Lear Corporation 2007年度の動向
ハイライト
(単位: 百万ドル) |
2007年 12月期 |
2006年 12月期 |
増減率 | 要因 | |
全社 | |||||
総売上高 | 15,995.0 | 17,838.9 | (10.3%) | + | -主に北米以外での新規受注により876百万米ドル増。為替差益により682百万米ドル増。 |
- | -内装事業の売却で25億米ドル減。北米でのプラットフォームミックス悪化と自動車生産の減少で825百万米ドル減。 | ||||
粗利益 | 1,148.5 | 927.7 | 23.8% | + | -主に北米以外での新規受注により119百万米ドル増。内装事業の売却で61百万米ドル増。 |
- | -北米でのプラットフォームミックス悪化と自動車生産の減少、販売価格の値下げ。 | ||||
セグメント別売上高 | |||||
シート | 12,206.1 | 11,624.8 | 5.0% | + | -主に北米以外での新規受注により825百万米ドル増。為替差益により535百万米ドル増。 |
- | -北米のプラットフォームミックスの悪化、自動車生産台数の減少。 | ||||
電子・電装 | 3,100.0 | 2,996.9 | 3.4% | + | 為替差益により141百万米ドルの増。北米以外での新規受注等により45百万米ドル増。 |
- | -北米でのプラットフォームミックス悪化と自動車生産の減少、販売価格の値下げ。 | ||||
内装 | 688.9 | 3,217.2 | (78.6%) | - | -2007年度の第1四半期、内装事業の売却を実質的に完了。 |
地域別動向
-アジア
アジア関連の売上高は2002年の8億ドルから2007年の29億ドルに拡大した。Hyundaiや日産、現地カーメーカーとの取引増加に伴い、2008年には更なる成長が見込まれる。
中国で高度な生産拠点の広大なネットワークを保有。急成長を続ける中国に立地する有利な条件を活かして、同地で生産されるシートや電子・電装部品を世界中に供給中。
-北米および欧州
米国や欧州に進出しているアジア企業とのビジネスを拡大中。特に、電装部門はHyundaiと、シートとフロアは日産との取引が増加している。
北米における2007年の自動車生産は、前年比で約2%の減少を記録。また、主要プラットフォームの生産の落ち込みはそれを更に上回る。
市場構造が細分化している欧州市場では、生産能力が過剰な状態にある。結果、同社の中心プラットフォームも生産量が減少している。
受注(2007年12月期)
国 | メーカー | セグメント |
中国 | Dongfeng Peugeot Citroen Automobile Co. | シート |
中国 | Beijing Hyundai Motor Co. | シート |
中国 | Beijing Benz DaimlerChrysler Automobile Co. | シート |
中国 | ChangAn Automobile Group | シート |
マレーシア | Proton Automobile Sdn. Bhd. | シート |
中国 | Geely International Group | 電子・電装 |
Bombardier Recreational Products Inc. (BRP) から、ATV「Can-Am」用シートシステムを受注。契約期間は5年間。メキシコのSan Lorenzo工場で生産する。2007年5月より、完成品シートを、BRPのJuarez組立工場に納入する。(2007年3月15日付プレスリリースより)
FordのMustang(2008年モデル)向けに、大豆油ベースの軟質フォームを素材とするシートの生産を開始する。 大豆油ベースの素材を使用したシート製品が自動車に搭載されるのは初めてのことで、シートバックおよびシートクッションに用いられる。Mustangの生産はFordとマツダの合弁会社である、オートアライアンスインターナショナル(AAI)のミシガン州フラットロック工場で行う。(2007年7月12日付プレスリリースより)
合弁事業
-2007年1月、中国のBeijing Automobile Investment Co., Ltd.との合弁で、Beijing BAI Lear Automotive Systems Co., Ltd.を設立。自動車用シートシステムおよびコンポーネントを製造・供給する。
-2007年12月、中国のBeijing Automobile Investment Co., Ltd.との合弁で、Beijing BAIC Lear Automotive Electronics and Electrical Products Co., Ltd.,を設立。自動車用ワイヤーハーネス、ジャンクションボックス、その他電子・電装部品の製造・販売を行う。
買収
International Automotive Components Group North America Inc. (IAC NA)は、Collins&Aikman(C&A)のメキシコ・Hermosillo工場を買収することで最終合意に達した。買収金額は17,000百万米ドルで、一部負債の引受も含まれる。同工場では主に、フォード向けのインストパネル、ドアパネルの生産・組立を行っている。IAC NAは今回の買収により、低コスト国でのさらなる生産拠点拡充を図る。なお、IAC NAはWL Ross & Co. LLC、Franklin Mutual Advisers, LLC、同社による合弁会社。(2007年7月13日付プレスリリースより)
売却
-内装事業(北米)
北米内装事業に関わるほぼ全ての資産を、International Automotive Components Group North America, LLC (IAC NA)に譲渡する手続きを完了。(2007年4月2日付プレスリリースより)
開発動向
研究開発費
-前年度に比べて35.2百万米ドルの減少。このうち、内装事業の売却により、13百万米ドルの減。
研究開発体制
-自動車インテリアシステムのエンジニアリング、研究、デザイン、開発、テストを統括的に行える体制を持つ。
-世界中に5,000名以上のエンジニアを配置。
