Leoni AG 2018年12月期の動向
業績 |
(単位:百万ユーロ) |
2018年12月期 | 2017年12月期 | 増減率 (%) | |
全社 | |||
売上高 | 5,101.1 | 4,925.3 | 3.6 |
EBIT | 144.3 | 227.1 | (36.5) |
ワイヤリングシステム部門 | |||
売上高 | 3,167.5 | 3,064.0 | 3.4 |
EBIT | 80.2 | 118.5 | (32.3) |
ワイヤー・ケーブル部門 | |||
売上高 | 1,933.6 | 1,861.3 | 3.9 |
EBIT | 65.8 | 104.6 | (37.1) |
提携
ーDiehlと戦略的提携を締結し、電気自動車 (EV)およびハイブリッド車のバッテリーシステム事業を強化すると発表。提携により、高電圧バッテリーの相互接続やエネルギーとデータ伝送も可能となる。両社はセルコンタクティングシステム、モジュールコネクター、バッテリー管理システム、熱伝導ソリューション等で協業する予定。(2018年10月5日付プレスリリースより)
研究開発費 |
(単位:百万ユーロ) |
2018年12月期 | 2017年12月期 | 2016年12月期 | |
合計 | 150.0 | 129.1 | 134.4 |
ドイツIZBでの技術展示
ー2018年10月16日、独Wolfsburgで開催される国際サプライヤーフェア (IZB)で、電動モビリティ用の革新技術を出展すると発表した。国際的に認可されている幅広い種類のケーブル、急速充電技術、高電圧ケーブルによる電源供給やデジタルケーブル技術「LEONiQ」などを公開する。また同社はケーブルおよびコネクタの温度が設定された制限を超えないようにするための液体冷却式充電システム用の特殊なHPCケーブルを開発した。同社のデジタルケーブル技術「LEONiQ」により、充電ケーブルは、クラウド内の充電プロセスを監視して最適化することができるインテリジェントなシステムソリューションになるという。(2018年10月16日付プレスリリースより)
ー2018年10月12日、独Wolfsburgで開催の国際サプライヤーフェア (IZB)で、最新の自動運転技術を出展すると発表した。軽量化、スペースの削減、車載イーサネットと運転支援システムに焦点を当てたソリューションを発表する。同社の多機能ケーブル「Adascar」は、安全システムと補助システムに必要なスペースを減らすと同時に、重量を軽減するために使用される。このケーブルは制御、快適性、電力、安全性、センサーおよびトラックでの使用に適している。また、イーサネットケーブル「Dacar」は、100Mbpsと1Gbpsの優れた高速双方向転送を実現する。さらに同社は振動、湿度、または汚れにさらされても高い導体対称性を達成するため、最適化された材料を使用したイーサネットケーブルを開発した。(2018年10月12日付プレスリリースより)
米Electric and Hybrid Vehicle Technology Expoでの技術展示
ー米ミシガン州Noviで開催される「Electric and Hybrid Vehicle Technology Expo」で、電気自動車 (EV) 用充電ケーブル「EVC」や高電圧ケーブルHivocarを出展すると発表した。ケーブルは、充電システム全体をカバー。同社が開発したインテリジェント・ケーブル技術「LEONiQ」は、ケーブルシステムに沿った温度や機械的ストレスなど、様々なパラメーターをモニターしデータを記録、クラウドサービスで送信して評価することができるという。米国市場向けには、既存のAC/DC充電クラス用製品に加え、新たな1000Vカテゴリ用に高電圧充電 (HPC) ケーブルを用意した。同社は、電気自動車の高電圧ワイヤー用シリコンケーブルの代替品も開発。燃焼エンジンと電気モーターを組み合わせるハイブリッド車では最大200度の温度要件を満たす必要があるが、より低い温度が主流の完全電気自動車向けに、柔軟性や耐摩耗性に優れた、150度に対応する架橋ケーブルを開発したという。(2018年8月9日付プレスリリースより)
研究開発人員 |
2018年12月期 | 2017年12月期 | 2016年12月期 | |
ワイヤリングシステム部門 | 1,844 | 1,278 | 1,249 |
ワイヤー・ケーブル部門 | 415 | 420 | 447 |
合計 | 2,259 | 1,698 | 1,696 |
製品開発
インテリジェントケーブルシステム「LEONiQ」
