ZF Group (中国事業) 動向 2007-2008

ハイライト

<事業概況>
-ZF はVWの中国進出に伴って中国事業を開始。1994年に初の合弁会社を上海に設立して以来、着実に生産拠点を拡大、現在自動車部品の生産子会社17社を保有する。近年は中国大手商用車メーカーとの提携による事業拡大が注目される。

各製品分野ごとの動向は以下の通り。

ドライブライン

大型トラック用トランスミッション
-2007年、大型トラック用トランスミッションの100%子会社「采埃孚伝動技術(杭州)有限公司(ZF Drivetech (Hangzhou) Co., Ltd.)」の16段トランスミッション"ZF Ecosplit Classic Line"の販売量が約1,000台に達した。同子会社のトランスミッション年産能力は約3万台、売上高は約2億元。
-2008年、「采埃孚伝動技術(杭州)有限公司(ZF Drivetech (Hangzhou) Co., Ltd.)」は大型トラック用9段トランスミッションの生産を開始。


バス用ドライブラインシステム
-2007年、バス用ドライブラインシステムの100%子会社「采埃孚伝動技術 (蘇州) 有限公司 (ZF Drivetech (Suzhou) Co., Ltd.)」は北京公共交通控股(集団)有限公司(Beijing Public Transport Holdings,Ltd.)よりノンステップバス用アクスルシステム1,200セットを受注した。
-2008年、同子会社は10m以上の観光、長距離バス用に油圧機械式6段トランスミッションを供給する予定。

中国商用車メーカーとの戦略的パートナーシップ締結
-2008年11月、 ZFは、鄭州宇通客車 (Zhengzhou Yutong Bus)と戦略的パートナーシップ締結の契約に調印した。双方はバス及び重要部品アセンブリーの新技術、新製品開発における提携を強化し、これまでの単純な売買関係から新製品の試験や市場開拓までを共同で行う関係に発展させる。

-2008年9月、ZFは、第62回ハノーバー商用車ショーにおいて、北汽福田汽車 (Beiqi Foton Motor)と戦略的パートナーシップ締結契約に調印した。当面の協力プロジェクトは、北汽福田汽車が新たに開発する小型商用車への同社製マニュアルトランスミッション5S400の供給。2008年10月から搭載設計を始め、2009年から量産を開始する計画。今回の合意には中型トラック、ピックアップ開発での協力のほか、オートメーテッドトランスミッションやハイブリッド車開発での提携も盛り込まれている。北汽福田は北京汽車工業傘下の商用車メーカーで、MPV、SUV、トラック、バスを生産している。


ラバーメタル (ZF Boge Elastmetall)

子会社設立
-2007年12月、ZF Boge Elastmetallはシャシー及びドライブラインのノイズ・振動を低減するNVH部品の100%子会社「采埃孚橡?金属(上海)有限公司(ZF Boge Elastmetall (Shanghai) Co., Ltd.)」を設立。


ステアリング (ZF Lenksysteme (Boschとの折半出資))

電動パワーステアリング(EPS)生産プロジェクト
-ステアリングの合弁子会社「上海采埃孚転向機有限公司(ZF Shanghai Steering Co., Ltd.)」は2008年より電動パワーステアリング(EPS)生産プロジェクトを正式に開始、今後徐々に現行の油圧式パワーステアリングから、電動パワーステアリング(EPS)への切り換えを図る。

開発動向

研究開発体制
-上海(Shanghai)にエンジニアリングセンターを保有。

名称 所在地 設立年 業容
ZF Engneering Center Shanghai 上海 2005年 ZFの中国生産工場への技術サポート

-2008年10月、 ZFは1.5億元(21.9百万米ドル)を投資し上海にエンジニアリングセンターを建設する。2009年9月稼働開始を予定。