Nemak, S.A.B. de C.V. 2017年12月期の動向

業績

(単位:百万メキシコペソ)
2017年12月期 2016年12月期 増減率 (%) 要因
売上高 84,779 79,244 7.0 1)
修正後EBITDA 7,015 8,684 (19.2) 2)

要因

1) 売上高
-2017年12月期の売上高は84,779百万メキシコペソ (前年比7.0%増)。米国における需要の減少により販売がやや減少したものの、アルミ価格の変動により販売価格が上昇した。

2) 営業利益
-2017年12月期の営業利益は7,015百万メキシコペソ (前年比19.2%増)。コストの増加とアルミ価格の上昇により営業利益が減少。

事業再編

-ドイツに構造部品とEV部品のグローバル事業部を創設したと発表した。非パワートレイン製品の事業強化を目的としている。同社は構造部品、エンジンハウジング、リチウム電池用トレーなど複数の受注をBMWとDaimlerから獲得している。2017年第2四半期、同社はポーランド工場でのAlfa Romeo向け新規プログラムや、メキシコでのAudiのSUV「Q5」向けのプログラムを立ち上げた。(2017年8月17日付 Mexico-Nowより)

受注

-同社は、2017年に約8.3億ドル規模の受注を獲得した。

-構造部品とEV部品のグローバル事業部を開設後、BMWとDaimlerから構造部品、エンジンハウジング、リチウムバッテリー用トレイを受注した。2017年第2四半期には、Alfa Romeoから新規受注を獲得、同社ポーランド工場から出荷する。メキシコではAudi 「Q5」に製品を供給する。

受賞

-同社キャスティングプロセス「Rotacast」により製造されたエンジンブロックが、2018年のAutomotive News Pace awardを受賞。

研究開発費

(単位:百万メキシコペソ)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
合計 6 11 4

研究開発体制

-製品開発センターを10カ所 (オーストリア、カナダ、ドイツ、メキシコ、ポーランド、スペイン、中国、メキシコ、米国) に保有。

研究開発活動

-燃費改善に貢献するパワートレインやボディ部品改良技術に注力。主な開発プロジェクトは以下の通り:
合金システム
-高出力エンジンのための高性能合金の開発
-機械的強度およびマイクロ構造の挙動予測
-構造部品用鋳造技術
-シリンダーヘッドの肉薄化

複合形状
-先進のパワートレイン試作のための3Dプリンティング技術
-無機接着剤の開発

パワートレイン部品の統合
-シリンダーヘッドとターボハウジングの統合
-レンジエクステンダーとアルミ電気モーター部品の開発

表面処理技術
-ボアコーティング
-温度効率向上のための表面処理
-構造部品用鋳造技術

-アルミシリンダーヘッド用のSPM (Semi-Permanent Molding - 半永久鋳型) およびアルミブロック用のLPPS (Low-Pressure Precision Sand - 低圧精密サンドダイキャスト) ・HPDC (High Pressure Die Casting - 高圧ダイキャスト) を使用した生産工程は、より効率の高い操業および高品質を実現。

設備投資額

(単位:百万メキシコペソ)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
北米 3,838 4,919 3,426
欧州 3,837 4,321 2,658
その他 604 924 1,169
全社 8,279 10,164 7,253

-2017年12月期の同社設備投資は、パワートレイン事業の強化と構造部品およびEV用部品事業の開発にあてられた。

国内投資

-メキシコGarciaの既存の2工場と、現在建設中の新工場に総額150百万ドルを投資すると発表した。今回の投資は、これまでのエンジンブロック、シリンダーヘッド生産から、EV用構造部品およびアルミ部品製造へのシフトという同社の新戦略の一環として行われる。現在同社は機械加工の50%を社内でおこなっているが、2020年までに70%に引き上げることを目標としている。(2017年12月5日付 Mexico-Nowより)

メキシコMonterreyに高圧ダイカスト(HPDC)工場を開設。新工場のHPDC技術により、エンジンブロック、トランスミッションケース、および構造部品等のアルミ製自動車部品の生産をサポートする。新工場はさらに、これらの部品を加工するマシニングセンターの機能も備える。総投資額は200百万ドル、2017年上半期に生産を開始する。(2017年3月2日付プレスリリースより)

海外投資

<スロバキア>
-2017年、高圧ダイカストのスロバキアZiar nad Hronom工場の稼働が開始。高圧ダイキャスト技術で、バッテリーハウジングおよび骨格部品の製造を行っている。

<欧州および北米>
-2017年、同社は構造およびEV部品事業を立ち上げ、7つのプログラムを始めている。Alfa Romeo、BMW、Daimler、Volkswagenに部品を供給。これらの新規プログラムはおおよそ100百万ドル規模の売上になるとしている。