Georg Fischer AG 2014年12月期までの動向

業績

(単位:百万スイスフラン)
2014年12月期 2013年12月期 増減率 (%) 要因
全社
-売上高 3,795 3,766 0.8 -
-EBIT 274 251 9.2 -
GF Automotive部門
-売上高 1,415 1,498 (5.5)

1)


要因
1)
-2014年12月期のGF Automotive部門の売上高は前年比5.5%減少。オーストリア重力鋳造工場の売却により売上が減少したことと、金属価格の低下により顧客への販売価格が下がったことによる。

買収

-2014年7月、ドイツBiedenkopf-WallauにあるMeco Eckel GmbHの株式の51%を取得した。Meco Eckel社は金型専業メーカーであり、ドイツにおけるダイカスト金型メーカーのリーダー。2013年12月期売上は43百万スイスフラン、従業員数は130名、ドイツLeipzigにも製造工場がある。Meco Eckel社とのパートナーシップを通じて、鋳造部品の設計着手が早まり、設計から生産への導入期間の短縮が見込まれる。

事業売却

-2014年1月、GF Automotive部門は、非中核事業であったオーストリアHerzogenburgの重力鋳造工場をマネージメント・バイアウトにより現地経営陣に売却すると発表。これにより、GF Automotiveは、同社の中核事業の砂鉄鋳造事業および軽金属高圧ダイカスト事業に注力する計画。効力発生日は2014年1月1日に遡る。今回の売却によりGF Automotiveの売上高は年間約70百万スイスフラン (77.3百万ドル) 減少する見込み。Herzogenburg工場では、乗用車およびトラック用のアルミ鋳造部品の生産に特化しており、従業員数は約200名。なお、同拠点の鋳鉄工場とアルミ加圧ダイカスト工場の2工場は、今回の売却に含まれていない。 (2014年1月31日付プレスリリースより)

受注

-2013年6月、GF Automotive部門は、Audiより400百万スイスフラン (約325百万ユーロ) の大型受注を獲得したと発表。数年以内に、欧州および中国においてアルミダイカストによる小型構造部品を生産し、納入を開始する。今回受注したサスペンションストラットドームは、Audiの複数モデルに搭載され、従来の溶接シートメタルASSYを代替できる。この部品の採用により機能性向上および部品数削減を実現するほか、50%以上の軽量化につながるという。 (2013年6月10日付プレスリリースより)

-2013年4月、GF Automotive部門は、欧州トラックメーカーより380百万スイスフラン (約309百万ユーロ) を超える大口受注を獲得したと発表した。今四半期に量産を開始する予定。今回の受注に含まれるのは、20種類超の鉄合金製の軽量シャシー・エンジン部品。同社は、これらの部品をドイツのSingenおよびMettmann、オーストリアのHerzogenburgにある鋳造工場で生産する。 (2013年4月23日付プレスリリースより)

提携

-2013年8月、同社はリケンと合金鋳鉄材料「シバジュー」の製造・販売ライセンス及び相互協力に関する契約を7月1日付で締結したと発表。本契約により、リケンが日本国内と東南アジア諸国連合 (ASEAN) で同材料を製造し、販売する権利を取得。また、今後は世界各国のニーズに合わせて両社の生産拠点を相互に有効活用し、柔軟な供給体制を構築していく。同材料を用いた部品の最適設計は鋳鉄部品の薄肉軽量化に寄与する。 (2013年8月22日付日刊自動車新聞より)

研究開発費

(単位:百万スイスフラン)
2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
全社 106 95 94
-GF Automotive部門 19 18 20

開発体制

-GF Automotive事業部の研究開発施設は2カ所:Schaffhausen (スイス) と蘇州 (中国)。

研究開発活動

-2013年、リアアクスルモジュールサプライヤーに指名されたZFとの共同開発によりDAFの新型 「XF」 向けリアアクスルを従来比70kg軽量化、燃費改善と排ガス削減に寄与。

設備投資額

(単位:百万スイスフラン)
2014年12月期 2013年12月期 2012年12月期
全社 140 128 130
-GF Automotive部門 79 58 83

海外投資

<ドイツ>
-2014年1月、GF Automotive部門は、ドイツのSingen工場にトラック用軽量部品を生産する鋳鉄成形ラインを新たに建設すると発表。新ラインの建設は2014年中に開始し、2015年末に稼働させる予定。今後2年間で総額55百万ユーロを投じるという。新ラインの年産能力はダクタイル鋳鉄10万トンで、これまで30年以上使用していた2つの既存の生産ラインに取って代わる予定。なお、同工場では現在、従業員約1,000名を雇用し年間20万トンのダクタイル鋳鉄を生産している。 (2014年1月16日付プレスリリースより)

-2012年9月、GF Automotive部門は、ドイツのMettmann拠点において新たに鋳造工場を開設したと発表。建設期間は13ヶ月で、約36百万ユーロを投じている。新工場におけるノジュラー鋳鉄の生産能力は最大6万トン。これにより、Mettmann拠点での生産能力は約20万トンとなる。GF Automotiveは、Mettmann拠点において乗用車・商用車向けにシャシー部品、アクスルハウジング、クランクシャフトの生産を行っている。同社の軽量部品は、Audiの新型 「A3」およびVolkswagen 「Golf」 に採用されており、従来製品に比べて25%超の軽量化に貢献している。 (2012年9月27日付プレスリリースより)

<中国>
-2015年1月、GF Automotiveは、中国での生産能力を50%拡大すると発表。2014年末に江蘇省昆山 (Kunshan) にある鋳造工場の拡張工事を完了し、生産能力を50%引き上げた。また、同省の蘇州 (Suzhou) にある軽金属工場の生産能力を2015年末までに50%拡大する。GF Automotiveは、これらのプロジェクトに40百万スイスフラン (43.3百万ドル) 超を投じて、軽量構造部品およびパワートレイン部品の現地生産の要望に対応する。これにより、中国における売上はGF Automotive全体の20%超を占める見込み。 (2015年1月30日付プレスリリースより)

-2012年11月、GF Automotiveは、中国にある既存工場を拡張するとともに、欧州において鉄ダイカストおよびアルミダイカストの鋳造に注力すると発表。まず中国では需要増に対応するため、既存の鉄・アルミダイカスト鋳造工場2拠点の生産能力を今後2年間で約40%拡大する必要がある。一方の欧州では、アルミの砂型鋳造工場であるドイツのFriedrichshafen拠点およびGarching拠点を、オーストリアの自動車部品サプライヤーMWS Groupへ売却する。この2工場は1999年に同社の傘下となり、従業員数はFriedrichshafen拠点が250名、Garching拠点が180名。両工場とも乗用車・商用車・工業製品向けのアルミ砂型鋳造製品を専門に生産している。2011年の売上額はあわせて127百万スイスフラン (約105百万ユーロ) となる。 (2012年11月29日付プレスリリースより)