Meritor, Inc. 2012年9月期の動向

ハイライト

業績

 (単位:百万米ドル)
  2012年
9月期
2011年
9月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 4,418 4,622 (4.4) -
EBITDA 351 358 (2.0) -
商用トラック部門
売上高 2,717 2,806 (3.2) 1)
EBITDA 190 171 11.1 -

要因
1)
商用トラック部門

-2012年9月期の売上高は、北米市場が堅調だったものの、為替変動の影響により前年比3.2%減少した。このほか、南米や欧州での商用車需要の低下も売上を押し下げた要因となった。

受注

-2012年8月、Meritor WABCOは同社のアンチロックブレーキシステム (ABS) がNavistarのClass 8トラック「International ProStar+」および「International LoneStar」に標準採用されていると発表。これにより、同社のABSを搭載している車両は現在の7百万台超からさらに増加することになる。今回、このABSが搭載されたことにより、オートマチックトラクションコントロール (ATC)、ロールオーバースタビリティコントロール (RSC)、横滑り防止装置 (ESC)、衝突安全システム「OnGuard」など、その他の安全関連製品もこれらのClass 8トラックにオプション採用となった。 (2012年8月2日付プレスリリースより)

-2012年2月、Meritor WABCO Vehicle Control Systemsは、電動制御エアドライヤー (ECAD) を2012年2月下旬より大手自動車メーカーのトラックへ納入していると発表。このエアドライヤーは、ECU制御の2つのソレノイドバルブを持ち、圧力制御と再生を円滑に行う。また、ドライヤーの稼動サイクルや流量を監視するとともに、カートリッジの交換時期を検知してコントロールパネルに表示する。 (2012年2月16日付プレスリリースより)

-2012年1月、同社はPressure Systems International (PSI) 製の「Meritor Tire Inflation System (MTIS)」が、米国のDorsey Trailerのトレーラーに自動タイヤインフレーションシステムとしてオプション採用されたと発表。(2012年1月16日付プレスリリースより)

売却

-2012年1月、同社はフランスSaint Priestに位置するアクスル事業をRenault Trucksへ売却完了したと発表。今回の売却により従業員約400名がRenault Trucksへ異動となった。なお、同社はスウェーデンのLindesberg拠点および、イタリアのCameri拠点におけるアクスル工場を保持し、引 き続き投資を行う計画。 (2012年1月2日付プレスリリースより)

事業提携
-2011年10月、Meritor WABCO Vehicle Control Systemsは、タカタの 米国子会社TK Holdingsと戦略的提携契約を締結することで基本合意したと発表。北米仕様の商用車向けに、アクティブセーフティシステムの新製品を開発する。ま た、Meritor WABCOは、タカタの車線逸脱警報システム「SafeTrak」の販売も行う予定。 (2011年10月17日付プレスリリースより)

受賞

-2012年7月、同社の米国4工場がPACCARより「2011 Quality Achievement Award」を受賞したと発表。PACCARが基準とする不良品発生率50 PPMを達成したのは以下の工場となる。ノースカロライナ州・Forest City工場、オハイオ州・Newark工場、ノースカロライナ州・Laurinburg工場、サウスカロライナ州・Manning工場。なお、同社はアクスルやブレーキシステムなどドライブトレイン部品をPACCAR傘下のKenworth、Peterbilt、DAFのトラックに納入している。 (2012年7月23日付プレスリリースより)

-2011年11月、Meritor WABCO Vehicle Control Systemsは、米国のセミトレーラーメーカーWabash National Corp.より「2011 Platinum Supplier Award」を受賞したと発表。この賞を受賞するのは、今回で4年連続となる。なお同社は、トレーラー用アンチロックブレーキ (ABS)、横転防止装置 (RSS)、「InfoLink」データゲートウェイシステム、「Meritor Tire Inflation System (MTIS)」などをWabash Nationalへ納入している。(2011年11月17日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

 (単位:百万米ドル)
  2012年9月期 2011年9月期 2010年9月期
全社 73 73 66

研究開発拠点

名称 所在地
テクニカルセンター 米国ミシガン州デトロイト
イタリアCameri
英国Cwmbran
インドBangalore
エンジニアリングセンター メキシコ、ブラジル、中国、インド

 

製品開発

衝突安全システム
-2012年8月、Meritor WABCOは衝突安全システム「OnGuard」の次世代製品を発表した。このシステムは、レーダー技術に様々な先進機能を備えている。衝突警告機能、アクティブブレーキ機能つきアダプティブクルーズコントロール、衝撃緩和機能などが装備され、2012年10月1日以降に生産される「OnGuard」搭載車両に採用される予定。 (2012年8月15日付プレスリリースより)

横滑り防止装置
-2012年8月、Meritor WABCOは横滑り防止装置 (ESC) の性能向上に貢献する「ESCsmart」システムを北米の商用車市場向けに発表した。2014年に発売される予定で、WABCOの次世代ESC製品に加わることになる。この「ESCsmart」は、「自己学習」能力により車両の種類に応じて自動適応を行う設計のため、独立した電子制御ユニット (ECU) を再プログラムする必要がなくなるという。 (2012年8月15日付プレスリリースより)

タンデムアクスル
-2012年3月、同社は「SoloDrive」アクスルシリーズの最初の製品として、6x2タンデムアクスル「FUELite」を発表した。ドライブアクスル「160」シリーズをベースとし、長距離車両用製品に使用される。従来の6x4型に比べて、約400ポンドの軽量化・約2%の燃費向上を実現した。 (2012年3月21日付プレスリリースより)

セーフティシステム
-2012年2月、Meritor WABCO Vehicle Control Systemsはトレーラー用の新型セーフティシステム「Roll Stability Support (RSS) 1M」を開発した。ABSとトレーラースタビリティコントロールの特徴を1つの小型ユニットに統合したもの。これにより、システムがブレーキのチェック過程で横転の可能性を検知した場合に、全てのブレーキ系統を作動させることが可能になる。 (2012年2月16日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

 (単位:百万米ドル)
  2012年9月期 2011年9月期 2010年9月期
全社 89 105 55
商用トラック部門 66 72 29

海外投資

-2012年9月、同社は欧州のブレーキ事業に対して16百万米ドルの追加投資を行うと発表した。これは、同社が2010年に発表した42百万米ドル相当の投資計画に基づくもの。初期投資は、「ELSA」エアディクスブレーキや「S-Cam」ブレーキなどの製品ライン拡大のほか、新型ブレーキ製品の開発などが対象となった。また、車両や実験室の性能試験能力やNVHなどの検証能力向上、サーマルイメージング動力計の設置なども、この初期投資に含まれている。さらに同社は、最近ウェールズのCwmbran拠点の生産効率向上に向け、同拠点の大規模なアップグレードを開始した。 (2012年9月19日付プレスリリースより)