(株) ブリヂストン 2010年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2010年12月期
2009年12月期 増減率(%) 要因
売上高 2,861,615
2,597,002 10.2
-
営業利益 166,450
75,771 119.7
-
経常利益 147,905
54,457 171.6
-
当期純利益 98,913
1,043 938.3
-
タイヤ部門
売上高 2,379,572
2,152,965 10.5
1)
営業利益 153,129
75,204 103.6
-

要因
1)
タイヤ部門
<日本>
-タイヤの販売本数が需要回復の影響もあり前年を大幅に上回った。
<米州>
-北米タイヤ事業における乗用車及び小型トラック用タイヤ、トラック・バス用タイヤの販売本数は、需要回復の影響もあり前年を大幅に上回った。
また、UHP(超高性能)タイヤをはじめとする戦略商品の市販用の販売本数も前年を大幅に上回った。
<欧州>
-乗用車及び小型トラック用タイヤ、トラック・バス用タイヤの販売本数は、需要回復の影響もあり前年を大幅に上回った。

受注

-日産に環境タイヤ「ECOPIA」の納入を開始した。日産が2010年12月に発売を予定している電気自動車「Leaf」の新車装着用タイヤとして採用。 (2010年12月3日付プレスリリースより)

-フェラーリ「458Italia」とアストンマーチン「ラピード」の新車装着用タイヤにスポーツタイヤが相次いで採用されたと発表した。 (2010年6月2日付日刊自動車新聞より)

-シトロエンが2010年発売する「C3」と「DS3」に新車装着用タイヤを納入。 (2010年2月5日付日刊自動車新聞より)

事業再編

-同社と東洋ゴム工業は、両社の包括提携で合意していたタイヤ相互生産委託について、実施地域を含めて再検討する。当初は2009年中に米州で相互生産委託を行う予定だったが、この間に市場環境が急激に変化したことを受け、同分野において両社にとって最適な形態を模索していくことにした。一方で、部材調達については、対象品目を拡大していくなど、比較的効果を生み出しやすい領域から取り組みを進めていき、提携の目的である業務効率の向上と相乗効果の創出を図っていく考え。 (2010年2月23日付日刊自動車新聞より)

-Bekaertは、ブリヂストンのタイヤ用スチールコード事業会社2社の買収を完了したと発表。Bekaertは2010年2月、ブリヂストンが保有する中国・広東省の普利司通(惠州)鋼絲帘線有限公司(BSSH)と、イタリアSardiniaのBridgestone Metalpha Italia S.p.A.(BMI)を買収する意向を表明していた。また、同じく2月に合意された、Bekaertがブリヂストンにスチールコードを長期供給する契約も正式発効した。(2010年3月31日付プレスリリースより)

-国内のタイヤ生産体制を再編すると発表した。東京工場(東京都小平市)で日産6200本の生産を行っているトラック・バス用(TB)タイヤの生産を栃木(栃木県)、甘木(福岡県)の2工場に移管して、生産体制を品目ごとに集約する。東京工場は現在、TBタイヤに加え、乗用車用タイヤと小型トラック用タイヤ、そして航空機タイヤの生産を手がけている。このうちTBタイヤの生産のみを移管する。今月から設備や人材の再配置に着手し、来年上期(1-6月)中に完了する計画。(2010年5月12日付日刊自動車新聞より)

受賞

-2010年6月にVolvoの2009年度「Premium Supplier Award」を受賞したと発表した。 (2010年8月24日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期
グループ全体 85,100 85,700 93,200
タイヤ部門 67,400 68,600 74,300

研究開発拠点数

  北米 中南米 欧州 中近東/
アフリカ
アジア
大洋州
日本 合計
技術センター 1 0 1 0 1 2 5
プルービング
グラウンド
2 2 2 0 3 2 11

国内研究開発施設

名称 所在地
技術センター 東京都小平市
化工品技術センター 神奈川県横浜市
ブリヂストンプルービンググラウンド 栃木県那須塩原市
北海道プルービンググラウンド 北海道士別市

海外研究開発拠点

国名 所在地
技術センター
アメリカ オハイオ州アクロン
イタリア ローマ
中国 無錫
プルービンググラウンド
アメリカ テキサス州フォートストックトン
オハイオ州コロンビアナ
メキシコ アクナ
ブラジル サンペドロ
イタリア アプリリア
カステルロマーノ
タイ アユタヤ県ノンケー
インドネシア カラワン
中国 宜興


-Bridgestone Americas Tire Operationsは、米国オハイオ州Akronに技術センターを建設中。投資額は1億米ドルで、2012年初頭に開設の予定。(2010年11月19日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2010年12月期 2009年12月期 2008年12月期
グループ全体 182,600
178,200 275,300
タイヤ部門(グループ) 159,700
156,800 247,900

