Cummins, Inc. 2012年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル)
2012年12月期 2011年12月期 増減率 (%) 要因
全社 17,334  18,048 (4.0) -
部門別
エンジン事業 10,733 11,307 (5.1) 1)
コンポーネント事業 4,012 4,063 (1.3) 2)

要因
1)
-エンジン事業部門の2012年12月期売上高は前年比5%減。建機向けの需要の減少およびブラジル市場における中型トラック用エンジンの出荷数量が低調に推移したことが要因。上期は、北米オンハイウェイ市場を大型トラック用エンジンがけん引し一部減少分を補った。

2)
-コンポーネント事業部門の2012年12月期売上高は、企業買収による影響を除くと前年比2%減。主要因としては、2011年に126百万ドルの売り上げを出したエキゾースト事業の資産を売却したことによるもの。また、ターボ製品、フィルター、燃料供給システム事業の需要が低迷したが、主に北米およびブラジルの排ガス規制対応ソリューション事業の需要が増加し一部減少分を相殺した。

受注

-米国インディアナ州のColumbus MidRange Engine Plantにおいて、Chryslerグループ向けピックアップトラック用エンジンの累計生産数が2百万基に達したと発表した。6.7L直列6気筒の高出 力ターボディーゼルエンジンは、Chryslerの大型ピックアップトラック「Ram 2500」、「Ram 3500」のほか、シャシーキャブモデル「Ram 3500」、「Ram 4500」、「Ram 5500」に採用されている。(2012年12月11日付プレスリリースより)

企業買収

-ドイツMarktheidenfeldを本拠とするHilite Internationalのエミッションコントロール事業の買収を完了。同事業は現在、Cummins Emission Solution (CES)に属している。HiliteのSCR(選択触媒還元)式噴射システムは今後、制御、センサー、触媒、基板、パッケージングなど既存のCumminsの後処理技術を補強する役割を果たすことになる。今回の買収によりHiliteの従業員133名がCumminsに移籍した。また、買収した事業は当面の間、Marktheindenfeld工場で引き続き操業を続ける予定。(2012年7月18日付プレスリリースより)

受賞
-Chrysler Groupより2012年度「Sustainability Supplier of the Year」を受賞したと発表。(2012年6月20日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2012年12月期 2011年12月期 2010年12月期
全社 728 629 414
エンジン事業 433 397 263
コンポーネント事業 213 175 114

研究開発体制

-全世界に19の技術センターを保有。

製品開発

中型天然ガスエンジン
-Cummins Westportは、6.7Lの中型天然ガスエンジン「ISB6.7 G」の開発を開始したと発表。スクールバス、中型トラック、商用車両が対象となる。Cummins製の「ISB6.7」エンジンをベースとし、Cummins Westportの化学量論的排出ガス再循環(SEGR)システムを採用している。「ISB6.7 G」の生産は2015年までに開始する予定で、発売時に施行されている米国環境保護庁(EPA)およびカリフォルニア州大気資源局(CARB)による規制に準拠するよう設計される。(2012年10月4日付プレスリリースより)

15リットルの大型車向けスパーク点火天然ガスエンジン
-15リットルの大型車向けスパーク点火天然ガスエンジン「ISX15 G」の開発を開始。この新型エンジンは「ISX15」ディーゼルエンジンがベースとなり、圧縮天然ガス、液化天然ガス、バイオメタンを燃料とする。2014年まで限定生産される予定。なお、Cummins Westportは既に、オンハイウェイ車用のスパーク点火天然ガスエンジンを生産している。Cummins Westport製エンジンには、5.9リットル車用エンジンをはじめ、2013年に生産開始予定の12リットル車用「ISX12 G」エンジンなどが含まれる。(2012年3月21日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2012年12月期 2011年12月期 2010年12月期
エンジン事業 399 339 197
発電事業 95 87 53
コンポーネント事業 134 141 78
物流事業 62 55 36
合計 690 622 364

設備投資

-2012年12月期の設備投資は前年の622百万ドルから690百万ドルへと増加。市況は低迷したが、新製品開発への投資および生産能力の増強を推進した。引き続き2013年12月期も850百万ドルを投じ、新製品立ち上げや次世代排ガス規制基準に対応するための設備の改良に投じる。2013年12月期の設備投資の約50%超が米国外への投資となる計画。