Johnson Electric Group [徳昌電機] 2011年12月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ドル) |
2012年3月期 | 2011年3月期 | 増減率(%) | 要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 2,140.80 | 2,104.03 | 1.75% | 1) |
営業利益 | 221.11 | 235.67 | (6.18%) | - |
税引き前利益 | 220.51 | 226.41 | (2.61%) | |
純利益 | 188.89 | 190.36 | (0.77%) | |
自動車用製品グループ(APG) | ||||
売上高 | 1,284.70 | 1,149.62 | 11.75% | 2) |
1)
- 全社の売上高は前年比2%増の21億米ドル。自動車市場における顧客需要は堅調だったが、工業用品が一部地域における売上が低く、非中核事業の売却およびドイツ販売ルートの変更などによる影響により一部相殺された。
2)
- 自動車部門の売上高は前年比11.75%増の12.73億米ドル。アジア、米州、欧州における販売が成長。特に米州市場が大幅に拡大した。
自動車用製品グループ
-2011/12年度の売上は前年比12%増の1,284.7百万米ドルとなった。新規冷却ファン事業の開始、新型エンジン空気流動管理製品およびウインドウ、ループ用ギアモータードライブ製品の販売が主要因。米州、欧州での販売が好調、特に欧州で高級車の強力な需要が売上増に寄与した。
<地域別>
- 為替の影響を除き、2010/12年度から2011/12年度までの売上高は、全社で前年比9%増、アジア同10%増、ヨーロッパ同5%、米州同16%となった。
- 中国を始め、アジア市場での販売が激増、市場占有率も成長した。冷却ファン、ウィンドウレギュレーター、ルーフモーター、エアコン、ヘッドランプなどの製品が好調に推移したことが増加に寄与。
- 欧州市場は低迷したが、高級車の輸出が増加した。高級車向けの電子制御製品、ヘッドランプレギュレータ、温度コントローラの販売が増加した。新開発の電動ブレーキシステム、新型冷却ファン、電動リフトゲートおよびシートモーターの販売も好調。
- 米州では、エアコンアクチュエータ、シートレギュレータ、ルーフ部品の販売が安定しており、ロック、電動ウインドウ等の売上が増加。一方、ソレノイド、シャーシーとトランスミッションの売上が低下した。米州以外では、新型冷却ファンを発売した。
新工場
- Johnson Electric はメキシコのサカテカス(Zacatecas)に北米および南米顧客向けの生産拠点を建設する。第一段階として約7400平方メートルの工場を建設し、 500名の人員を雇用する。工事はすでに開始しており、生産開始は2012年9月を予定している。なお同社は14の国と地域に22の工場を有している。 (2012年5月3日付けプレスリリースより)開発動向
研究開発体制
- エンジニアリングセンターは、香港、ドイツ、スイス、英国、イタリア、日本、中国、イスラエル、米国に設置。新製品
電子スロットル制御モーター
- 2012年5月、電子スロットル制御モーター製品ラインを発表した。このモーターは高トルクで、振動に強く、作業温度範囲が広いのが特徴で、160℃の高温、50Gの振動という環境下での使用が可能である。磁気回路設計、巻線技術など独特の技術を応用したこのモーターは業界標準品 に比べEMC(電磁両立性)が大幅に向上しており、CISPR 25標準の5級をクリアしている。(2012年5月16日付けプレスリリースより)
サンルーフドライブモーター
- 2012年3月、業界内で最も軽量となるコンパクトタイプのサンルーフドライブモーターCompact Lite Sunroof Driveを発表した。 この製品は希土類磁石を使わない設計で、従来品に比べ30%の軽量化を実現、騒音も6デシベル軽減している。ギアボックス、整流器、ブラシホルダー、同社が特許を有する「カーブモーター」など独特の技術を採用し、振動を減少させ騒音を低くすることに成功した。低騒音化、コンパクト化によって車内空間をより 広く快適にすることができる。(2012年3月27日付けプレスリリースより)
ハイブリッド(HV)および電気自動車(EV)用電池冷却ファンモジュール
- 2011年12月、新しいハイブリッド(HV)及び電気自動車(EV)用電池冷却ファンモジュール製品ラインを発表した。この冷却ファンモジュールはHV、EVの運転中及び充電中における電池の温度管理を持続的に長時間行える長寿命設計となっている。空気流量を最大限に上げ、軽量 コンパクト、低騒音を実現している。空気流量は毎秒30から70リットル、車両ECUの制御により空気流量の連続調整が可能。気圧は最大600Pa。マイ ルドハイブリッド、フルハイブリッド、純電気自動車それぞれ異なる冷却ニーズに対応する。冷却ファンモジュールのインターフェース及び診断プログラムは各種の自動車プラットフォームに基づきカスタマイズできる。(2011年12月13日づけプレスリリースより)
ウィンドウリフトモーター
- 2011年12月、現在業界内で最軽量となるコンパクトタイプのウィンドウリフトモーター製品ラインを発表した。この製品はレアアース磁石を使用せずに高性能を実現したもので、トルク範囲は8Nmから12Nm。同社が特許を持つ「カーブ」モーター技術を基礎に開発、高密度設計によ り重量は従来品に比べ30%軽減している。更に同社の特許であるギアボックスを採用することにより騒音量は従来品から6デシベル軽減している。またカーボンブラシシステムが挟み込み防止装置に確実に信号を送ることにより安全性を向上させている。この製品ラインにはより高性能なスタンダードプラスタイプも揃えてある。(2011年12月8日付けプレスリリースより)
グリルシャッターアクチュエータ
- 2011年10月、Saia-Burgess GSブランドの自動車グリルシャッターアクチュエータ製品ラインを発表した。Saia-Burgess GSブランド製品ラインは無駄のないスペースで、業界最大クラスの幅広い回転速度とトルクを提供することが可能。このアクチュエータはいろいろな気象状況を考慮して設計されており、独自のパワーブーストモードがグリルシャッターを泥や結氷から守る働きをする。大きなトルク、高い信頼性、少ない消費電力といった利点を備え、カスタマイズしたコントロールインターフェイスにより各種サイズのグリルシャッターが求める出力を実現する。また将来の車載診断スタン ダードをサポートする診断機能を提供することもできる。(2011年10月11日プレスリリースより)
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ドル) |
2012年3月期 | 2011年3月期 | 2010年3月期 | |
合計 | 91.3 | 85.6 | 38.0 |