2011年度はタイヤ部門で195,000百万円、グループ合計で230,000百万円を投資する予定。
タイヤ部門では、インドにて新工場の建設に着手するとともに、タイのノンケー工場、中国の無錫工場、ポーランドのポズナン工場にて生産能力の増強を推進する。

海外投資

<欧州>
-ポーランドの乗用車用タイヤ工場の生産能力を増強すると発表した。欧州で販売本数が伸びているランフラットタイヤや超高性能タイヤの供給能力を拡大するの が狙い。約1億500万ユーロを投じて設備増強を行い、2012年1月から稼働する。これにより14年の同工場の生産能力は現状の約23%増となる日産2万9200本体制を構築する計画。(2010年4月8日付日刊自動車新聞より)<インド>
-同社は、インドのタイヤ工 場でトラック・バス(TB)用ラジアルタイヤの生産に乗り出すと発表した。33億円を投資し、既存の工場にTBタイヤの生産ラ インを建設する。2011年から操業を開始し、2012年に日産400本の体制を構築する計画。インド市場でTBタイヤ需要が急速に拡大しており、これに 迅速に対応するのが狙い。同社の子会社である同社インディアプライベートリミテッドが乗用、小型トラック(LT) 用タイヤの生産を行っているインドール工場(インド、マディヤプラデーシュ州)にTBタイヤの生産ラインを建設する。 (2010年2月2日付日刊自動車新聞より)

<インド>
-インドのタイヤ工場でトラック・バス(TB)用ラジアルタイヤの生産に乗り出すと発表した。33億円を投資し、既存の工場にTBタイヤの生産ラインを建設 する。来年から操業を開始し、2012年に日産400本の体制を構築する計画。インド市場でTBタイヤ需要が急速に拡大しており、これに迅速に対応するの が狙い。子会社であるブリヂストンインディアプライベートリミテッドが乗用、小型トラック(LT) 用タイヤの生産を行っているインドール工場(インド、マディヤプラデーシュ州)にTBタイヤの生産ラインを建設する。(2010年2月2日付日刊自動車新 聞より)

-インドに新設するタイヤ工場について、建設予定地のマハラシュトラ州政府と間で覚書を締結したと発表した。ムンバイ市内で行われた調印式 には同社の浦野隆常務執行役員が出席。「インドはアジアにおいて最も影響力のある、力強い経済大国に成長する」とあいさつした。インドで2拠点目となる新 工場は、マハラシュトラ州ネプ市郊外のチャカン工業団地に建設する。約500億円を投資し、2013年1月に乗用車用、同8月にトラック・バス用タイヤの 生産を始める計画。20年末時点の生産能力は、乗用車用が日産1万本、トラック・バス用が同3千本を見込んでいる。(2010年4月30日付日刊自動車新聞より)

<インドネシア>
-インドネシアで乗用車、小型トラック用ラジアルタイヤの生産能力を増強すると発表した。43億円を投資して2012年上期までに1日当たりの生産 能力を3千本引き上げる。世界的なタイヤの需要増加に対応するのが狙い。(2010年5月17日付日刊自動車新聞より)

<タイ>
- タイ子会社Thai Bridgestone Co., Ltd.は約213億円を投資し、国内のNong Khae工場を拡張する。2014年中に乗用車用ラジアルタイヤ(PSR)および小型トラック用ラジアルタイヤ(LTR)の日産能力を約13,500本増 強し、約50,000本とする計画。Nong Khae工場は1995年に操業開始したPSR・LTR工場。タイ国内のみならず、アジア、北米、欧州などにタイヤを供給している。同社は2008年1 月、同工場の日産能力を2011年までに約6,000本増強すると決定していた。将来的なグローバルでの需要増に対応するためには、さらなる能力の増強が 必要と判断し、今回の決定に至ったもの。(2010年9月10日付プレスリリースより)

-タイでトラック・バス用 (TB)タイヤの生産能力を増強すると発表した。約166億円を投じ、2014年上期中に日産2500本分増強し、約1万500本まで拡充する。TBタイ ヤの需要が世界的に増加傾向にあることから、さらなる生産能力の強化が必要であると判断した。今回増強するのはブリヂストンタイヤマニュファクチャリング タイランドのTBタイヤ工場(チョンブリ市)。同工場は米州や欧州、アジア近隣諸国などへの輸出拠点として04年から操業を開始した。現在は約1400人 の従業員が勤務し、日産約8千本のタイヤを製造している。 (2010年12月17日付日刊自動車新聞より)