Eaton 2008年12月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万ドル)
2008年
12月期
2007年
12月期
増減率(%) 要因
全社
売上高 15,376 13,033 18 -売上は前年比18%増。その売上増のうち、14%が事業買収、3%が本業の伸長、1%が為替差益によるもの。
売上総利益 4,185 3,651 15 -主として18%の売上増、企業買収の統合メリット、生産性向上など。
純利益 1,058 994 6 -
自動車部品
売上高 1,871 2,142 (13) -売上減13%は、15%が販売減によるもので、為替差益による2%増で一部相殺。
営業利益 59 234 (75) -販売減と製品ミックスの変更が売上減の主たる要因。

-バルブアクチュエーションを生産するイタリアMassa工場の閉鎖費用として、第4四半期に27百万ドルを支出。
トラック部品
売上高 2,251 2,147 5 -5%の売上増は、2%が本業の伸長、3%が為替差益によるもの。
営業利益 315 357 (12) -不安定な自動車市場によって操業効率が低下し、製造固定費を吸収しきれなかったことが主な要因。


受注
-2008年7月、TVS(TM)スーパーチャージャーがAudiの新型3.0LV6エンジン「TFSI」に搭載されたと発表。

-2008年9月、同社の第5世代スーパーチャージャーを2009年式「Volkswagen Golf」の1.4LTSI直噴エンジン用に供給すると発表。

-2008年11月、TVS(TM)スーパーチャージャーをAudiの2010年式「S4」「S4 Avant」の3.0LV6TFSIエンジン用に供給すると発表。


合弁事業
-2008年8月、同社と日鍛バルブは、日本と韓国自動車メーカーの新規ニーズ吸収を目指し、2008年8月下旬に合弁会社ニッタン・グローバル・テックを設立すると発表。同社は日鍛バルブに20%出資する筆頭株主だが、合弁事業のマジョリティーは日鍛バルブが確保。(2008年8月7日付日刊自動車新聞より)


企業買収
-2008年7月、Kirloskar Oil Engines Ltd.のエンジンバルブ事業を買収したと発表。同事業はインド国内に約500名の従業員を擁しており、07年売上げは約5百万ドル。業容はディーゼル/ガソリンエンジン用吸排気バルブの設計・製造・販売。(2008年7月31日付プレスリリースより)


リストラクチュアリング
-2008年10月、イタリアMassaのバルブアクチュエーション部品工場の閉鎖を発表。閉鎖は2008年内に完了する見通し。

-2008年、大規模な人員削減を実施。また2009年1月にも追加の削減を実施した。これによりフルタイム従業員の約10%を削減した。

開発動向

研究開発費 (単位:百万ドル)
2008年12月期 2007年12月期 2006年12月期
合計 417 335 315

-過去5年間で、約16億米ドルを研究開発に投資。


製品開発

ハイブリッドパワーシステム
-2008年1月、同社が中国市場向けにBeiqi Foton(福田汽車)と共同開発したハイブリッドパワーシステムの供給を開始したと発表。同社は08年1月11日、中国市場に投入する初のハイブリッドパワーシステムとして、Guangzhou Yiqi Bus(広州一汽バス)にハイブリッドバス30台を納入。このハイブリッドバスは、従来型のバスに比べて、燃費を27%向上し、自動車から排出される粒子状物質(PM)および窒素酸化物(NOx)も同程度削減できる。(2008年1月14日付プレスリリースより)

ハイブリッド駆動システム
-2008年2月、Coca-Cola Enterprisesが2008年に新たに導入するトラック120台に同社のハイブリッド駆動システムを供給すると発表。このほどCoca-Colaが発注したハイブリッドトラックには、同社が独自開発したFuller UltraShift(R)オートマチック・トランスミッションに加え、パラレルハイブリッドシステムが採用される。このハイブリッドドシステム搭載車両は、Coca-Colaが現在運用している従来の動力方式フリート車両に比べ、有害ガス排出を約32%低減し、燃費を37%向上可能。(2008年2月27日付プレスリリースより) 

TVS(TM)スーパーチャージャー
-新開発のTVSは、160度回転するツインタイプ4葉式ローターデザインを採用したルーツ型容積式スーパーチャージャー。一対の高速ローターがかみ合い、圧縮空気をエンジンに直接送り込み、燃料を圧縮空気と混合し燃焼させることでエンジン出力を高める過給システム。(2008年7月17日付プレスリリースより)

ツインチャージャーシステム
-2008年9月、同社の第5世代スーパーチャージャーを2009年式「Volkswagen Golf」の1.4LTSI直噴エンジン用に供給すると発表。同社はVolkswagenと提携し、ツインチャージャーシステムを開発。この共同開発のツインチャージャーシステムが欧州向け新型「Golf」用直噴ガソリンエンジン4機種のうち1機種に採用された。このツインチャージャーは、同社の3葉式のルーツ型容積式スーパーチャージャーとシングルステージターボチャージャーとを組み合わせたもの。(2008年9月9日付プレスリリースより)


技術提携
-2008年6月、華南理工大学(SCUT)との提携に向けた覚書(MOU)に調印したと発表。この提携プログラムの一環として、既に、SCUT、Guangzhou Yiqi Bus (広州一汽バス)と共同で、燃費効率やガス排出量についてのデータを収集するため、広州市でハイブリッドバス走行試験を開始。同社では、2008年初旬、中国では初となる本格ハイブリッド駆動システムを搭載したハイブリッドバスをGuangzhou Yiqi Busに納入。今回の産学提携には、SCUTの研究チーム主導により、同社製ハイブリッドシステムの性能向上を目指した性能試験を実施するプロジェクトも盛り込まれている。(2008年6月12日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額 (単位:百万ドル)
2008年12月期 2007年12月期 2006年12月期
合計 448 354 360

-2009年12月期の設備投資額は250百万ドル程度を見込む。