Weichai Power Co., Ltd. [濰柴動力股份有限公司] 2016年12月期の動向

業績

(単位：百万元)

	2016年12月期	2015年12月期	増減率 (%)	要因
売上高	93,183.52	74,167.74	25.64	-大型車の新政策の実施、PPP(官民パートナーシップ)プロジェクトの推進、インフラ投資の加速などが原因で、国内大型トラック販売が大幅に増加。
営業利益	4,118.31	2,622.62	57.03	-
経常利益	4,637.65	3,125.90	48.36
純利益	3,596.25	2,198.11	63.61

-2016年の大型トラック用エンジン販売基数は19.8万基で前年比67.8%増となって、業界内順位は上位を保っている。バス用エンジン販売基数は前年比5.8%増の2.2万基(潍柴(潍坊)中型发动机有限公司を含め)。中・大型バス用エンジンの市場シェアは11.3%となった。

-子会社「陝西法士特歯輪有限責任公司 [Shaanxi Fast Gear Co., Ltd.]」の2016年のトランスミッション販売基数は前年比23.2%増の50.1万基だった。

子会社動向

-子会社独Linde Hydraulics (KG)は、2016年7月12日(現地時間)、アシャッフェンブルク(Aschaffenburg)新工場の稼働を開始。(2016年7月25日付けプレスリリースより)

-陝西法士特汽車伝動集団有限責任公司の子会社「陝西法士特歯輪有限責任公司 [Shaanxi Fast Gear Co., Ltd.]」は、Sシリーズトランスミッションの組立ラインが完成したと発表。この組立ラインではベアリングのオンライン組込みおよびシャフトの組込みに先進技術を採用したもので、Sシリーズの量産を可能にするものである。(2016年1月4日付けプレスリリースより)

買収

-同社は、60百万米ドルでナスダック上場企業Power Solutions International Inc. (PSI) の株式を取得し、その最大株主となる。両社は戦略的提携関係を構築し、北米及び中国において製品開発、調達、販売、サービスなどの分野で全面的に協力する。また、より大きな出力の非移動用エンジンの開発やガスエンジン技術のレベルアップでも連携を強化してゆく。(2017年4月10日付け各種リリースより)

-同社は、濰柴グループ傘下の高速エンジン事業の経営資源統合のため、2.5億元で濰柴グループの子会社「濰柴(濰坊)中型柴油機有限公司[Weichai (Weifang) Medium-sized Diesel Engine Co., Ltd.]」の株式100%を買収すると発表。買収後、濰柴動力は、濰柴グループの高速ディーゼルエンジン業務の主要プラットフォームをとなる。(2016年9月27日付け会社公告より)

-同社は、全額出資子会社「濰柴動力ルクセンブルク [Weichai Power (Luxembourg) Holding S.a.r.l.]」を通して、KIONが新たに発行する株式5,934,000株を2.76億ユーロで引き受けると発表。今回の株式取引が完了した後、同社のKIONに対する持ち株比率は38.25%から40.23%に達する。(2016年7月20日付け会社公告より)

-子会社「陝西漢徳車橋有限公司 [Shaanxi Hande Axle Co., Ltd.]」は、同じく濰柴グループの子会社「株洲歯輪有限責任公司 [Zhuzhou Gear Co., Ltd.]」のギア事業を吸収し、アクスルギア専門会社を立ち上げる。株洲歯輪は国内最大規模、最多品種の重型ドライブアクスルギアメーカーで、高い技術力を誇る。陝西漢徳車橋は全国最大のアクスルメーカーで、株洲歯輪にとって最大の顧客である。陝西漢徳車橋は株洲歯輪のギア事業を吸収することで、ギアのコア技術の不足を補いたいとしている。(2016年7月11日付け各種リリースより)

受注

-同グループの揚州亜星商用車有限公司[ASIASTAR]は深圳市西湖新能源交通発展有限公司[Shenzhen Xihu New Energy Transportation Development Co., Ltd.]からEV公共バス100台を受注したと発表。(2016年6月13日付けプレスリリースより)

2017年12月期の見込み

-2017年の売上は前年比15%増の1,070億元を見込む。(2016年会社アニュアルレポートより)

研究開発費

(単位：百万元)

	2016年12月期	2015年12月期	2014年12月期
研究開発費用	3,559.67	3,250.79	3,355.73
研究開発費用の売上高に占める割合(%)	3.81	4.41	4.21

研究開発体制

-2016年現在、研究開発人員は4,064名。

研究開発拠点

-中国とオーストリアに研究開発センターを保有。

-2016年2月、濰柴グループは内燃機関信頼性国家重点実験室を濰坊 (Weifang) にオープンさせた。この実験室の総投資額は550百万元。内燃機関全体の信頼性、重要部品の信頼性、信頼性の予測と評価などについて研究開発、試験を行い、国産内燃機関の長寿命化、品質の向上、故障率の低減を図る。(2016年2月4日付けプレスリリースより)

新製品

-同社は、Hプラットフォームエンジンで初となる製品を発表。トラック、バス、建設機械用エンジン「WP9H/WP10H」で、出力は290～400PSをカバー、限界出力は700PSに達する。最大トルクは1900Nm、1リットル当たりのトルクは200Nm、限界トルクは2300Nm。エンジン寿命は180万Km/3万時間で、高速重型エンジン寿命の最高基準に達している。(2016年4月29日付け各種リリースより)

研究開発活動

-2016年の主要な研究開発活動
・WP10HユーロVIディーゼルエンジン
・WP3非道路Tier4Fディーゼルエンジン

2016年度の主な設備投資

(単位：百万元)

プロジェクト	予算	2016年投資額	進捗(%)
法士特汽車伝動有限公司の技術改造	2,383.60	163.96	97.11
濰柴動力[Weichai Power]の試験センター	942.31	34.37	98.46
濰柴動力[Weichai Power]部品のグローバル配送センター	419.62	127.38	30.36