Dana Holding Corporation 2009年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル)
  2009年12月期 2008年12月期* 増減率(%) 要因
全社
売上高 5,228 7,344 - 1)
純利益 (454) (549) - -
*2008年は2月~12月。

要因
1)
-為替要因を含まない2009年の売上げは前年比でLVD部門が28%、熱交換器システム製品部門が27%、フレーム製品部門が30%それぞれ減少。生産 量の低下が主たる要因。為替要因を除いたシーリング製品部門の売上げは、アフターマーケット市場での比較的に大きめなシェアを保有していたことを背景とし て、他部門に比べ減少幅は若干低く22%。生産の減少による売上減は一部LCV部門と構造製品の価格改定で相殺。

-商用車部門の市場は、クラス8のトラック生産が約41%、クラス5-7が約38%減少した北米市場への依存度が高く、こうした生産減を背景としてこの部門の売上は31%減少(為替要因を除く)。販売高の減少は原材料費の価格転嫁により一部相殺。

受注

-GMの2009年式「Cadillac CTS-V」向けに、「Spicer Life Series(R)」プロペラシャフトを供給開始。この他「CTS-V」には、「Victor Reinz(R)」カムカバーガスケット、「Victor Reinz(R)」排気マニホールドガスケット、トランスミッションの補助オイルクーラー「Long(R)」も納入する。(2009年2月4日付プレスリ リースより)

-再生材を使用したシリンダーヘッドカバーをFordに供給すると発表。2010年モデルの「Fusion」と「Escape」に搭載される 「Duratec」3.0Lエンジン向け。このシリンダーヘッドカバーは、同社が2モデル向けに供給するシーリングシステムモジュールの一部。モジュール にはエンジンカバー、ガスケット、ファスナー、バッフル(エアーオイルセパレーター)、アイソレーターも含まれる。(2009年11月9日付プレスリリー スより)

-HEV/EV用電池の寿命を延ばすことを狙いとした熱交換器「Long (R)」を開発。この製品は初めて、Tesla MotorsのEV、「Roadster Sport」2010年モデルに採用された。(2009年11月11日付プレスリリースより)

-「Victor Reinz(R)」シーリング部品をDaimler「Mercedes-Benz S400 HYBRID」に供給。米国で販売中の2010年モデルが対象。「S400」の3.5L V6エンジンに、メタル積層型(MLS)シリンダーヘッドガスケット「Wave-Stopper(R)」が採用されたもの。また同社は、遮熱・防音シール ド(TAPS)、インテークマニホールドガスケット、エキゾーストマニホールドガスケットも納入中。これらの部品は、ドイツNeu-Ulm拠点で開発し、 生産を行っている。(2009年11月30日付プレスリリースより)

-Daimler「Mercedes-Benz E-Class」に、メタル積層型(MLS)シリンダーヘッドガスケット「Wave-Stopper(R)」を供給。「E250 CDI BlueEFFICIENCY」の4気筒ディーゼルエンジン向け。このガスケットはドイツNeu-Ulm拠点で開発し、生産を行っている。(2009年 11月30日付プレスリリースより)

-Volkswagenへのプロペラシャフト「Spicer Life Series(R)」の納入を開始。ピックアップトラック「Amarok」2010年モデルに採用されたもの。プロペラシャフトの生産はアルゼンチン Buenos Aries工場で行っている。この車両は2010年初めから南米で販売が開始されており、今後は、欧州、ロシア、オーストラリア、南アフリカ共和国での販 売を予定している。(2010年3月2日付プレスリリースより)

事業再編

-2009年12月、フレーム製品部門が保有する大半の資産をMetalsa, S.A. de C.V.に売却する契約を結んだと発表。Longview(テキサス州)のフレーム製品製造事業は売却せず保持する。ベネズエラの事業(政府許可待ち)を 除き売却手続きは2010年3月までに完了予定。

-2010年1月、米国の大型車両用製品(Heavy Vehicle Products)事業の拠点をオハイオ州Toledoと、ミシガン州Greater Detroitの計2拠点に統合すると発表。これに伴い、ミシガン州Kalamazooおよびノースカロライナ州Statesvilleの拠点を2010 年末までに閉鎖する。(2010年1月28日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2009年12月期 2008年12月期 2007年12月期
合計 119 193 189

研究開発体制

-2009年12月31日現在、主要な技術センターは5ヶ所。

製品開発

Spicer 6X2コンバーチブルタンデムドライブアクスル
-2009年、Dana Spicer 6x2 Convertible Tandem Drive Axleを発表。この6x2アクスルは、将来6x4構造への転換を可能とする利点がある。

再生材利用のシリンダーヘッドカバー
-このカバーはリサイクルナイロン「EcoLon(R)」を採用した初の自動車部品で、アルミダイカスト製に比べて約20%軽量。「EcoLon(R)」 は、Wellman Engineering Resins(米国ナイロン樹脂メーカー)との共同開発によるもの。カバーの生産は米国テネシー州Parisの「Composite Sealing Center」で行う。2010年モデルの「Fusion」と「Escape」に搭載される「Duratec」3.0Lエンジン用の製品。(2009年 11月9日付プレスリリースより)

熱交換器「Long (R)」
-HEV/EV用電池の寿命を延ばすことを狙いとした熱交換器「Long (R)」を開発。この製品は初めて、Tesla MotorsのEV、「Roadster Sport」2010年モデルに採用された。動力用電池内部で発生する熱を車載空調装置に逃がすことで電池を冷却するもので、業界初の機構。また、作動中 の電池の温度をセンサーで監視し、そのデータを継続的に空調装置に伝達して電池温度を最適に調整することから、結果、電池の寿命を延ばすことができる。こ の電池冷却装置の開発を手掛けたのは加オンタリオ州Oakvilleにある技術センターで、生産も同拠点で行う。(2009年11月11日付プレスリリー スより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2009年12月期 2008年12月期* 2007年12月期
小型車両 32 69 87
シーリング製品 24 30 27
熱交換器システム製品 5 10 15
構造製品 9 43 38
商用車 20 57 47
オフハイウェイ 4 25 30
(除去、他) 5 - 8
合計 99 234 252
*2008年は2月~12月。

-2010年2月、Anand Automotive Systemsの合弁会社Spicer India Ltd.はインドPune近郊のChakan拠点を拡充すると発表。ギア工場と試験センターを設立する計画。新工場ではハイポイドギアを製造し、国内カー メーカーに供給する。ギアの年産能力は24万セットを見込む。また、インド市場向けにアクスル「AdvanTEK(R)」を開発した。このアクスルもイン ドで生産する予定。(2010年2月4日付プレスリリースより)