OSRAM Licht AG 2014年9月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ユーロ)
2014年
9月期
2013年
9月期
増減率
(%)
要因
全社
売上高 5,142.1 5,288.7 (2.8) 1)
EBITDA 556.2 413.6 34.5 -
部門別売上高
特殊照明 (Specialty Lighting) 1,551.0 1,455.8 6.5 2)
光半導体
(Opto Semiconductors)
1,124.5 1,018.0 10.5 3)

要因
1) 全社
-2014年9月期の売上高は、前年比2.8%減の5,142.1百万ユーロ。為替の影響控除後の売上高は前年比で0.8%伸びたものの、ユーロ高を始めとする為替差損の影響を大きく受けたことにより減収。

2) 特殊照明
-2014年9月期の売上高は、前年比6.5%増の1,551.0百万ユーロ。LED照明などの需要増が見られた自動車市場向けが、売上高増に寄与。

3) 光半導体
-2014年9月期の売上高は、前年比10.5%増の1,124.5百万ユーロ。全般照明向けLEDの売上が力強く伸長。また、自動車・工業用照明向けLED製品の売上増も貢献。

事業動向

-1970年代にHID (高輝度放電) キセノン技術を導入して以来、ドイツのBerlin工場においてキセノンランプの累計生産数が1億ユニットに到達したと発表。(2014年8月29日付プレスリリースより)

-同社が製造する赤・オレンジ・黄色のLED用ウェーハを4インチから6インチへ切り替える方針。大口径ウェーハのLEDの製造をInGaAlP (インジウム・ガリウム・アルミニウム・リン化物) 系材料に統一することで、生産性を向上する。赤色と黄色のLEDは、自動車の方向指示器、ブレーキランプ、インテリアランプなどに使用される。赤・黄色・オレンジのLEDチップは、ドイツRegensburgに位置するOsram Opto Semiconductors本社で製造する予定。(2014年1月30日付プレスリリースより)

事業再編

Valeo Sylvaniaの売却
-Valeoとの折半出資による北米の合弁会社Valeo Sylvaniaの全株式を、104百万ドルでValeoに売却。(2014年1月22日付プレスリリースより)

受注

-同社が開発・生産するキセノンとLEDを組み合わせたヘッドライト「LEDriving Xenarc Headlight」が、Audi 「A4」に採用。(2014年9月16日付プレスリリースより)

-Ford 「F-150」の2015年モデルに、同社のLEDヘッドライトシステム一式が初搭載されたと発表。このライトシステムは、ロービーム、ハイビーム、方向指示器、パーキングライト、制御モジュールで構成されている。Osram Opto Semiconductors製のLEDを使用したこのヘッドライトは、米国のヘッドライトメーカーFlex-N-Gateとの提携により開発され、「F-150」にこれまでにない独特の外観を与えている。Osramは、このライトシステム一式の組み立てを米国ニューハンプシャー州のHillsboro工場で行っている。(2014年4月16日付プレスリリースより)

-2014年下期に発売予定のBMW 「i8」向けにレーザー光源を開発。半導体レーザーはOsram Opto Semiconductorsが製造し、レーザーモジュールはSpecial Lighting部門のノウハウを用いて開発された。(2014年2月21日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ユーロ)
  2014年9月期 2013年9月期 2012年9月期
全社 331.4 341.2 339.5
全社売上高に占める割合 (%) 6.4 6.5 6.5

-2014年9月期、研究開発費の約75%がLED関連製品に投下された。(2013年9月期:62%)

-2014年9月末時点、2,400名が研究開発に従事。

製品開発

薄型LED
-Osram Opto Semiconductorsが新たに開発したLED「Synios E4014」は、その薄型の長方形の形からライトガイドに適しており、幅広い設計を可能にする。パッケージのサイズは、4.0×1.4×0.57mm。主に、白物家電や自動車・ディスプレイのライトシステム向けに使用される。(2014年5月6日付プレスリリースより)

黄色LED
-「Oslon Compact」シリーズの黄色LEDを発表。自動車のターンシグナル用としてデザインの選択肢を広げるとしている。この新バージョンは、小型でありながら強力で、サイズは1.5×1.9×0.7mm。導光用途に適している。窒化インジウムガリウム (InGaN) をベースとした高出力LEDで、高電流や使用温度100度の環境においても120ルーメンの明るさを実現する。(2014年2月18日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ユーロ)
  2014年9月期 2013年9月期 2012年9月期
全社 243.2 207.4 187.2
-特殊照明 (Specialty Lighting) 39.6 37.8 43.0
-光半導体 (Opto Semiconductors) 97.7 62.8 62.4

海外投資

<中国>
-江蘇省無錫 (Wuxi) 市にLED組立工場を開設。床面積は約10万平方メートルで、2017年までに従業員2,100名を雇用する。投資額は数億ユーロ。新工場はOsram Opto Semiconductorsが建設・運営する。LEDチップをハウジングに組み付ける後工程の拠点としては、マレーシアのPenang拠点に続き2番目。新工場のLEDの年産能力は数十億個となる見込み。(2014年5月21日付プレスリリースより)