愛知機械工業株式会社 2008年3月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万円)
2008年3月期 2007年3月期 増減率(%)
売上高 113,001 106,477 6.1
経常利益 5,527 4,658 18.7
当期純利益 1,039 614 69.2

製品別売上高
<エンジン>
-日産国内向け「ウイングロード」、「キューブ」、「ノート」搭載分などの売上が減少したものの、「ティーダ」搭載分の仕向地拡大に伴い欧州、ロシア、中近東向けが増加。また、欧州向け「キャシュカイ」、「ノート」搭載分が増加したことなどにより前年度比10.4%増の524億円。

<マニュアルトランスミッション>
-日産欧州向け「アルメーラ」、「プリメーラ」、北米向け「セントラ」搭載分の打ち切りに伴い減少したものの、日産の欧州向け「キャシュカイ」搭載分の増加などにより前年度比1.6%増の233億円。

<自動車部分品>
-前年度比3.5%増の372億円。


小型車用ガソリンエンジン増産計画
-日産向けの小型車用ガソリンエンジンを増産する。2008年度は07年上期実績に対し、金額ベースで20-30%増産の計画を発表。中近東、ロシアでニーズが拡大しているほか、エンジンを供給しているモデルの増販が見込まれるため、対応を図る。また、09年にはリッターカー・クラス前後の新型エンジンの生産を開始する。(2008年1月23日付日刊自動車新聞より)


海外進出計画

-パワートレーンユニットの海外生産に向けた体制づくりを本格化する。2009年度に開始する3カ年の次期中期経営計画の期間中を念頭に、海外進出の実現を目指す。進出地域と生産品目は、筆頭株主の日産自動車と仏ルノーのグローバル生産補完で空白となっているアジアでの手動変速機(MT)が有力とする。これにより日産自動車の海外展開の支援とともに、成長が見込まれるアジアでの新規ニーズの吸収を図る。(2007年12月14日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発費 (単位:百万円)
  2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
自動車関連事業 67 96 34


製品開発体制

-製品化に必要な企画・設計・試作実験までを一貫して行える体制を整え、開発には、デジタルモックアップ、シミュレーション、データ解析などに最新のコンピュータシステムをフル活用し、クリーンでエコノミーな高性能エンジン、小型・軽量マニュアルトランスミッションをはじめとする先進的な製品開発を実現。


研究開発成果
エンジン
-日産「ティーダ」、「ノート」、「ウイングロード」などに搭載されている直列4気筒エンジン「HR15DE」の燃費向上型を2008年1月に生産開始。

マニュアルトランスミッション
-FR車用マニュアルトランスミッション「R31A」を一部改良して、2007年6月から日産「スカイラインクーペ」に供給。

-FF車用マニュアルトランスミッション「F52A」を、2007年10月よりルノー三星自動車「QM5」に供給。

-「NISSAN GT-R」搭載のデュアルクラッチトランスミッション「GR6」を2007年10月に生産開始。
 2008年3月、同社は「GR6」の日産自動車の栃木工場への納入を開始を発表した。「GR6」はデュアルクラッチ6速トランスミッションに電磁クラッチ式E-TS、リヤデフを一体化させた新開発ユニットで、変速に要する時間は0.2秒。(2008年3月24日付プレスリリースより)


HR15DE」 >>>画像1画像2画像3
-日常最も使用される状況での燃費と加速性能の両立を目指して開発され、「中低速トルク」、「燃費」、「静粛性」、「軽量・コンパクト」をクラストップの高次元で実現。

-燃焼室内ガス流動の強化などにより、燃焼期間を短縮し熱効率を向上。

-新しいシリンダーボア加工法の採用とクランクおよびカムの軸受け部を鏡面状に仕上げるなど世界最高レベルの摩擦低減技術の採用。

-エンジンを構成する部品中、以下の9点が内製加工部品 >>> ロッカーカバー、ウォータアウトレット、カムシャフト、シリンダヘッド、シリンダブロック、コンロッド、クランクシャフト、フロントカバー、オイルパン (2006年人とくるまのテクノロジー展より)

設備投資

設備投資費 (単位:百万円)
  2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
自動車関連事業 5,300 7,400 8,900

-主に納入先のエンジン及びマニュアルトランスミッションのモデルチェンジに関連した自動車ユニット・部分品製造用設備の合理化・更新投資で4,800百万円(エンジン部門2,700百万円、マニュアルトランスミッション部門2,100百万円)。


設備投資計画
-2009年3月期は、納入先のエンジン及びマニュアルトランスミッションのモデルチェンジに関連した自動車ユニット・部分品製造用設備を中心に10,100百万円の設備投資を計画。