ZF Group (China) [ZF Group (中国事業)] 2012年12月期の動向

ハイライト

子会社の事業概要

- 同社の子会社「上海采埃孚転向機有限公司 (ZF Shanghai Steering Co., Ltd.)」の2012年のステアリング売上数量は330万セット超、売上高は60億元を超え前年比60%増を記録した。現在同社は第3の工場建設を準備しており、完成後は上海GM、上汽GM五菱、東風汽車、長安フォード、一汽VW (成都)などに製品を供給する予定。2012年12月1300万台目となる油圧ステアリングをラインオフした煙台公司では、デュアルピニオン電動パワーステアリング (EPSdp) の生産に力を入れており、2012年は前年の生産台数64万台をはるかに上回る150万台超を生産、販売した。また新しい分野として同社は2012年8月、上海汽車の電気自動車「栄威E50」向けに初めてコラム式電動パワーステアリング (EPSc) をラインオフした。研究開発面では2012年5月にZFグループ本部以外では最大となる研究開発センターをオープンした。現在230名の技術者を擁し、今までに35の特許を取得、現在12の特許を申請中である。(2013年3月4日付け各種リリースより)

- 2011年、采埃孚伝動技術 (蘇州) 有限公司 (ZF Drivetech (Suzhou) Co., Ltd.) の売上額は7,200百万ユーロに達した。特に、「EcoLife」オートマチックトランスミッションの販売が好調であったほか、オートマチックメカニカルトランスミッション (AMT) は蘇州市を運行するバスに採用された。(2012年1月18日付プレスリリースより)

生産能力

- ZFの子会社「上海采埃孚転向系統 (煙台) 有限公司 (ZF Shanghai Steering Systems (Yantai) Co., Ltd.)」は2012年12月11日、1300万台目となるステアリングをラインオフしたと発表した。同社は2010年9月に工場建設を開始、2011年に竣工、生産を開始した。2014年にフル生産能力に達すれば年間生産高40億元、税引き前利益10億元の中国国内最大級のステアリングシステム生産拠点となる見込み。(2012年12月29日付け各種リリースより)

- ZFは、中国での生産能力を拡大している。これに伴い、上海市青浦 (Qingpu) 区に位置する拠点を拡張し、自動車用のラバーメタル部品およびプラスチック部品の生産能力を倍増した。2008年に開設された同拠点では、これまでラバーメタル部品の開発・生産を行ってきた。今回、倍増された生産エリアの面積は約23,000平方メートル。また、ラバーメタル製品のほかに、同拠点では新たにプラスチック部品の生産も行う。2013年より、樹脂製ペダルモジュールをはじめとするプラスチック製品の生産を開始する予定。なお、ZFは1994年に中国初の生産拠点を設立しており、その数は現在22拠点にのぼる。(2012年11月26日付プレスリリースより)

生産ラインの追加

- ZFは山東省の自動車部品鋳造品メーカー「山東浩信集団公司 (Shandong Haoxin Group)」と2012年8月22日、提携の合意書を結んだ。それによると、山東浩信集団は既存の生産ラインを基にZF専用ラインを建設し、年間20万台分の鋳造部品をZFに供給する。2013年1月より開始し、2年以内に年間40万台分にまで生産を拡大する計画。山東浩信集団は濰柴動力 (Weichai Power)、福田康明斯 (Foton-Cummins) とも提携を結んでおり、ZFには 2010年から鋳造部品を供給している。(2012年8月23日付け各種リリースより)

新工場

- 2012年4月、上海采埃孚変速器有限公司は新工場の起工式を行った。新工場は嘉定工業区匯旺路の南、朱旺路の東に位置し、延床面積は19000平方メートル。2013年3月に完工する見込み。新工場は上汽変速器の付近で、完成後、トランスミッションなどの自動車用部品の生産・製造・営業を一体化する戦略体制を建築し、シナジー効果を発揮する。上海采埃孚変速器有限公司は2004年6月に嘉定に位置し、年産トランスミッション10万基。売上高は16 億元を突破した。過去8年内に、同社はトランスミッションを50万基販売した。主に上海VW Passat B5およびB5 GPに対応する5HP19FL ATを生産・販売する。(2012年4月28日付けプレスリリース)

- 2012年4月、中国・北京市で乗用車用アクスル工場の起工式を開催したと発表。同市での工場建設はZFにとって初となる。同工場の設備投資額は約15百万ユーロで、面積は32,000平方メートル。生産開始後は、従業員約350名を雇用し年間数千個のアクスルセットを生産する。納入先はDaimlerの中国合弁会社である北京奔馳汽車 (Beijing Benz Automotive) で、現行モデルのほかに「Mercedes-Benz C-Class」や「E-Class」などの新型車にも供給する計画。なお、生産開始は2012年末を見込んでいる。(2012年2月28日付プレスリリースより)