Yuchai Machinery (Guangxi) Group Co., Ltd. [広西玉柴機器集団有限公司] 2013年12月期の動向
ハイライト
業績
-2013年のエンジン累計販売台数は50万基となり、市場シェアは前年を4ポイント上回り、2011年より2年続いた前年割れを食い止めたと発表。同社は、国内マルチシリンダーディーゼルエンジンメーカーとして最も早く50万基まで回復したことになるという。(2013年12月31日付けプレスリリースより)-2012年のエンジン販売数は43.5万基で、市場首位を守った。前年に比べ市場シェアは3ポイント上がったとしている。2012年は次世代大型商用車用エンジン「YC6MK」が市場に認められ、車長6m以上のバス用エンジン市場でのシェアは60%を超えた。また、国 Ⅲ規制以降に対応したエンジン販売数が2年連続で15万基を超え、ガスエンジンの市場保有数が6万基を超えたという。さらに、スクールバス専用エンジンの販売数が1万基を超えたなど多くのプラス要因が売上増につながったとしている。なお2013年は47万基の販売を計画。 (2013年3月17日付け各種リリースより)
受注
<国内>-2013年5月、同社のディーゼルエンジン「YC6L」を搭載した東風柳州汽車の「覇龍(Balong)」 8x4トラック17台がに広東省湛江雷州 (Leizhou, Zhanjiang, Guangdong) の運送会社に納入された。「雷州」は、中国有数の果物と野菜の産地で、運送業者が多く集まっている。「YC6L」は他のエンジンに比べ燃費が良い、故障が少ないなど現地のユーザーから高い評価を得ており、龍門鎮 (Longmenzhen) という町だけでも今年すでに30台以上の「覇龍」トラックがオーダーされたという。(2013年5月31日付けプレスリリースより)
-河北省保定市(Baoding, Hebei)の公共バス会社「保定公交公司」よりハイブリッドエンジン「YC6J」を298基受注したと発表。2013年3月、そのうちの114基を搭載した宇通客車(Yutong Bus)のバス「ZK6120CHEVG1」が運行を開始。現在残りのエンジンを引渡しているところで、4月末には全てのバスが運行を開始する予定。(2013年4月7日付けプレスリリースより)
-同社の「YC6J210N」ハイブリッドエンジンを搭載した長春華奥汽車 (Changchun HuaAo Automobile) のバス2台が2013年1月、長春市内の路線バスとして運行を開始したと発表。バス会社からは2台のバスの運行状況は安定しており、省エネ効果も高いと高評価を得ているという。 (2013年1月14日付けプレスリリースより)
<海外>
-サウジアラビア向けバス用エンジン800基を受注したと発表。7月上旬より同社のエンジンYG6GとYC6Lを搭載した中国製バス800台が順次サウジアラビアに向けて輸送される。この大口契約は同国のバス市場にとって2013年最大となるもの。(2013年7月25日付けプレスリリースより)
-ユーロⅢ適合エンジンYC6L330-30を搭載した厦門金龍旅行車の全長12mのバス8台がインドネシアのスラウェシ島に輸出され、走行テストに成功したと発表。走行テストは、2013年4月に行われ、バスは島南部のMakarsaから北部のPaluまでの山道1300kmあまりを走破した。走行テストの結果に対して、顧客であるNew Liman社は非常に満足し、50台の追加発注を決めたとしている。 (2013年4月28日付けプレスリリースより)
-同社の天然ガスエンジン「YC6G260N-30」を搭載した東風揚子江バスのWG6120NHM型15台が2013年の年明けにタイに輸出されたと発表。この15台のバスは近日中に車検を終え、バンコクドンムアン空港から市内への路線バスに相次いで投入される予定。タイでは 2011年末から排ガス規制が厳しくなり公共バスの新規投入が減ったため、中国バスメーカーの輸出台数も伸び悩んでいた。最近になり中国主要エンジンメー カーはタイで自社の天然ガスエンジンを大々的に宣伝、競争が激化している。このような状況の中、同社は性能の安定したECIガス燃焼システムを開発し、アフターサービス体系を整備するとともに現地エンジニアを育成するなどしてタイの顧客のニーズに応えているという。 (2013年1月28日付けプレスリリー スより)
新会社
