Parker-Hannifin Corporation 2008年6月期までの動向

ハイライト

近年の動向

企業買収

-2008年4月30日付で、メキシコの合弁会社Parker Seal de Mexicoの残りの株式全てを取得したと発表。同社は既にParker Seal de Mexicoの株式49%を保有していたが、このほど複数の合弁パートナーが保有していた残りの株式51%を取得し、完全子会社化した。Parker Seal de Mexicoの年間売上高は8.3百万ドル。買収にともないParker HannifinのSeal Group(シール部門)に組み入れられる。このたびの買収は、メキシコに拠点をおく顧客へのサービス強化を目指す同社の長期的戦略に沿ったもの。(2008年5月12日付プレスリリースより)

-2008年4月、Vansco Electronicsを買収。 Vansco Electronicsは、電子制御装置、ディスプレー/ターミナル、コミュニケーションインターフェース/オペレーターインターフェース、センサーの開発・生産を行っている。Vanscoは、カナダ、米国、フィンランド、ベルギー、英国に拠点を置いており、従業員数は総勢1,005名。同社の油圧機器部門にVanscoを組み入れる。(2008年4月7日付プレスリリースより)

-2007年11月、Kay Pneumatics Ltd.の買収を発表。Kay Pneumatics Ltd.は、輸送機器、半導体、医療、その他産業向けに、空圧バルブ、シリンダー、高精度空圧制御システムを供給する英国・Milton Keynesに本拠をおく。KV Automationの名称で広く知られ、米国、スペイン、フランス、オランダ、タイ、中国、アラブ首長国連合にも拠点を構える。年商は約4,300万ドル(2007年度4月期実績)。尚、この買収後、KV Automationは、同社のオートメーション(Automation)部門に編入される。

-2007年8月、Silver Cloud Manufacturing (SCM) の買収を発表。SCM社は、電子部品用に広範な用途をもつEMI/RFシールド材およびディスプレーフィルターを製造する。Xymox Technologies Inc.傘下のSMC社の本社は、ニュージャージー州・Millvill、従業員数は54人。2007年度(2007年6月期)には830万ドルの売上げを計上。SMC社の事業は、今後、同社の産業機器(北米)部門に属するシール/シールディング事業に組み入れられる。SMC社は、独自のラミネート技術、 光反射防止技術を駆使した製品で定評があり、コントロールパネル、モニター、ハンドヘルド機器、投票用ブース、インフライトエンターテイメントスクリーンおよび医療機器といった様々な製品に使われている。この買収により、同社は2006年に買収したシールド材メーカーTecknitとのシナジー効果も期 待される。

-2007年7月、Mitos Technologies, Inc.の買収を発表。Mitosは、バイオテクノロジー産業向けに、チューブ&ホース、バルブ、ポンプ、成形品などの、高純度の各種クリーン流体処理製品・システムを生産する。Mitosの年商は550万ドル(2006年実績)、従業員数は約40人。本社所在地はペンシルバニア州・Phoenixville。買収条件については非公開。Mitosは、産業機器(北米)部門に編入される。Mitosを傘下としたことで、ここ数年で買収 したRectus Ag、Dominick Hunter、およびTexloc & Pageとのシナジー効果も期待される。

-2007年4月、アジアを拠点とするエラストマー&シール製品メーカーであるRayco Technologies社を買収。Rayco Technologies社は、混合、化合、および精密成型技術を駆使した高性能エラストマー&シール製品を複数の産業分野向けに供給している。 Raycoの2006年における売上高は約26百万ドル。Raycoは、シンガポールと中国を合わせ、約500名体制。ディスクドライブ 、エレクトロニクス、医療、半導体、自動車産業といった複数市場に製品を提供している。

-2007年4月、空圧/油圧機器、医療、化学処理といった複数産業用のクイックディスコネクトカップリング、および関連部品の大手メーカーであるRectus AGの買収を発表。Rectus AGの従業員数は、ドイツNussdorfの本社、その他国内外拠点を含めて約380名で、2006年における売上高は約115百万ドル。Rectus AGは同社の産業機器部門の流体継手(Fluid connectors)北米地区事業、および同グローバル事業に編入され、その傘下企業として事業を継続する。

-2006年12月、チリの産業用、およびモバイル用油圧式シリンダーメーカーで、シリンダー修理サービス業務も手掛けるIngenieria y Servicios Metalcrom Limitadaを買収したと発表。Ingenieriay Servicios Metalcrom Limitada社の2005年の総売上げは約220万ドル。

売却

-2005年12月、熱可塑性樹脂部門の売却を完了。

開発動向

研究開発費

(単位:百万米ドル)
  2008年6月期
全社 303.1
 

技術提携

-2007年12月、FedEx Corp.の事業部門であるFedEx Groundとの間で、油圧式ハイブリッド技術を採用したクラス6の大型車両を共同開発することで合意。新技術を導入したこのFedEx向け車両は、従来型ディーゼル車両に比べて燃料効率を50%以上改善することが可能であり、温室効果ガスの排出も大幅に低減する。テスト車両には油圧式ハイブリッドシステムが搭載され、通常はブレーキ作動時に失われるエネルギーを制動中に蓄積し、動力として再使用することが可能となっている。プロジェクト用車両専用に開発した先進の油圧モーター&ポンプ、油圧式ホース、管継手、油圧バルブ、電子制御ユニット、高性能アキュームレーターといった油圧機器が組み入れられる。この先進技術によるハイブリッドシステムは、クラス6以外の車両にも搭載できる見込みという。

設備投資

設備投資額

(単位:百万米ドル)
  2008年6月期
全社 280.3

海外投資

-2007年9月、同社のChomerics (アジア/太平洋地区)事業部は、インド・チェンナイ郊外Sriperumbudurに、新工場を建設すると発表。260エーカーの規模を誇るSriperumbudur特別経済区(SEZ)に隣接する敷地に新工場を建設し、成長著しいインド市場の需要に対応する狙い。総建屋面積は、生産棟、事務棟を合わせ、ほぼ1,700平米で、EMIシールディング材を生産し、インド国内の客先に供給する。Chomericsは、EMIシールディング材、熱管理素材の大手メーカーで、通信、一般消費財、自動車、軍事、航空、医療用電子機器といった広範な産業分野向けに製品を提供している。