Tenneco 2007年度の動向

ハイライト

業績
(単位: 百万ドル) 2007年 2006年 増減率 (%) 要因
売上高 6,184 4,682 32.0% アフターマーケット市場での販売不振はみられたものの、北米市場に導入されたプラットフォーム数の増加、欧州とアジアのOE事業の好調に支えられ総売上高は増加。新製品の立ち上がりによる販売増以外には、同社の海外拠点と複数顧客の拠点の地理的バランスがよく、北米自動車市場の落ち込みをカバー。
利息税金支払前利益 252 196 28.6% 生産性向上活動、為替差益、組織改革とアフターマーケット顧客の転換コストが低かったことなどにより利益は向上。北米の生産量減とアフターマーケットの世界的軟化現象などによるマイナス分を相殺。

企業買収

-2007年8月、大気汚染コントロールシステムメーカーCombustion Components Associates, Inc. (CCA)との間で、CCAの自動車用排気ガスコントロール事業の買収に関し、合意したと発表。この事業買収により、今後順次導入される乗用車ならびにトラック車両を対象とするより厳しい排ガス規制基準に適合するクリーンエアエンジン技術である選択接触還元触媒 (SCR)システム製品のさらなる強化を図る。


受注
- 2007年2月、日系自動車メーカー向け供給部品の売上高を、2008年までに06年比で32%増とする旨を発表。生産拡大が続く自動車メーカーから増産分の受注を獲得し、売上高を現状の560億円から720億円に引き上げる。需要拡大が見込まれるディーゼル車用排ガス後処理装置や電子制御サスペンションなどを売り込み、拡販につなげる。記者会見では、日系自動車メーカー1社から世界戦略車のプラットホーム計4種類を受注し、緩衝器や排気系部品の開発を進めていることを明らかにされた。

-2007年5月、持続型電子制御サスペンション(CES)システムが、新型メルセデスベンツCクラスに搭載されていると発表。CESシステムは、道路状態や車体の動きを継続的に監視し、サスペンションを瞬時に調整することで、より優れた走行性と安定性を実現する。

-2007年10月、同社にとって初となる選択接触還元触媒(SCR)排気後処理システムの開発プログラムを受注。中国・上海の合弁会社が現地の商用車用エンジン大手メーカーから受注したもので、同社では、SCR技術を採用した排気後処理システム一式を開発するにあたり、先頃買収したCCAの特許システム「ELIM-NOx(TM)」を採用する。「ELIM-NOx(TM)」は、SCR技術応用による排気後処理システムで、NOxの排出量を70‐90%削減する効果がある。発注元である中国のエンジンメーカーと連携し、「ELIM-NOx(TM)」を採用した排気後処理システム一式を同社は開発し、2011年に生産が開始される予定のトラック、バス用エンジン向けに供給を開始する。


売却
-2007年9月、OEM向けに排気ガスコントロールシステムを生産するWissembourg工場(フランス)の閉鎖を発表。


展望
-OE向け売上は2008年度には55億ドル、2009年には60億ドルと増加基調であると予測。また、OE向け売り上げ全体の年間平均伸び率は、主に世界的に厳しくなる排気ガス規制が順風となり、2008年から2012年の期間11%から13%と見込まれる。

開発動向

研究開発費用
(単位:百万ドル) 2007年度 2006年度 2005年度

合計

114 88 83


研究開発体制

-2007年5月、中国で初となるのR&Dセンターを開設。このエンジニアリングセンターは、上海汽車集団(SAIC)の子会社である上海実業交通電器有限公司(STEC)との合弁事業で、中国をはじめとするアジア太平洋地域において伸張しているOE、およびアフターマーケットの顧客向けに排気ガスコントロール部品の設計・開発を行う。

-研究開発テーマ: ディーゼル車の排ガス浄化装置の開発に取組み、その応用製品を欧州・北米市場に供給。また、同社はOhlins Racing ABと共同開発したコンピューター制御のサスペンションシステムをVolvo、Audi、Ford、Mercedes Benzなどに納入する。 そのほか、資金提供された大学研究所に排気ガス制御とライドコントロールの研究開発をHyTRANコンソーシアムのメンバーとして支援を行う。

設備投資

設備投資額
(単位:百万ドル) 2007年12月期 2006年12月期 2005年12月期

北米

106 100 74
欧州、南米、及びインド 74 51 54
アジア太平洋 18 19 16

合計

198 170 144


海外投資

-2007年9月、サンクトペテルブルグ(St. Petersburg)に、ロシアで2番目となる工場を建設すると発表した。新工場は、サンクトペテルブルグで最初の排気ガスコントロールシステム工場となり、OEメーカーに製品を納入する。新工場は建屋面積5000平米で、当初は、Ford向けにエキゾーストシステムを生産・供給する。