアルミ工場を着工。投資額は100百万ドルで、160エーカーを超える土地を取得。圧延製品の需要増加に対応する。同拠点は2014年後半に操業を開始し、アルミ圧延製品の年産能力は12万メートルトン。同社の韓国拠点で製造されたアルミコイルが同拠点に出荷され、熱処理と最終加工を行い、最終的に中国およびその他市場に出荷されるという。(2012年11月14日付プレスリリースより)

<ドイツ>
-2009年、ドイツのNacheterstedt工場に大規模投資を開始。これにより自動車メーカーに対するアルミシートの提供力を強化し、顧客ニーズへの柔軟な対応を可能とする。(2009年9月30日付プレスリリースより)