Federal-Mogul Corporation 2006年度の動向

ハイライト

業績
単位:
百万ドル
2006年度 2005年度 増減率 備考
売上高 6,326.4 6,286.0 +0.6%
(1)、(2)
純利益 (549.6) (334.2) - (3)

売上
(1) 2006年度末のグループ全体の売上高は対前年比で40百万ドル上昇(同0.6%アップ)、6326.4百万ドルを計上。うち32百万ドルは為替差益によるもの。企業買収、事業処分、移転などによる売上貢献は53百万ドル。主な内容は;
(1)2006年5月、Federal-Mogul Goetze 社(インド)の経営権を掌握。77百万万ドルの売上増に貢献。
(2)2005年12月、the Kilmarnock社(英国)の売却により対前年比で12百万万ドルの減少。
(3)2006年度のアジアの少数持ち株合弁会社へのビジネス移行は900万ドル相当。これは競争力のある廉価コスト生産量を増加するという同社戦略の一環。
・アフターマーケット市場での販売価格アップ相当分48百万ドルは、OEMの卸売り価格値下げ分の17百万ドルによる一部相殺がみられる。

(2) OEMメーカーへの販売は対前年比で88百万ドル上昇。
-米州地域では4,000万ドル(対前年比3%上昇)
-欧州では4,300万ドル(同2%上昇)
-アジアでは500万ドル(同7%上昇)

・米州地域では潜在的需要が昨年に比べて伸びが見られなかった。2007年米国排気規制強化対策として大型トラックへの需要が伸びたもの小型商用車の生産が減少したことなどがその背景にある。販売高の伸びは、パワートレイン、シーリングシステム、車両セーフティー・性能部門で新規プログラムの立ち上げとシェア上昇が主要要因。
・欧州における小型車生産は全般的に増加したもの、同社の得意先は販売量をわずかに落とした。減少分は商用車対応部品の需要増により一部相殺された。新規プログラムの立ち上げと、パワートレイン部門及び車両セーフティー・性能部門の販売シェア上昇は潜在需要の減少分以上の相殺をした。

(3) 純損失は549.6百万ドルを計上。英国の年金問題解決費用として500.4百万ドル、〈米〉連邦破産法第11条、チャプター・イレブン(民事再生法)及び 英国組織改変手続き費用として95.1百万ドルが損失分の主たる要因となっている。


受注
2007年1月、Ward社が選ぶ2007年型式”ベストエンジン10”のうち7機種向けに部品およびシステム部品を供給すると発表した。Federal-Mogul社は過去5年間でWard社”ベスト10”に選出された総計50基のエンジンのうち32機種向けの部品を設計・製造している。

企業買収
2006年5月、長きに亘って運営してきた合弁会社Federal-Mogul Goetze India Limited ("FMG") の株式を3,200万ドルで追加取得し、過半数を保有すると発表した。FMGは、株式公開会社でピストン、ピストンリング、ライナー、ピン、並びに焼結部品などを製造する。Federal- Mogulが所有するFMGへの株式比率は50.1%となり、インドでのプレゼンスが拡大される。また、同社の成長戦略を後押しする形ともなる。FMGの2005年度売上は、43億ルピー(96.8百万ドル以上)を超えている。

リストラクチャリング活動
・グローバルリストラクチャリング計画"リストラクチャリング2006"を発表。事業効率化と過剰能力削減を目的とした3年計画を開始した。
2005年12月のイタリアAlpignano工場、英国Upton工場閉鎖を皮切りに、約25の拠点を対象とし、2008年までに10%の人員削減を行う。
関連費用として、18.5百万ドルを計上。さらに、2008年までに130百万ドルまでの追加費用が発生する見込み。
同計画完了後、年間120百万ドルのコスト削減効果があるとしている。

主な拠点の閉鎖・移管

北米 エンジンベアリング工場 少量かつ労働集約型の生産を、メキシコへ移管 関連するリストラ活動及び支出は2006年も継続。
LaGrange
米国ジョージア州
ピストン生産工場 生産余力のある既存拠点、または米国・メキシコの低コスト拠点へ生産を移管 関連するリストラ活動及び支出は2006年も継続。
Alpiginano
イタリア
ピストン工場

拠点閉鎖、生産余力のある欧州の既存拠点へ移管

関連するリストラ活動及び支出は2006年も継続。
Roodeport
南アフリカ
ピストン工場 工場閉鎖、生産余力のある既存拠点へ移管 リストラ活動は2005年度第4四半期に完了。

開発動向

研究開発費用

  2006年度 2005年度 2004年度
単位:百万ドル $162 $170 $181

研究開発体制 
研究開発が行われている主要リサーチセンターの所在地:ドイツ (Burscheid,、Nuremberg、 Wiesbaden、Bad Camberg)、英国 (Chapel)、アメリカ合衆国 (ミシガン州Plymouth、イリノイ州Skokie、ミシガン州Ann Arbor)、日本(横浜)。


製品開発
・2005年7月、Federal-Mogul が製造、販売するANCOから"ANCO Contour"が新発売された。"ANCO Contour"は、最新モデル乗用車および小型トラック用で、いかなる気象条件下でも優れた性能を発揮する革新的な高性能プロフィールタイプワイパーブレード。この新型ワイパーブレードは次世代一体型デザインが特徴。

設備投資

設備投資費
単位:
百万ドル
2006年
12月期
2005年
12月期
2004年
12月期
パワートレイン $120 $90 $126
シーリングシステム 19 22 33
車両セーフティ・性能
(Vehicle Safety and Performance)
39 39 57
アフターマーケット製品・サービス
32 30 46
全社
27 9 6
合計 $237 $190 $268