Visteon Corporation 2017年12月期の動向

業績

(単位:百万ドル)
2017年
12月期
2016年
12月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 3,146 3,161 (0.5) 1)
純利益 176 75 134.7 2)

要因

1) 売上高
-2017年12月期の全社売上高は前年比0.5%減の3,146百万ドル。好調な販売数量、製品ミックスや新規ビジネスによる売上増は127百万ドル。アジア太平洋地区や欧州でのエレクトロニクス事業は予想以上の成果だったが北米事業は弱含みであった。全体としてのビジネスゲインは顧客価格の変更や2016年後半のクライメイト事業からの撤退により相殺された。

2) 純利益
-2017年12月期の純利益は前年比134.7%増の176百万ドル。増益は主に撤退事業の2016年度損の再発防止、撤退事業からの2017年での収入やより高い株式ならびに非連結関連会社からの利益等からのものであった。



最近の動向

-同社と Astra Otopartsは、主要四輪・二輪車メーカー向けのインストルメントクラスターと多機能ディスプレイの生産・供給をベトナムで拡大すると発表した。両社の折半出資による合弁会社Astra Visteon Indonesiaの100%子会社として、Astra Visteon Vietnamをハノイに設立。2018年1月に稼働を開始し、同地にあるホンダの工場に納入されるインストルメントクラスターや情報ディスプレイの品質管理やジャストインタイムの出荷管理などからスタートする予定。(2017年11月15日付プレスリリースより)



業務提携

-偉世通亜太(上海)有限公司 [Visteon Asia Pacific (Shanghai) Co., Ltd.]は先ごろ、北京四維図新科技股份有限公司[NavInfo]と戦略的提携の合意書を結んだ。今回の提携は、2016年7月11日締結の延鋒偉世通電子科技(上海)有限公司[Yanfeng Visteon Electronics Technology (Shanghai) Co., Ltd.]・北京四維図新[NavInfo]戦略的提携の枠組み合意書を継ぐもので、自動運転分野での提携スタイル、内容をさらに明確にしたものとなっている。提携期間は2年間。NavInfoはVisteonに対し、必要な自動運転地図とクラウドビッグデータサービスを提供する。同社は自動運転システム開発と測定試験を行い、高精度地図データの測定結果報告と技術指標をフィードバックする。このほか、同社はNavInfoに自動運転システムセンサーロボットの情報を提供し、NavInfoの道路地図情報の検証と更新に供する。同社はNavInfoの協力のもと、自動運転デモ車両の試験を行う。(2017年4月20日付け北京四維図新科技股份有限公司会社公告より)



受注

-同社は2017年3月、英Jaguar Land Roverが発売したRange Rover Velarに最新の高解像度デジタルディスプレイを提供した。同社は新型Range Rover Velarに12.3インチの網膜レベルの高解像度バーチャルクラスターを配し、後部座席には8インチデュアルビューエンタテイメントディスプレイを搭載。クラスターは優れたマルチメディアとグラフィックス性能のために設計された高度なマルチコアプラットフォーム技術を採用するとともに、Range Rover Velarのために設計した専用のHMIを配している。Jaguar XF、Jaguar XI、Range Rover、Range Roverスポーツモデルのほか、同社はJaguar Land Roverが先ごろ発売したF-Paceにもハイエンドインストルメントクラスター技術を提供する。(2017年7月5日付けプレスリリースより)

-同社は、コックピットドメインコントローラー技術「SmartCore」が、東風汽車のライトビークルに採用されたと発表した。これは世界最大で、同社にとっても最大の市場である中国で初の「SmartCore」の採用となる。2018年に生産を開始する東風汽車の量産型ハイラインモデルに、センターインフォメーションディスプレイとTFTインストルメントクラスターディスプレイ統合型の「SmartCore」ドメインコントローラーを供給する。2018年には、欧州自動車メーカー向けに「SmartCore」ベースのソリューション供給も開始する予定。(2017年4月21日付プレスリリースより)

-同社は、コックピット・ドメインコントローラー技術を使用した「SmartCore」プログラムを受注したと発表した。同社は欧州自動車メーカー向けにSmartCoreをベースとしたソリューションを2018年に初めて供給する予定。今回2度目となる受注についても欧州自動車メーカー向けに2020年に供給を開始する計画。インストルメントクラスターとインフォテインメントシステムの供給とともに、業界初となる3DディスプレイおよびARヘッドアップディスプレイ(HUD)などのハイエンド機能を組み込む。(2017年1月3日付プレスリリースより)



受賞

-同社は、コックピット・ドメインコントローラー技術を使用した「SmartCore」プログラムを受注したと発表した。同社は欧州自動車メーカー向けにSmartCoreをベースとしたソリューションを2018年に初めて供給する予定。今回2度目となる受注についても欧州自動車メーカー向けに2020年に供給を開始する計画。インストルメントクラスターとインフォテインメントシステムの供給とともに、業界初となる3DディスプレイおよびARヘッドアップディスプレイ(HUD)などのハイエンド機能を組み込む。(2017年1月3日付プレスリリースより)



2018年12月期の見通し

-2018年12月期の売上高は3,175百万~3,275百万ドル、EBITDAは370百万~380百万ドルと予測している。



研究開発費

(単位:百万ドル)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
合計 253 295 294

-同社は事業再編後の研究開発費として、全社売上高の12~12.5%相当を充てる計画。



研究開発拠点

-世界中で18拠点のテクニカルセンターを保有。



技術提携

-同社は、米ミシガン州Ypsilantiの自動運転テストコースAmerican Center for Mobility (ACM)に5百万ドルを投資し、コネクテッドカーおよび自動運転車の開発と試験を支援すると発表した。同センターへは、AT&Tやトヨタ、Ford、現代自動車がすでに支援を表明しているが、Tier 1サプライヤーとしては同社が初めて。(2017年11月13日付プレスリリースより)



設備投資額

(単位:百万ドル)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
エレクトロニクス 99 74 99
その他 - - 4
コーポレート - - 3
合計 99 74 106



海外事業

<中国>
-2017年6月29日、同社の子会社江蘇天宝汽車電子有限公司[Jiangsu Toppower Automotive Electronics Co., Ltd.]は、新工場が完成し生産を開始した。工場敷地面積は6.4万平方メートル。総投資額は3.5億元。第1期建設の建築面積は2万平方メートル。新工場生産開始後は生産能力500万セット、年間売上高は30-35億元に達する見込みである。(2017年7月3日付け各種リリースより)