ーエネルギーやデータの送信をより安全で効率的にするインテリジェントなケーブルシステム「LEONiQ」を開発したと発表した。温度や機械的摩耗など、様々な基準でケーブルシステムの状態を記録できるため、ケーブルシステム全体の状態の把握や制御、モニタリングが容易になるという。エネルギーやデータを送るシミュレーション、センサーを搭載したインテリジェントなソリューション、データ分析・スマートサービスの3つが特徴で、従来の約1/100の価格・大きさを実現した。電気自動車(EV) やプラグインハイブリッド(PHV) の充電システムにも適用可能。ドイツで開催される「Hanover Messe」国際産業技術見本市に出品される。(2018年4月5日付プレスリリースより)
特許
-2018年には、60件の特許と実用新案(前年度:82件)が登録されており、そのうち19件がワイヤリングシステム部門(前年度:18件)、41件がワイヤー・ケーブル部門(前年度:64)となっている。
設備投資額 |
(単位:百万ユーロ) |
2018年12月期 | 2017年12月期 | 2016年12月期 | |
ワイヤリングシステム部門 | 205.0 | 163.9 | 135.4 |
ワイヤー・ケーブル部門 | 114.0 | 107.8 | 65.3 |
その他 | 24.0 | 9.7 | 10.0 |
合計 | 343.0 | 281.4 | 210.8 |
ー2018年上半期に127百万ユーロの設備投資を行ったと発表した。欧州自動車メーカーおよび世界の商用車メーカーとの事業が特に成長したという。2018年6月末現在、ワイヤーハーネス部門は212億ユーロ規模の受注を獲得しており、うち20%が電動化車両関連となっている。同社のワイヤー&ケーブルソリューション部門は、自動車用特殊ケーブルや、工場オートメーション用ケーブルの需要増により、国内電機ケーブル事業の売却による売上減を補っている。2017年、同社はセルビアに3番目のワイヤーシステム工場、中国廊坊に2番目となる施設を開設した。2018年後半には4カ所の生産設備の完成を予定している。(2018年8月15日付プレスリリースより)
ドイツ国内投資
ードイツRothに新設する最先端の研究所と開発センターを組み合わせる未来型工場のシェル構造建設が完了したと発表した。新工場ではデジタル技術、高度なソリューション、クラウドベースのサービスを通じて、ADASやeモビリティ関連のケーブルやシステムなどを製造する。新工場は2018年末にLeoniに引き渡される予定で、同社はStieberstrasseにある既存工場から新工場への移転を2019年に開始する計画。総投資額は90百万ユーロで、約800名の従業員の移転は2020年中頃に完了する見込みだという。(2018年6月4日付プレスリリースより)
海外投資
<カナダ>
ーカナダ子会社Leoni Elocabは、Southwestern Ontario Development Fundから1.5百万カナダドルの助成金を受け、総額10.5百万カナダドルを投じてKitchener工場を拡張し、新生産ライン開発用装備を購入すると発表した。拡張は2022年12月に完了する見込みで、19名の新規雇用と79名の現従業員の雇用を保証するという。同社は自動車、工業、通信、ヘルスケア関連向けケーブルシステムを製造している。(2018年5月2日付オンタリオ州政府プレスリリースより)
<メキシコ>
ー37.5百万ドルを投じてメキシコ6番目となる工場建設をYucatanで開始したと発表した。Yucatan初の工場操業開始から6カ月で新工場の建設を開始したこととなる。投資の内訳は施設建設に20百万ドル、設備投資に15百万ドル。第1段階として2019年第1四半期の操業開始を予定し、フル稼働までには2年を要する見込み。同社のメキシコ国内でのYucatan以外の拠点はSonora、Chihuahua、Durango、Guanajuatoの4カ所。(2018年5月4日付 Mexico-Nowより)
<セルビア>
ーセルビアKraljevoの新工場がフル稼働になると国内で総勢10,000名以上の雇用を創出する見込みであると発表した。2020年初頭に新工場が開業すると、セルビア国内の従業員数はほぼ倍増するという。2009年にセルビアで操業開始以来、同社は90百万ユーロを投じて約6,000名の従業員を採用している。(2018年9月26日付プレスリリースより)
ーセルビア3番目となる工場をNisに新設し、操業を開始したと発表した。22百万ユーロを投じて開設した広さ20,000平方メートルの新工場では、ハーネスを製造する。現在の従業員数は約1,200名で、2019年末までに2,200名に増員する見込み。(2018年4月25日付プレスリリースより)