Visteon 2006年度の動向
ハイライト
業績
(単位: 百万ドル |
2006 年度 |
2005 年度 |
増減率 |
備考 |
売上高 | ||||
全社 |
11,418 | 16,976 | (32.7) | (1) |
クライメート部品部門 | 3,044 | 2,858 | (5.5) | (2) |
エレクトロニクス部品部門 | 3,047 | 3,226 | (5.5) | (3) |
内装部品部門 | 2,830 | 2,999 | (5.6) | (4) |
その他 | 2,536 | 2,556 | (1) | (5) |
全社 (1)
ACHへの譲渡による売上高減少は61億ドル相当。一方でACHへのサービス提供としての売上383百万ドルで一部相殺した。
クライメート部品部門 (2)
引き続き成長するアジア太平洋地域の関係会社では307百万ドルの売上増が見られた。この売上増は新規事業が成長の主要因となったが為替差益による70百万ドルが含まれる。また、顧客による価格引き下げがこのプラス部分の一部を相殺した。
北米地域での売上は前年比で117百万ドル減少。これはFordの北米生産分の不調と不採算モデルミックスが原因。アラバマ工場でオフラインした新車導入効果で一部相殺されたが減少分は補えなかった。
欧州地区では、47百万ドル増加。Fordの欧州生産が好調であったため。
エレクトロニクス部品部門 (3)
自動車メーカーの低調な車両生産台数とモデルミックスが原因となり164百万ドル減少。主に北米におけるFordおよび日産の生産台数の低調と不採算モデルミックス、アジア太平洋地域での販売量の伸び悩みが売上高ダウンの主要原因。減少分の一部は、欧州Fordの好調分で相殺。また、主に欧州では顧客への売り渡し価格が相対的に下がったこと、為替差損が9百万ドル発生したことなども対前年比で販売高を押し下げた原因となる。
内装部品部門 (4)
生産台数減とモデルミックスを背景として売上高は169百万ドルの減少。北米におけるFordと日産の生産台数の低調と不採算モデルミックスを背景として257百万ドル、また一部欧州におけるOEMの不調を背景として94百万ドル。プラス分として計上できたものはアジア太平洋地域での販売増として163百万ドル。
その他 (5)
車両生産量と製品ミックスで72百万ドル減少。北米でのFordの低調な生産、欧州でのFord以外のメーカーの不調、アフターマーケット製品の低調などによるもので125百万ドル減少。アジア太平洋地域と南米での生産量工業があり減少分を一部相殺。南米地域をメインとした為替差益が30百万ドル発生、対前年比で売上高を押し上げた。
受注
・多数の新規受注-製品、顧客の多様性
・新規受注の80%は低コスト地域での生産を予定
<2006年度の新規受注>
北米
GM: エレクトロニクス、内装、クライメート
Ford: エレクトロニクス、クライメート
DCX: エレクトロニクス、内装、クライメート、ライティング
アジア系OEM: 内装
欧州
VW: エレクトロニクス
PSA: 内装、エレクトロニクス
GM: 内装
Ford: クライメート、エレクトロニクス、内装
アジア太平洋
マツダ: クライメート
現代-起亜: クライメート、内装
GM: クライメート、内装
Ford: クライメート
- 2006年2月、2007年型新型Dodge Caliberにオーディオシステムと二種の吸気システムを提供すると発表。
- 2006年2月、Hyundai Motor America製のSonata向けに衛星ラジオシステムを受注したと発表。システムは標準型XM
Satellite Radioで構成され、2006年後半からSonataに搭載される。
- 2006年5月、新型Jaguar XK用改良型インストクラスターを受注した。このクラスターは、同社の英国Basildon市のエレクトロニクス技術センターで開発される。
- VW車に最新の商品の一つであるUSBオーディオ・インターフェイス・モジュールの供給することになった。この商品は、アフタマーケットのオプション部品として,
VW のアクセサリー販売網にて独占的に販売される。欧州各地で、現行のVW Golf, Golf Plus, Jetta, Touran 及び
Passat。更に、新型VW Eos の搭載も可能となる。
- 2006年10月、2007年型VolvoのSUV車XC90にオプション設定される後部座席エンターテインメント・システムは、DivX社の保証付きであると発表した。Visteon社のこの製品は、自動車メーカーの工場装着のDVDプレーヤーとしてはDivX社が保証するはじめてのシステムであり、すべてのDivXのビデオを正常な状態で再生する。
