Metaldyne Performance Group Inc. 2014年12月期の動向

業績

(単位:百万ドル)
2014年
12月期
2013年
12月期
増減率 (%) 要因
全社
売上高 2,717.0 2,017.3 34.7 1)
営業利益 203.5 185.4 9.8 2)
部門別売上高
HHI 977.6 916.5 6.7 3)
Metaldyne 1,177.5 1,112.0 5.9 4)
Grede 572.1 - N/A -


要因

1) 売上高
-2014年12月期の売上高は前年比34.7%増の2,717.0百万ドル。主な増収要因は、2014年6月のGrede買収により、Grede部門が追加され、売上高が572.1百万ドル増加したことによるもの。また、自動車生産台数の増加や新規受注も増収に貢献した。

2) 営業利益
-2014年12月期の営業利益は前年比9.8%増の203.5百万ドル。粗利が114.3百万ドル増加したことが、営業利益の増加につながった。増益により、KBIホイールベアリング部門ののれん分け減損分、株式関連費用の増加、専門報酬の増加、Grede買収に伴う費用を補った。

3) HHI部門の売上高
-2014年12月期、HHI部門の売上高は前年比6.7%増の977.6百万ドル。増収要因は、北米における小型自動車の生産増加、新規プログラム、原材料価格の高騰、顧客向け価格の値上げなど。

4) Metaldyne部門の売上高
-2014年12月期、Metaldyne部門の売上高は前年比5.9%増の1,177.5百万ドル。増収要因は、北米・欧州における小型自動車の生産増加、新規受注、為替の好影響、原材料価格の高騰など。顧客向け価格の引き下げ分を補った。

事業再編

Metaldyne Performance Group, Inc.設立のための合併
-2014年8月、Metaldyne Performance Group (MPG) は、Grede Holdings、HHI Group Holdings、Metaldyneの自動車部品サプライヤー3社が合併し持株会社MPGが新たに設立されたと発表した。この合併により、MPGは、金属成形技術を用いた乗用車・商用車・産業車両向けのトランスミッション、エンジン、ドライブライン、セーフティ関連部品の大手製造会社となる。Grede、HHI、Metaldyneの3社は、MPGの傘下でそれぞれ事業ユニットとして引き続き運営される予定。米国の非公開投資会社American Securitiesの関連会社が、これら事業会社3社の過半数株式を保有する。(2014年8月4日付プレスリリースより)

Gredeの米国ウィスコンシン州Berlin拠点の閉鎖
-2015年6月、Gredeの米国ウィスコンシン州Berlin拠点を閉鎖すると発表した。Gredeの生産拠点最適化の一環で、2013年から米国で他の鋳造工場を3カ所閉鎖し、メキシコでは2カ所の鋳造工場をを統合している。(2015年6月26日付プレスリリースより)

主な受注

-同社のGrede部門は、2015年北米トラックオブザイヤーを受賞したFord 「F-150」 向けに、軽量ディファレンシャルキャリアおよびケースを供給する。(2015年1月23日付プレスリリースより)

-同社のGrede部門は、2014年北米トラックオブザイヤーを受賞したChevrolet 「Silverado」 向けに、複数の部品を供給する。ブレーキアンカーやキャリパー、ベアリングキャップ、アッパー&ロワーコントロールアーム、ディファレンシャルキャリアおよびケース、エンジンブラケット、フロントステアリングナックル、スペーサー、テンションストラットなどが含まれる。このほか、高強度ダクタイル鋳鉄 「SiboDur」 を使用するリーフスプリングサポートブラケットも供給する。(2014年3月11日および2月18日付プレスリリースより)

受賞

-2015年8月、スペインのValencia工場が過去12年間の納期遵守率100%を評価され、Fordより表彰されたと発表した。今回表彰されたMetaldyne Sintered Components Espanaは2003年5月以降、欧州において複数のFordのDuratecエンジン生産ライン向けに、6,000万個超の焼結鍛造コンロッドを納入しており、ゼロPPMと納期遵守率100%を達成している。(2015年8月20日付プレスリリースより)

-2015年6月、米国インディアナ州のBluffton拠点がFordより「World Excellence Award」を受賞したと発表した。同拠点におけるクラッチモジュールの生産が評価されたもの。Bluffton拠点では、材料の品質や納期遵守を維持しながら、6速トランスミッション用クラッチモジュールの生産能力を大幅に拡大した。(2015年6月29日付プレスリリースより)