-5つの先端技術センターを始めとして、世界中の製品エンジニアリングセンターにおいて技術開発が行われている。
-米国ミシガン州サウスフィールドに位置する"Global Innovation & Technology Center"が消費者調査、ベンチマーキング、技術活動、設計活動の中心的役割を果たす。
-最先端の音響テスト設備、データ解析設備を保有。
-電子・電装部門では電磁適合性研究所を保有。
-以下の通り、7つの観点(Seven Dimensions)から製品開発、技術革新を行っている。
(1)安全(Safety)
(2)快適性・利便性(Comfort & Convenience)
(3)環境(Environmental)
(4)クラフトマンシップ(Craftsmanship)
(5)共用化(Commonization)
(6)インフォテインメント(Infotainment)
(7)柔軟性(Flexibility)
ドイツ
2008年に竣工予定の「音響研究所」の起工式をKronachにて行った。この研究所には最先端の製品開発と検証施設を備え、インフォテインメント製品の開発において不可欠な役割を担う。2008年上半期中に開設予定。(2007年10月2日付プレスリリースより)
中国
-2007年12月期、上海に2つのエンジニアリング/R&Dセンターを開設。
研究開発活動
-Intertronics®は同社の包括的な技術を象徴し、電子製品と自動車用インテリアシステムの一体化を可能にした同社の技術力を表現。
-Solid-Stateジャンクションボックスや新RF(Radio-Frequency)製品を始めとする新技術・新商品の開発を続けている。
-同社の代表的な製品ブランドは以下の通り。
ProTec™ブランド : インテリア・セーフティ(安全面に配慮)
Aventino™ブランド : 自動車用の高級皮革
EnviroTec™ブランド : SoyFoam™を始めとする環境配慮型製品
新生産技術
- SoyFoam™は大豆油ベースの軟質フォームで、自動車部品向け素材として活用される。同社はFordとパートナーを組み、 SoyFoam™ブランドのシートを開発した。2008年モデルのFord Mustangにこのシートが初採用される。
- SoyFoam™の利点
(1)生産時の環境負荷低減
(2)従来の石油ベースの素材に比べ、最大で24%が再生可能
(3)揮発性エネルギー市場への依存低下
(4)自動車用シートのコスト削減の可能性
(単位:百万米ドル) | 2007年12月期 | 2006年12月期 | 2005年12月期 |
金額 | 134.6 | 169.8 | 174.0 |
-前年度に比べて35.2百万米ドルの減少。このうち、内装事業の売却により、13百万米ドルの減。
研究開発体制
-自動車インテリアシステムのエンジニアリング、研究、デザイン、開発、テストを統括的に行える体制を持つ。
-世界中に5,000名以上のエンジニアを配置。
-5つの先端技術センターを始めとして、世界中の製品エンジニアリングセンターにおいて技術開発が行われている。
-米国ミシガン州サウスフィールドに位置する"Global Innovation & Technology Center"が消費者調査、ベンチマーキング、技術活動、設計活動の中心的役割を果たす。
-最先端の音響テスト設備、データ解析設備を保有。
-電子・電装部門では電磁適合性研究所を保有。
-以下の通り、7つの観点(Seven Dimensions)から製品開発、技術革新を行っている。
(1)安全(Safety)
(2)快適性・利便性(Comfort & Convenience)
(3)環境(Environmental)
(4)クラフトマンシップ(Craftsmanship)
(5)共用化(Commonization)
(6)インフォテインメント(Infotainment)
(7)柔軟性(Flexibility)
ドイツ
2008年に竣工予定の「音響研究所」の起工式をKronachにて行った。この研究所には最先端の製品開発と検証施設を備え、インフォテインメント製品の開発において不可欠な役割を担う。2008年上半期中に開設予定。(2007年10月2日付プレスリリースより)
中国
-2007年12月期、上海に2つのエンジニアリング/R&Dセンターを開設。
研究開発活動
-Intertronics®は同社の包括的な技術を象徴し、電子製品と自動車用インテリアシステムの一体化を可能にした同社の技術力を表現。
-Solid-Stateジャンクションボックスや新RF(Radio-Frequency)製品を始めとする新技術・新商品の開発を続けている。
-同社の代表的な製品ブランドは以下の通り。
ProTec™ブランド : インテリア・セーフティ(安全面に配慮)
Aventino™ブランド : 自動車用の高級皮革
EnviroTec™ブランド : SoyFoam™を始めとする環境配慮型製品
新生産技術
- SoyFoam™は大豆油ベースの軟質フォームで、自動車部品向け素材として活用される。同社はFordとパートナーを組み、 SoyFoam™ブランドのシートを開発した。2008年モデルのFord Mustangにこのシートが初採用される。
- SoyFoam™の利点
(1)生産時の環境負荷低減
(2)従来の石油ベースの素材に比べ、最大で24%が再生可能
(3)揮発性エネルギー市場への依存低下
(4)自動車用シートのコスト削減の可能性
設備投資
設備投資額
海外投資
-中国
19の生産拠点を保有、このうち2007年12月期に6拠点を新設。
-インド
7の生産拠点を保有、このうち2007年12月期に3拠点を新設。
(単位:百万米ドル) | 2007年12月期 | 2006年12月期 | 2005年12月期 |
シート | 114.9 | 161.1 | 229.2 |
電子・電装 | 80.3 | 77.0 | 102.9 |
内装 | 1.2 | 98.7 | 190.9 |
その他 | 5.8 | 10.8 | 45.4 |
合計 | 202.2 | 347.6 | 568.4 |
海外投資
-中国
19の生産拠点を保有、このうち2007年12月期に6拠点を新設。
-インド
7の生産拠点を保有、このうち2007年12月期に3拠点を新設。