OSRAM Licht AG 2015年9月期の動向

業績

(単位:百万ユーロ)
2015年9月期 2014年9月期 増減率 (%)
要因
全社
売上高 5,574.2 5,142.1 8.4% 1)
EBITDA 556.8 556.2 0.1% -
部門別売上高
特殊照明 (Specialty Lighting) 1,849.5 1,551.1 19.2% 2)
光半導体 (Opto Semiconductors) 1,292.6 1,124.5 14.9% 3)


-2015年7月より、5つのビジネスユニット:特殊照明 (Specialty Lighting)、光半導体 (Opto Semiconductors)は(左記2ユニットは変更なし)、デジタルシステム (Digital Systems)、照明ソリューション (Lighting Solutions)、ランプ (Lamps)で事業を展開。


要因
1) 全社

-2015年9月期、全社売上高は前期と比べ8.4%増の5,574.2百万ユーロ。ユーロが対米ドルに対し著しく下落した結果、為替レートの影響により7.9%の増加、同社の各セグメントにおける各々の重要な販売市場に好影響。


2) 特殊照明 (Specialty Lighting)

-2015年9月期、同セグメントは19.2%増の1,849.5百万ユーロ。この成長は全ての地域でのポジティブな傾向が起因。技術面では自動車産業ビジネスが特殊照明部門 (Specialty Lighting) の売上の中心となると同時にLEDビジネスが全体として牽引。中国で同社製品への需要が同期末へ向けて低迷したにも関わらず、通年では市場成長より高い伸び率を記録。


3) 光半導体 (Opto Semiconductors)

-2015年9月期、同セグメントは14.9%増の1,292.6百万ユーロ。同部門製品は自動車事業と産業事業において最も高い増加を達成、他の成長要因として、赤外線部品事業があげられる。売上高の顕著な増加は為替レート効果による9.7%増の影響も含め、部門全体では大幅な増収となった。

事業動向

投資計画
-同社は、2020年までに新技術や新製品向けに約30億ユーロを投じると発表した。このうち、約20億ユーロを研究開発に投資する計画。さらに、マレーシアに建設するLEDチップ工場には約10億ユーロを投じる。このプロジェクトでは、Osram Opto Semiconductorsに約370百万ユーロを投じて、マレーシアのKulimに新たにLEDチップ工場を建設する。すでに拡張も計画しており、 2020年までの投資総額は約10億ユーロを見込んでいるという。新工場では、6インチのLEDチップを生産する予定。(2015年11月10日付プレスリリースより)

事業再編

一般照明事業

-2015年2月、一般照明事業を分社化すると発表した。独立企業として、より柔軟性のある経営や、提携などの戦略的選択肢を容易に実現できるとしている。(2015年6月12日付プレスリリースより)

受注

-2016年2月、BMW 「7 Series」のヘッドライト向けに同社のレーザーモジュールが採用されたと発表した。このレーザーモジュールは、Osram Opto Semiconductors製の3つの高出力ダイオードを使用している。(2016年2月4日付プレスリリースより)

-Osram Opto Semiconductorsは、Daimlerの新型 「Mercedes-Benz CLS」 のヘッドランプに、同社製LED 「Oslon Compact」が採用されたと発表した。これらの小型高出力LEDはヘッドランプ内部に敷き詰められ、アダプティブフロントライティングシステム (AFS) を可能にする。このほかにも、OsramとDaimlerは、ドイツ連邦教育・研究省が出資する研究プロジェクト 「µAFS」 の一環として新たな自動車用ランプシステムの開発を進めている。 (2014年10月31日付プレスリリースより)

-同社が開発・生産するキセノンとLEDを組み合わせたヘッドライト 「LEDriving Xenarc Headlight」 が、Audi 「A4」に採用。(2014年9月16日付プレスリリースより)

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
2015年9月期 2014年9月期 2013年9月期
全社 344.9 331.4 341.2
全社売上高に占める割合 (%) 6.2 6.4 6.5


-2015年度、研究開発における人員は2,433名 (FTE:Full Time Equivalents:常勤換算 )。 (2014年度は 2,441名)

技術提携

-2014年10月、豊田合成と同社 は、白色LEDを含むLEDおよびレーザーの特定技術に関する特許を相互に活用できる契約を更新したと発表した。新たに更新した契約では、2007年に締結した契約の範囲を拡大するもので、先の契約締結後に両社が出願した特許が含まれるという。(2014年10月7日付プレスリリースより)

製品開発

新LEDチップ
-2014年10月、Osram Opto Semiconductorsとそのパートナーは、研究プロジェクト「µAFS」において256ピクセルの新型LEDチップを開発したと発表した。従来のアダプティブフロントライティングシステム (AFS) では、1ピクセルが1つのLED部品または1つのチップに相当していたが、このプロトタイプでは、1つのチップに個々に制御できる256ピクセルが搭載されている。ドイツ連邦教育・研究省は、このプロジェクトに総額7百万ユーロを出資している。プロジェクト期間は2016年1月末までの予定で、エネルギー 効率に優れた新しいLEDヘッドランプの開発を目指す。(2014年10月23日付プレスリリースより)

ロービームユニット

-Osram Opto Semiconductorsは、フランスのパリで開催される「Vision Congress」において、従来の3倍の輝度を持つ自動車ヘッドライト用のLEDを発表。30mm×50mmの小型ロービームユニットで、1つのLEDチップを光源として1400ルーメンの明るさを実現する。今後数年以内に製品化が可能になるという。(2014年10月14日付プレスリリースよ り)


薄型LED
-Osram Opto Semiconductorsが新たに開発したLED 「Synios E4014」 は、その薄型の長方形の形からライトガイドに適しており、幅広い設計を可能にする。パッケージのサイズは、4.0×1.4×0.57mm。主に、白物家電や自動車・ディスプレイのライトシステム向けに使用される。(2014年5月6日付プレスリリースより)

ターンシグナル用LED
-「Oslon Compact」シリーズの黄色LEDを発表。自動車のターンシグナル用としてデザインの選択肢を広げるとしている。この新バージョンは、小型でありながら強力で、サイズは1.5×1.9×0.7mm。導光用途に適している。窒化インジウムガリウム (InGaN) をベースとした高出力LEDで、高電流や使用温度100度の環境においても120ルーメンの明るさを実現する。(2014年2月18日付プレスリリースより)

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
2015年9月期 2014年9月期 2013年9月期
全社 280.8 243.2 207.4
-特殊照明 (Specialty Lighting) 71.6 45.8 37.8
-光半導体 (Opto Semiconductors) 148.2 99.6 62.8

売却

-2015年9月期、Munichの同社グループ前本社の売却により数千万ユーロのキャッシュフローがあった。

海外投資

<中国>
-江蘇省無錫 (Wuxi) 市にLED組立工場を開設。床面積は約10万平方メートルで、2017年までに従業員2,100名を雇用する。投資額は数億ユーロ。新工場はOsram Opto Semiconductorsが建設・運営する。LEDチップをハウジングに組み付ける後工程の拠点としては、マレーシアのPenang拠点に続き2番目。新工場のLEDの年産能力は数十億個となる見込み。(2014年5月21日付プレスリリースより)