-2015年3月、GMより2014年「Supplier of the Year」を受賞したと発表した。同社がこの賞を受賞するのは2年連続となる。パワートレイン部門において、GM向けのコンロッドの設計・エンジニアリング・納入が評価されたもの。(2015年3月17日付プレスリリースより)

-2014年11月、子会社のMetaldyne GmbH & Co. KGは、ZF Friedrichshafen AGより2014年「ZF Supplier Award」を受賞した6社のうちの1社に選ばれた。(2014年11月26日付プレスリリースより)

-2014年9月、メキシコにある同社のRamos Arizpe工場が、GMより「Supplier Quality Excellence Award」を受賞したと発表した。このRamos Arizpe工場がGMから受賞するのは、今回が2回目となる。同工場は2013年7月~2014年6月の期間に、4カ国のGMの工場向けに130万ユニット超の加工済コンロッドを出荷した。GM以外にも、Chrysler、ヤマハ、Opel、Ford、Fiatなど大手顧客向けにコンロッドを加工し、グローバル拠点に高性能部品を納入している。(2014年9月26日付プレスリリースより)

-2014年6月、スペインのValencia拠点がFordより品質賞を受賞したと発表した。このMetaldyne Sintered Components Espanaは、欧州において複数のFordのDuratecエンジン工場向けに数百万ユニットの粉末鍛造コンロッドを納入しており、ゼロPPMと納期厳守率100%を11年連続で達成している。(2014年6月23日付プレスリリースより)

-2014年4月、GMより「Supplier of the Year」を受賞した。同社がGMよりこの賞を受賞するのは、今回が初めてとなる。(2014年4月7日付プレスリリースより)-同社は製品の製造に従事しており、多額の研究開発費は通常発生しない。同社の顧客が製品の設計や機能を担うため、研究開発費は通常、顧客側が負担する。

研究開発活動

-同社のGrede部門は、政府出資コンソーシアムの 「Lightweight Innovations for Tomorrow (LIFT)」 に参加し、軽量材製造技術の開発を行う。Gredeは今後2年間、LIFTにおける薄肉鉄鋳物の分野に注力する。LIFTには同社のほか、Eaton、Comau、米国鋳造協会 (American Foundry Society)、マサチューセッツ工科大学 (MIT) が参加している。(2015年7月13日付プレスリリースより)

技術提携

-MetaldyneとStackpole Internationalのエンジニアリング製品部門は、エンジンの燃費の効率化に向けた製品ラインを拡大するため、技術提携契約を締結したと発表した。Metaldyneのバランスシャフトシステム技術とStackpoleの可変容量オイルポンプ技術を統合し、小型車用エンジン向けのバランスシャフトASSYを開発する計画。(2014年8月19日付プレスリリースより)

製品開発

-同社のGrede部門は、新たな高強度ダクタイル鋳鉄 「SiboDur」 を使用するシャシー、パワートレイン、ドライブトレイン部品を開発している。SiboDurは、アルミニウムと比べて軽量化の特性が得られ、オーステンパダクタイル鋳鉄や鍛造スチールと比べて、コスト面、疲労寿命、製造上の利点などを備える。Gredeは米国ウィスコンシン州Reedsburg拠点およびミネソタ州St. Cloud拠点で、SiboDurの生産および試作を行う。(2014年3月25日付プレスリリースより)

設備投資額

(単位:百万ドル)
2014年12月期 2013年12月期
HHI 61.6 45.1
Metaldyne 70.5 77.2
Grede 24.3 -
合計 156.4 122.3

米国投資

-2015年9月、米国インディアナ州のBluffton工場を37,000平方フィート拡張すると発表した。建物の増築により、ディファレンシャルASSYやアルミ製バルブボディなどのトランスミッション関連製品の受注を将来的にサポートしていく計画。2015年9月に着工し、2016年3月の完成を目指す。今回の拡張は、新規受注の立ち上げ・生産に向けた数百万ドル規模の設備投資計画の第1段階となる。プロジェクト期間は5年間を見込んでいる。(2015年9月18日付プレスリリースより)

-2015年3月、商用車事業の成長を促進するため、Gredeの米国ノースカロライナ州Biscoe工場に今後3年間で20百万ドルを投資すると発表した。同拠点の生産スペースを26,000平方フィート拡張するとともに、成形機およびハンドリングシステムを3台、熱処理システム、環境対応型の浸漬塗装システムを新たに導入する。投資に伴う新規雇用は35名以上と見ている。(2015年3月25日付プレスリリースより)