Weichai Power Co., Ltd. [濰柴動力股份有限公司] 2015年12月期の動向

業績

(单位:百万元)
2015年12月期 2014年12月期 増減率 (%) 要因
売上高 73,719.92 79,637.16 -

-マクロ経済政策と排ガス規制の強化などの影響を受け、国内重型トラック市場が低迷。これに伴い売上が減少。

営業利益 2,578.12 6,590.05 - -
経常利益 3,083.42 6,965.70 -
純利益 2,162.67 5,784.50 -


-2015年の重型トラック用エンジン販売基数は11.8万基で前年比56.5%減となったが、業界内順位は上位を保っている。バス用エンジン販売基数は前年比10.2%減の2.03万基。中・大型バス用エンジンの市場シェアは12.5%となった。

-子会社「陝西法士特歯輪有限責任公司 [Shaanxi Fast Gear Co., Ltd.]」の2015年のトランスミッション販売基数は前年比34.4%減の40.7万基だった。

子会社動向

-揚州市開発区に位置する子会社「濰柴動力揚州柴油機有限責任公司 [Weichai Power Yangzhou Diesel Engine Co.,Ltd.]」 に国Ⅴ、国Ⅵ排ガス基準に適合するハイエンド軽型エンジン工場を建設すると発表。同社が掲げている 「長江デルタ戦略目標」 によると、2018年末までに揚州生産拠点を100億元規模の完成車・エンジン研究開発生産拠点とする計画。(2015年12月3日付けプレスリリースより)

-2015年5月、ドイツの子会社 Linde Hydraulics (KG) との合弁会社「林徳液圧 (中国) 有限公司 [Linde Hydraulics China]」 が濰坊 (Weifang) で建設を進めていた工場が稼働を開始。合弁会社は2014年12月設立。主に高圧油圧ポンプ、モーター、バルブなどを生産する。国内の有名企業複数に製品を供給する。年間生産量は油圧製品,6,000セットを計画。

新会社

-20152月、子会社「陝西法士特歯輪有限責任公司[Shaanxi Fast Gear Co., Ltd.]」はEatonと合弁会社「法士特伊頓(西安)動力伝動系統有限公司[Fast Eaton (Xi’an) Drive System Co., Ltd.]」を設立。陝西法士特歯輪が51%を出資。合弁会社ではクラッチを主に生産する。

買収

-間接的全額出資子会社「濰柴動力ルクセンブルク [Weichai Power (Luxembourg) Holding S.a.r.l.]」を通して、Superlift Holding S.a r.l. より独KION Holding 1 GmbH (以下"KION") の株式4.95%を186.9百万ユーロで取得すると発表。今回の株式取引が完了した後、同社は間接的にKIONの株式を38.25%保有することになる。(2015年3月30日付け会社公告より)

売却

-2015年4月、子会社「株洲湘火炬汽車灯具有限責任公司[Zhuzhou Torch Auto Lamp Co., Ltd.]」の株式をすべて売却。

受賞

-2015年12月、山東濱州渤海活塞股份有限公司は濰柴グループより優秀サプライヤー賞、ベスト品質賞、同時開発賞、研究開発共同体優秀会員など各2015年度賞7賞を受賞したと発表。(2015年12月22日付けプレスリリースより)

-子会社「株洲湘火炬火花塞有限責任公司 [Zhuzhou Torch Spark Plug Co., Ltd.]」は、富士重工業株式会社より「品質優秀賞」を受賞。同社は2010年より富士重工にスパークプラグを供給している。(2015年4月23日付けプレスリリースより)

2016年12月期の見込み

-2016年の売上は前年比10.7%増の816億元を見込む。(2015年会社アニュアルレポートより)

開発費用

2015年12月期
(百万元)
2014年12月期
(百万元)
2013年12月期
(百万元)
研究開発費用 3,250.79 3,355.73 2,517.38
研究開発費用の売上高に占める割合 4.41% 4.21% 4.32%



研究開発体制

-2015年現在、研究開発人員は4,688名。

研究開発拠点

-中国とオーストリアに研究開発センターを保有。

製品開発

-2015年の下記を重点的に開発。
・7L低排出ディーゼルエンジンの技術開発と事業化
・L項目ディーゼルエンジン
X3000シリーズ製品
・16JSX300Aシリーズトランスミッション
・小型MPV

新製品

-20154月、国Ⅴ対応軽型ディーゼルエンジンの新製品4種、WP2.1RA425WP3WP4.1を発表。濰柴国Ⅴ対応軽型ディーゼルエンジンはコモンレール式でSCR技術を採用。軽型商用車、軽型バス、ピックアップ、小型建設機械など各車種に広く対応する。(2015423日付けプレスリリースより)

-ハイブリッドパワートレイン「WE61」を発表。2モーターのシリーズパラレル式ハイブリッド技術を採用したもので、都市公共交通車両に適している。「WE61」はWP7エンジン、90kW ISG (インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター) および105kW駆動モーターの3部品で構成されている。全長12mのバスに搭載して行った実車テストによると、0-50km/hの加速時間は22秒を下回り、100kmあたりの燃料消費量は21リットルを下回った。(2015年2月4日付けプレスリリースより)

-2015年1月、軽型トラック専用エンジンWP2.1、WP3、WP4.1を発表。WP2.1は低回転、低燃費、低排気、低騒音などの特徴を有しており、主に微型、小型トラック向け。WP3は軸距3.3mの国産ハイエンド軽型商用車に的を絞ったエンジンで、高い動力性、快適性などが特徴。WP4.1は国Ⅳ適合エンジンをグレードアップしたもので、最大出力を従来の97kWから115kWに、最大トルクを従来の400N.mから520N.mに引き上げた。軽、中型トラック、ダンプカーに適している。(2015年1月21日付けプレスリリースより)

-藍擎 (Landking) エンジンの第4世代機となるWP12NGフラッグシップエンジンとWP10 4バルブディーゼルエンジンなどを発表。WP12NGはWP12ディーゼルエンジン本体を基礎として、シリンダーヘッド、ピストン、バルブなどに天然ガスエンジン対応性能を加え、新たな電子制御システムを配して、動力性の強化、燃費の向上、故障率の低減、メンテナンスの簡便化を図ったとしている。WP10 4バルブディーゼルエンジンはWP10ディーゼルエンジンのアップグレード版。シリンダーヘッドを4バルブ構造とし、吸排気システムとフロントエンドアクセサリードライブを再設計したが、多くの部品はWP10ディーゼルエンジンと共用し、メンテナンスを容易にしたとしている。(2015年1月20日付けプレスリリースより)

-新しい重型商用車用13リットルエンジンWP13を発表。WP13は12リットルディーゼルエンジンWP12を基に設計したもので、出力範囲は480HPから550HP、最大トルクは2500N・m。そのスペックは海外の同等排気量内燃機関のトップクラスレベルに達しており、最大トルク回転数は1000r/minまで上げることができ、上り坂走行に威力を発揮するとしている。(2015年1月8日付けプレスリリースより)

2015年度の主な設備投資

(単位:百万元)
投資項目 予算 2015年投資額 進捗率
法士特汽車伝動有限公司の技術改造項目 2,383.60 185.24 97%
濰柴動力[Weichai Power]の試験センター 942.31 46.90 98.32%