リストラクチュアリング
2006年1月、世界23工場に及びリストラ計画を発表。
2006年に11のアクションを完了
-3工場(改善)
-6工場(閉鎖)
-2工場(売却)
その他の対策を発表
-人員削減
-シカゴ工場の閉鎖
2007年の展望
<製品販売分のバックログ>
2007年から2009年で、新規及びリプレースプログラムの受注額(生産中止及び取り消されたプログラムを除く)は約10億ドルと見込まれる。
<リストラクチュアリングの更新計画>
30工場をリストラ対象として設定
・2006年は11が完了
・以降3年で19工場のリストラを行う予定。
さらなる方策としては以下を掲げている
・生産量の削減
・生産能力の合理化
・内製・外注の(再)検討
開発動向
2006年度 | 2005年度 | 2004年度 | 2003年度 | |
単位: 百万ドル |
594 | 804 | 896 | 913 |
製品開発
USBモジュール
様々な音楽やデータソースが使用可能であり、USBスティックや携帯メディア・プレーヤーを車両のオーディオ・システムにつなぐことによって、CDを車に持ち込むことなく、音楽を聴くことが出来る。これは、持ち運びが出来、接続することが出来る、と言う顧客のニーズを満たすことの出来るVisteonの最新の商品である。Volkswagen のケースでは、VisteonのUSBのオーディオ・インターフェイスはセンター・コンソールに位置している。このシステムは、つなげばすぐ演奏できる、というもので、USBスティックからオーディオ・システムへのデーターの伝達を、素早く簡単に行うことが出来る。USBのオーディオ・インターフェイスはMP3やその他のデジタルのミュージック・フォーマットを使用でき、音楽をカー・オーディオのインターフェイスや、あるいはオプションの多機能ステアリング・ホイールで選択することを可能とするものである。(2006年6月20日付プレスリリースより)
水素燃料電池
GMが水素燃料電池車のコンセプト・カーSequelを立ち上げるに当たって、Visteonの技術担当が協力を行っている。このコンセプト・カーは十分に走行が可能で、水蒸気以外は排出せず、Visteonのエレクトロニック・ステア・バイ・ワイヤー・システムをはじめとする未来の技術を搭載している。(2006年9月12日付プレスリリースより)
設備投資
2006年度 |
2005年度 |
2004年度 |
|
単位: 百万米ドル | 373 | 585 | 827 |
海外投資
- 2006年3月、韓国の関係会社Halla Climate Control Corporation (HCC)が運営するトルコの新工場で自動車クライメートコントロール部品およびシステムの生産を開始。所在地はGebzeで、Hyundai Accent向けにHVACユニットやクーリングモジュールを生産、組み立てる。当初の従業員数は約150名で、2006年10月迄にフル稼働予定。
- 2006年5月、中国大連の製造工場Halla Climate Control (Dalian)が公開される。同工場は、中国及びアジア・パシフィック地域の自動車メーカー向けにコンプレッサー及び構成部品を生産・供給する。VisteonはHalla Climate Control (HCC)の70%の普通株を保有。この9万平方メートルの工場は更地に建設され、先進かつ環境に優しい、コンプレッサーを生産する能力を持っている。従業員数300人以上、年間百万個の生産能力を持つ。
- 2006年5月、Visteon は、スロバキア共和国の新設したNitra工場で自動車部品の生産を開始した。Nitra工場では内装品及びクライメート・コントロール製品を製造し、急速に発展するスロバキア及び東欧諸国への供給基地となる。主たる供給製品は、PSA Peugeot-Citroenの新型Peugeot207に対するドア・パネル。2006年後半には、KiaのAccentにクライメート・コントロール部品を供給開始。同工場は最新のインジェクション・モールディングの設備を持ち、ドア・パネルを量産して、45キロメートル離れたPSAの車両組立工場 Tmayaに納入する様設計されている。建屋は145,313平方フィート(13,500平方メートル)、敷地面積861,113平方フィート(80,000平方メートル)。
- 2006年10月、インドのChennai市に1,000万ドルをかけて建設する”Visteon Technical and Services Center社”の設立を発表。この110,000平方フィートの施設では、自動車関係ソフトウエアの中核的研究機関として、合弁会社やアフタマーケットを含めた世界各国のグループ会社支援を行う。