-子会社広西玉柴機器股份有限公司は、包頭北方創業股份有限公司 (Baotou Beifang Chuangye Co., Ltd.)、北奔重型汽車集団有限公司 (Beiben Trucks Group Co., Ltd.) および玉柴聯合動力股份有限公司 (Y&C Engine Co., Ltd.) と合弁会社「包頭北奔玉柴発動機有限公司 (Baotou Beiben Yuchai Engine Co., Ltd.)」を内蒙古包頭市に設立すると発表した。資本金は6億元。YC6A、YC6L、YC6MK、YC6K各シリーズの自動車用大型ディーゼルエンジ ンとガスエンジンを生産する。総投資額は15.1億元。敷地面積は306,682平方メートル。年産能力は10万基。建設は3段階に分けて行う。 (2013年6月24日付け各種リリースより)
戦略提携
-2013年4月、山東省済寧国家高新技術産業開発区 (Jining National High-tech Industrial Development Zone, Shandong Province) に乗用車用ディーゼルエンジンの研究開発センターと生産拠点を開発すると発表。4月17日に同開発区と生産拠点建設契約の調印式を行った。(2013年4月22日付けプレスリリースより)認証合格
-子会社玉柴聯合動力股份有限公司は同社が生産するYC6K12シリーズのエンジン5種が8月15日に欧州型式認証に合格し、Eマークを取得したと発表。欧州市場で販売する自動車エンジンおよび関連する電子製品はEマークの取得が義務付けられている。また多くの国でEU排出ガス基準が採用されておりEマークが認定されている。(2013年8月21日付けプレスリリースより)
受賞
-2013年12月、子会社広西玉柴機器股份有限公司は、東風商用車の2013年度ベストサプラ イヤー賞を受賞したと発表。同賞の受賞はこれで6年連続となった。東風商用車はこれまで20%を超える完成車に同社のエンジ ンを搭載している。(2013年12月23日付けプレスリリー スより)開発動向
研究開発施設
名称 | 詳細 |
広西玉柴工程研究院(Guangxi Yuchai Engineering Research Institute) | - 2007年開設 - 製品エンジニアリング部、電子制御技術部、テストエンジニアリング部、技術管理部で構成され、主に排出ガスの低減、乗用車のディーゼル化に取り組む。 |
内燃機共同実験室 | - 2009年設立 - ディーゼルエンジンの燃焼技術開発及び振動・騒音研究、自動車NVHの研究、吸気系統の研究。 |
玉柴大連ターボチャージャー技術研究開発センター | - 2011年設立 - 船舶、車両用国産大型ターボチャー ジャーを研究開発 |
国家認可工程実践教育センター | - 2011年設立 - 華中科技大学と提携 |
広西ディーゼルエンジン工程院 | -全額投資建設、2012年建設開始、建設時期は3年間 |
特許
-2013年末現在、特許1300件を保有。
新製品
-2014年1月、自動車用新型ディーゼルエンジン4機種を発表。発表したモデルは、YC4E-48、YC4S-48、YC4D2およびYC6MK。小型トラック、大型トラック、軽型バスなどに適したエンジンのラインナップを揃えた。また、新たに開発した第2世代目となるプラグインハイブリッドシステムYCHPTⅡも同時に発表している。(2014年1月18日付けプレスリリースより)
設備投資
国内投資
-重慶潤通控股集団有限公司[Chongqing RATO Holding (group) Co., Ltd.]と重慶両江新区 (Chongqing Liangjiang New Area) に小型エコディーゼルエンジン生産会社を建設すると発表。このプロジェクトの総投資額は30億元。第1期として年産35万基の新型エコディーゼルエンジン工場を、第2期として年産10万台の新型農機工場と年産10万台の発電設備工場を建設する計画。フル稼働後の年間生産高は、約100億元に達する見込み。(2013年12月29日付けプレスリリースより)
-同社向けピストンとオイルポンプの専用生産ライン2本が提携会社において完成したと発表。ピストン生産ラインは、長安汽車集団の湖南江濱活塞分公司 (Hunan Jiangbin Piston Branch) に、オイルポンプ生産ラインは、湖南機油泵股份有限公司 (Hunan Oil Pump Co., Ltd.) に生産された。(2013年11月13日付けプレスリリースより)
-2013年11月、同社玉柴鋳造センターのディーゼルエンジン用大型鋳造部品工場の着工式を行った。この大型鋳造部品工場には、2億元が投じられ、中子造型、樹脂砂造型、樹脂砂再生、中周波炉による溶解、仕上げなどの5工程からなる工場を建設する。2015年上期に完成、テスト生産を開始する予定。年産能力は32,000トン。大型エンジンブロック、シリンダーヘッド、フライホイールなどの鋳造部品を生産する計画。(2013年11月12日付けプレスリリースより)