OSRAM Licht AG 2016年9月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2016年9月期 2015年9月期 増減率 (%)
要因
全社
売上高 3,785 3,572 6.0% 1)
EBITDA 621 543 14.4% -
部門別売上高
特殊照明 (Specialty Lighting) 2,006 1,861 7.8% 2)
光半導体 (Opto Semiconductors) 1,425 1,293 10.2% 3)

-売却が決定しているランプ(Lamps)部門を非継続事業に分類し、継続事業の数値を記載。

-2016年7月より、4つのビジネスユニット:特殊照明 (Specialty Lighting)、光半導体 (Opto Semiconductors)、デジタルシステム (Digital Systems)、照明ソリューション (Lighting Solutions)で事業を展開。一般照明事業のランプ部門(主にLEDVANCE事業)は売却が決定し、非継続事業となった。

要因
1) 全社
-2016年9月期、継続事業ベースの全社売上高は前期と比べ6.0%増の3,785百万ユーロ。為替レートとポートフォリオの影響による減少があったが、増収となった。セグメント別では特殊照明セグメントが予想を上回って増収に貢献した。全セグメントが増加したが光半導体セグメントが最も高い伸長率(10.2%)となった。

2) 特殊照明 (Specialty Lighting)
-2016年9月期、同セグメントは7.8%増の2,006百万ユーロ。全ての地域でポジティブな傾向だが、米州で最も伸長した。技術面では自動車産業向け事業が同部門の売上の中心となると同時にLEDモジュール事業が特に伸びている。

3) 光半導体 (Opto Semiconductors)
-2016年9月期、同セグメントは10.2%増の1,425百万ユーロ。地域別では欧州・中東・アフリカで大幅に伸長した。同部門製品は自動車事業および産業事業と赤外線部品事業の高級商品群において最も高い増加を達成した。

事業再編

ランプ部門の売却

-2015年2月、一般照明事業を分社化すると発表した。独立企業として、より柔軟性のある経営や、提携などの戦略的選択肢を容易に実現できるとしている。(2015年6月12日付プレスリリースより)

-2016年7月、中国の企業グループにランプ(Lamps)部門を売却すると発表。売却額は4億ユーロ超で売却は2017年9月期内に完了予定。(2016年7月26日付プレスリリースより)

受注

-2016年2月、BMW 「7 Series」のヘッドライト向けに同社のレーザーモジュールが採用されたと発表した。このレーザーモジュールは、Osram Opto Semiconductors製の3つの高出力ダイオードを使用している。(2016年2月4日付プレスリリースより)

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
2016年9月期 2015年9月期
全社 334 286
全社売上高に占める割合 (%) 8.8 8.0

-2016年度、研究開発における人員は2,400名 (FTE:Full Time Equivalents:常勤換算 )。

製品開発

新ヘッドランプモジュール
-Osramは、CES2017で発表されるRinspeedのコンセプトカー「Oasis」に照明技術を提供する。各ヘッドランプには、5つのマルチLEDモジュールを搭載。ロービームとハイビームには、デザインや機能に応じて6~10の同モジュールを使用することができる。また前方に補助LEDプロジェクションモジュールを2つ搭載し、夜間の安全運転のために車輌周囲がよく見える高品質の照明を装備している。(2017年1月5日付プレスリリースより)

LIDARセンサー用4チャネルレーザー
-Osram Opto Semiconductorsは 「electronica 2016」 で、全自動および半自動運転に用いるLIDAR (レーザー光による検知と測距) システムの実現を一歩近づける4チャネルレーザーを出展した。極短のパルス長と4つの並列出力チャネルを持つ試作品で、これまでにない物体認識方法を提供し、独自の縦方向の検出領域を持つ。この技術はMEMSを使用するLIDARセンサーに初めて採用される。レーザービームの方向を変える機構が必要ないため、消耗や破損が抑えられるという。(2016年11月7日付プレスリリースより)


設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2016年9月期 2015年9月期
全社 349 246
-特殊照明 (Specialty Lighting) 69 72
-光半導体 (Opto Semiconductors) 239 148

売却

-2016年9月期、中国のFELCO(Foshan Electrical and Lighting Co. Ltd.,)の株式を売却し、326百万ユーロのキャッシュフローがあった。

海外投資

<中国>
-江蘇省無錫 (Wuxi) 市にLED組立工場を開設。床面積は約10万平方メートルで、2017年までに従業員2,100名を雇用する。投資額は数億ユーロ。新工場はOsram Opto Semiconductorsが建設・運営する。LEDチップをハウジングに組み付ける後工程の拠点としては、マレーシアのPenang拠点に続き2番目。新工場のLEDの年産能力は数十億個となる見込み。(2014年5月21日付プレスリリースより)

投資計画

-同社は、2020年までに新技術や新製品向けに約30億ユーロを投じると発表した。このうち、約20億ユーロを研究開発に投資する計画。さらに、マレーシアに建設するLEDチップ工場には約10億ユーロを投じる。このプロジェクトでは、Osram Opto Semiconductorsに約370百万ユーロを投じて、マレーシアのKulimに新たにLEDチップ工場を建設する。すでに拡張も計画しており、 2020年までの投資総額は約10億ユーロを見込んでいるという。新工場では、6インチのLEDチップを生産する予定。(2015年11月10日付プレスリリースより)