住友ゴム工業 (株) 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円)
  2011年
12月期
2010年
12月期
増減率(%) 要因
全社
売上高 676,903 604,548 12.0 -東日本大震災で被災した工場や事業所を短期間で復旧したほか、低燃費タイヤなど高付加価値商品の更なる拡販、海外工場における生産能力の増強並びにグループを挙げての生産性の改善や経費節減など、収益力の向上を目指した
営業利益 53,924 47,571 13.4
経常利益 49,927 42,478 17.5
当期純利益 28,386 21,427 32.5
タイヤ事業
売上高 591,045 513,774 15.0 1)
営業利益 48,819 39,412 23.9

要因
1)
- 国内新車用タイヤは、東日本大震災やタイの大洪水の影響で自動車生産台数が前期を大幅に下回ったものの、低燃費タイヤをはじめとする高付加価値商品の拡販や原材料の相場価格に連動する売価決定方式に基づいて販売価格を改定したことにより増収。

- 海外新車用タイヤは、東日本大震災やタイの大洪水の影響により海外でも自動車生産台数が一時的に減少したが、中国を中心とした海外での自動車生産の拡大に対応して販売数量を伸ばしたことにより増収。

国内動向

-東日本大震災後操業を停止していた白河工場(福島県白河市)の稼働を22日から再開したと発表した。乗用車用、小型トラックタイヤの一部サイズから生産を始めた。トラック・バス用についても今週中に生産を始める予定。(2011年3月24日付日刊自動車新聞より)

中期経営計画

2015年財務数値達成目標
売上高 8,000億円以上
営業利益率 10%以上
株主資本比率 40%
ROE 15%以上

受注

-日本グッドイヤーは、トヨタ自動車の新型ハイブリッドカー「アクア」の「Lグレード」の標準装着用タイヤにグッドイヤーの「デュラ・グリップ」が採用されたと発表した。(2012年1月12日付日刊自動車新聞より)

-三菱自動車が北米で発売開始した電気自動車「i-MiEV」の北米仕様車の新車標準用タイヤに、ダンロップの環境タイヤ「エナセーブ01A/S」が採用されたと発表した。(2011年12月5日付日刊自動車新聞より)

>>>次年度業績予想(売上、営業利益等)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
タイヤ事業 16,771 16,253 14,896
全社 19,273 18,697 17,982
タイヤ事業が占める割合 87.0% 86.9% 82.8%

研究開発体制

-グッドイヤーとの世界的提携に基づく技術交流を実施。テーマ別にプロジェクトチームを編成し、共同調査研究を行っている。
>>>グッドイヤーとの提携に関する詳細へ

研究開発拠点

タイヤテストコース 岡山県美作市
北海道名寄市
北海道旭川市

製品開発

-ダンロップブランドでは新製品で新材料開発技術「4D NANO DESIGN」(フォーディーナノデザイン)により生み出された新開発低燃費ゴムを採用した。また、新開発パターンと新開発プロファイルの採用により、安全性と操縦安定性を両立させた。

-グッドイヤーブランドでは新製品で非対称パターンを進化させ、燃費性能、耐摩耗性能を落とさずにウェット路面におけるブレーキング性能を向上させた。また、カーカスをねじれ剛性に強いクロスプライ構造にすることでドライ路面におけるブレーキ性能も向上させた。

設備投資

設備投資額

(単位:百万円)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
タイヤ事業 45,777 28,165 29,379
全社 48,515 32,055 32,483
タイヤ事業が占める割合 94.4% 87.9% 90.4%

-タイヤ事業においては、タイヤ増産のための設備改善および生産設備の合理化・省人化等を中心とする設備投資を実施。主要な設備としては、名古屋工場・白河工場・泉大津工場および宮崎工場の自動車タイヤ製造設備など。

-2012年投資予定金額は、59,010百万円

海外投資

-中国江蘇省常熟市にあるタイヤ工場の累計生産で5000万本を達成したと発表した。2004年4月の生産開始から約7年で達成した。常熟工場は急速に拡大する中国国内のタイヤ需要に対応するために設立。04年の生産開始から需要の増加にあわせて生産能力の拡大を図ってきた。現在は月産6000トンの生産能力を有している。住友ゴムは現在湖南省に中国第2工場の建設を進めている。(2011年7月15日付日刊自動車新聞より)

-ブラジルに乗用車用タイヤの製造販売を行う子会社「スミトモ・ラバー・ド・ブラジル」を7月にパラナ州ファゼンダ・リオ・グランデ市に設立する。ブラジルを始めとした中南米地域における旺盛なタイヤ需要に対応するのが狙い。約5億6千万レアル(約280億円)を投じて工場を建設し、2013年10月から生産開始する。16年末には日産1万5千本のタイヤ生産を行う計画。敷地面積は50万平方メートル。新会社の資本金は約8千万レアル(約40億円)で住友ゴムが全額出資する。(2011年5月18日付日刊自動車新聞より)

設備の新設計画(自動車事業関連)

(2011年12月31日現在)

会社名
事業所
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手年月 完了予定
年月
完成後の
増加能力
住友ゴム工業
名古屋工場
(愛知県豊田市)
自動車タイヤ製造設備 6,503 2011年1月 2012年12月 生産能力3%増加
住友ゴム工業
白河工場
(福島県白河市)
自動車タイヤ製造設備 10,203 2011年1月 2012年12月 -
住友ゴム工業
泉大津工場
(大阪府泉大津市)
自動車タイヤ製造設備 1,883 2011年1月 2012年12月 -
住友ゴム工業
宮崎工場
(宮崎県都城市)
自動車タイヤ製造設備 7,113 2011年1月 2012年12月 -
P.T. Sumi Rubber Indonesia 自動車タイヤ・ゴルフボール製造設備 4,419 2011年1月 2012年12月 生産能力15%増加
住友橡膠(常熟)有限公司
[Sumitomo Rubber (Changshu) Co., Ltd.]
(中国 江蘇省)
自動車タイヤ製造設備 3,630 2011年1月 2012年12月 生産能力11%増加
住友橡膠(湖南)有限公司
[Sumitomo Rubber (Hunan) Co., Ltd.]
(中国 湖南省)
自動車タイヤ製造設備 23,500 2010年9月 2017年12月 生産能力30,000本/日
SumitomoRubber
(Thailand) Co., Ltd.
(タイ ラヨーン県)
自動車タイヤ製造設備 37,148 2011年1月 2012年12月 生産能力88%増加
Sumitomo Rubber do Brasil Ltda.
(ブラジル パラナ州)
自動車タイヤ製造設備 28,000 2011年7月 2016年12月 生産能力15,000本/日