Delphi Group (China)[德尔福(中国)] 2017年12月期の動向

事業概況

<分野別概要>

1.電気&電子アーキテクチャー 子会社徳爾福派克電気系統有限公司 [Delphi Packard Electric Systems Co., Ltd.] はワイヤーハーネス国内シェア第1位。上海、広州、長春、白城、煙台、蕪湖等に計14工場を保有。
2.エレクトロニクス & セーフティ 德爾福電子 (蘇州) 有限公司 [Delphi Electronics (Suzhou) Co., Ltd.)] のカーエレクトロニクス工場でカーエンターテイメント、ECU、 セーフティシステム等の先端製品を生産。

受注

-2017年6月23日、Delphiは、2019年よりインテリジェント前方視認システム (IFV)、高性能中距離レーダー(MRR)、短距離レーダー(SRR)など一連のアクティブ・セーフティ技術ソリューションを長城汽車の次世代SUVに供給することで、長城汽車と合意したと発表。Delphiは蘇州とシンガポールの工場を通じて長城汽車に関連製品を供給する。(2017年6月26日付け各種リリースより)

新工場

- 2017年9月、煙台市福山区に再製造本部を建設することが決定。パワートレイン各種製品の再製造、再加工を行う。扱う製品はコントロール、音響、安全の三大系統の高精度部品。Delphiグループはアフターサービス事業部のすべての業務を福山に移し、中国再製造拠点を打ち立てる計画である。(2017年9月25日付け各種リリースより)

-2017年11月、Delphi パワートレインシステム蘇州新工場の着工式が蘇州工業園で行われた。この工場の敷地面積は56,000平方メートル。第1期建設の建築面積は16,700平方メートル。第2期の建築面積は6,000平方メートル。11月28日に着工。完成、稼働開始は2019年1月の予定。国内主要自動車メーカー向け新エネルギー車基幹部品の現地生産を実現する。 (2017年11月29日付け各種リリースより)

-2017年2月25日、Delphi は電気&電子アーキテクチャー荊州(Jingzhou)工場建設に着手した。荊州工場はDelphi中国の13番目のワイヤーハーネス生産工場であり、19番目の生産拠点となる。敷地面積は約74,100平方メートル。2017年10月生産開始予定。年産能力は自動車ワイヤーハーネス40万セット。製品は中西部地区市場に供給される。(2017年2月28日付け各種リリースより)

戦略的提携

-2017年10月27日、Delphiは高徳軟件有限公司[Autonavi Software Co.,Ltd.]と、インフォテインメントシステムと自動運転技術の中国市場における応用開発で提携すると発表。両社は非排除性の戦略的提携合意書を結んだ。提携範囲はビッグデータ、ナビ、モビリティサービス、自動運転技術に及ぶ。ビッグデータ、ナビ、モビリティサービスの分野では、Delphiは高徳の地図を利用し中国市場向けに新たなインフォテインメントシステムとIT技術の関連サービスを開発する。合意書では、Delphiは高徳の自動運転地図データ、関連ソフト、クラウド計算を統合し、顧客のニーズに合わせ、中国市場にクラウドエンドをベースとした自動運転サービスを提供するとしている。また高徳は両社が将来展開する自動運転製品に高精度位置認識技術を提供するとともに、その位置認識技術をベースとしたHDマップをDelphiの他の自動運転製品に供することを確約している。(2017年10月27日付け各種リリースより)

-2017年10月12日、Delphiと慶鈴汽車はと4KH1国Ⅵ排ガス基準適合エンジンを共同開発することで合意。Delphiは同エンジンに燃油噴射系統及びSCR系統ソリューションを提供する。4KH1エンジンは排気量3.0Lの4気筒ディーゼルエンジン。主にピックアップトラックや軽型トラックなどに搭載する。Delphiの燃油噴射系統及びSCR系統を採用し国Ⅵ排ガス基準に適合させる。 Delphiの高圧コモンレール燃油噴射系統はディーゼルエンジンコモンレール技術のひとつで、噴射コントロールにより燃料をより十分に燃焼させ、燃費を抑え、CO2、NOx、粒子状物質の排出を減少させることができる。(2017年10月12日付けリリースより)

研究開発体制

<R&Dセンター>

名称 事業部門 所在地 設立 業務内容

安波福 (中国) 科技研発中心
[Aptiv (China) Technical Center]

旧:徳爾福 (中国) 科技研発中心[Delphi (China) Technical Center]
エレクトロニクス & セーフティ 上海市浦東外高橋保税区 2003年12月 -Delphiが中国に初めて設立したグローバルテクニカルセンター
-自動車エレクトロニクス&セーフティ製品を開発
徳爾福電子(蘇州) 研発中心[Delphi Electronics (Suzhou) Technical Center] エレクトロニクス & セーフティ 蘇州工業園 2014年5月 -エレクトロニクス & セーフティ部門が設立した中国2か所目の研究開発拠点
-インフォテインメントおよび電子コントロール、セーフティシステムなどの製品と技術を開発
-床面積は現在の1,500平方メートルから将来3,000平方メートルに拡張予定。うち設計実験室は1,000平方メートル。
-2014年末現在のエンジニア数は約200名。
徳爾福柴油系統(煙台)有限公司研発中心
[Delphi Diesel System (Yantai) Co., Ltd. R&D Center]
動力システム 山東省煙台市 2017年4月 -アジア太平洋地域で最大の動力システムの研究開発センター
-2018年5月までに、研究開発人数は300名近くを有する。

-2017年8月、東風汽車股份有限公司[Dongfeng Automobile Co., Ltd.]とDelphiが共同開発したDDi23軽型トラック用「国6」基準エンジンが点火に成功。このエンジンは東風汽車がルノーのエンジン技術をベースに開発した軽型4気筒ディーゼルエンジンで、排気量は2.3L。主にN1類(最大設計総質量3.5t以下)のSUV及びN2類(最大設計総質量3.5t-12t)軽型トラックに用いる。Delphiはこのエンジンに高圧コモンレールディーゼルインジェクションシステム及び後処理ソリューションを提供し、国6排ガス基準をクリアするようにしている。(2017年8月23日付け各種リリースより)

-2017年3月1日、Delphi は蘇州工業園に位置する徳爾福電子(蘇州) 研発中心[Delphi Electronics (Suzhou) Technical Center]の拡張工事を行うと発表。新しいテクニカルセンタービルの定礎式を行った。総面積は8,000平方メートルで、800名のエンジニアの収容が可能になる。主にインフォテインメントシステム、マンマシンインターフェース、アクティブセーフティ、ボディ及びエレクトロニクスシステムの研究開発を行う。この蘇州テクニカルセンターは2014年設立、現在約300名のエンジニアが在籍している。将来的には500名を増員する予定である。(2017年3月1日付け各種リリースより)