Miba AG 2011年1月期の動向
ハイライト
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2011年 1月期 |
2010年 1月期 |
増減率 (%) |
要因 | |
全社 | ||||
売上高 | 437.2 | 311.8 | 40.2 | 1) |
税引前利益 | 54.5 | 16.4 | 232.3 | - |
焼結部品部門 | ||||
売上高 | 174.1 | 125.7 | 38.5 | - |
ベアリング部門 | ||||
売上高 | 160.1 | 125.1 | 28.0 | - |
摩擦材部門 | ||||
売上高 | 76.0 | 51.1 | 48.7 | - |
要因
1)
-同社売上高は437.2百万ユーロで、不況前のレベルに回復した。
-中核事業でプラス成長を達成。
-2011-2012年にかけて50百万ユーロを次世代成長事業に投じる計画。
-買収により新事業部門(新技術部門、New Technologies)を設立。50百万ユーロを投資する。そのうちおよそ半分はオーストリアの拠点に投じられる。
-成長分の34%は、焼結部品部門、ベアリング部門、摩擦材部門によるもの。その他の6%(19.1百万ユーロ)は買収によるもの。2010年4月に英国のコーティング企業Teer Coatings、同年6月にオーストリアのパワーエレクトロニクスメーカーEBG、DAU、摩擦材関連ではスイスのHoerbiger Groupを買収した。また、インドの製造拠点も2011年1月に買収している。Miba Drivetec Indiaは同社初の新興国における生産拠点となる。
企業買収
-2011年2月、インドPuneに位置する焼結部品メーカーMaxtech Sintered Product Pvt. Ltd. (MSPPL)の少数株式を獲得。MSPPLは従業員80名を抱え、自動車エンジンおよびトランスミッション用焼結部品のほかに、エキゾースト 製品向けステンレス鋼部品などを製造。Mibaは同社の粉末金属技術をMSPPLへ移転し、現在欧州からインドへ輸入されている部品の現地生産化を目指 す。(2011年2月1日付プレスリリー スより)-2010年9月、オーストリアのBauelemente Ges.m.b.H (EBG)とDAU Ges. m.b.H & CO. KG. (DAU)を買収。両社はともに自動車用パワーエレクトロニクス部品メーカーで、売上規模は合計で約30百万ユーロ。EBGはKirchbach工場 で高圧抵抗器などを生産。一方のDAUは、Ligist工場で空冷式&水冷式ヒートシンク、ヒートパイプなど熱交換器を製造している。(2010年9月1 日付プレスリリースより)
開発動向
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2011年1月期 | 2010年1月期 | 2009年1月期 | |
全社 | 22.6 | 18.7 | 19.1 |
売上に対する割合 | 5% | 6% | 5% |
研究開発体制
-2011年1月期に同社はR&Dに22.6百万ユーロを投資。これは同社全社売上高の5%にあたる。全社で167名がR&Dに従事し、オーストリア拠点にR&Dセンターを有している。特許
-過去5年間で平均18件の特許を出願。2012年1月期ではすでに17件の出願を行っている。現時点で166件の特許を保有する。研究開発活動
焼結部門(Sinter Group)-低燃費のガソリンおよびディーゼルエンジン用に低ノイズギアドライブの開発を進めた。その他には、4輪駆動マニュアルおよびダブルクラッチトランスミッション用のシンクロ・モジュールの開発を進めている。
ベアリング部門(Bearing Group)
-トラック用の材料開発を推進。複合材料技術を用いて、高性能エンジン用ベアリングの界面技術の改良を進めた。さらにトリプル(3種以上の)複合材料を用いたベアリングの基礎研究も開始している。これらの研究開発により堅牢な新世代ベアリングが実現する。
摩擦材部門(Friction Group)
-摩擦材部門では、風力発電用タービンのブレーキ材料の開発を行った。
新技術部門/ New Technologies Group
-2010年9月にオーストリアのEBG、DAUを買収し、新事業部門を立ち上げた。この買収された2社は両社とも受動電子部品の専門企業で、パワーエレクトロニクス用のレジスタや冷却システムを生産している。両社でおよそ140名の従業員を有し、KirchbachおよびLigistに拠点を構える。買収により、同社はエネルギー関連事業へと参入する。すでに、同社はパワートレーンやエンジン、ドライブトレーンの効率を高めることで、低燃費、低排ガス化に寄与しているという。
設備投資
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2011年1月期 | 2010年1月期 | 2009年1月期 | |
全社 | 34.6 | 19.5 | 43.1 |
焼結部品部門 | 14.6 | 11.2 | 17.4 |
ベアリング部門 | 9.0 | 5.8 | 20.8 |
摩擦材部門 | 11.8 | 2.1 | 3.7 |
新技術部門 | 0.8 | 0.08 | - |
その他 | 1.2 | 0.4 | 1.2 |
焼結部品部門(Sinter Group)
-大部分をスロバキア工場の拡張に投資。同工場は2011年で開設20周年を迎える。
ベアリング部門(Bearing Group)
-46%をLaakirchen工場に投資。既存製造ラインの生産能力の拡張を行った。
摩擦材部門(Friction Group)
-同部門は最大11.8百万ユーロの大型投資を行った。これは買収したHoerbiger拠点の吸収にともなうMiba Steeltecへの投資が大きい。