Cummins, Inc. 2011年12月期の動向

ハイライト

業績

(単位:百万ドル)
  2011年12月期 2010年12月期 増減率(%) 要因
全社  18,048  13,226  36.5 1)
部門別
エンジン事業 11,307 7,888 43.3 2)
コンポーネント事業 4,063 3,046 33.4 3)

要因
1)
-2011年12月期は、北米大型トラック市場の回復も含めて多くの地域で需要が増加。これにより同社全部門で売上高が増加。
2)
-エンジン事業部門の2011年12月期売上高は前年比43%増。大型トラック用、工業用、中型トラック用、バス用と全ての製品が好調。
3)
-コンポーネント事業部門の2011年12月期売上高は前年比33%増。排ガス規制対策製品およびターボチャージャーの需要増が要因。

売却

-小型商用車用フィルター事業を、米国のイリノイ州Evanstonを本拠とする投資会社Industrial Opportunity Partners, LLC, (IOP)へ売却すると発表。対象は、オハイオ州Findlayのフィルター工場(Cummins傘下のKuss)、ウィスコンシン州Bloomerのフィルター工場(Cummins)、ブラジルのSao Paulo工場(Kuss)、中国の上海工場(Kuss)。インタンク燃料フィルターなどのガソリンエンジン用フィルターの生産を行っている。(2011年9月8日付プレスリリースより)

-米国のGlobal Tubeへのエキゾースト事業売却が完了したと発表。この売却は2011年に入って発表されていた。売却対象となるのは、米国ウィスコンシン州 Stoughton、Arcadia、Black River Falls、Viroqua、オーストラリアScoresby、インドDamanの各拠点。(2011年4月29日付プレスリリースより)

-エキゾースト事業を、米国のGlobal Tubeに売却すると発表。Global Tubeは大型・中型トラック向けにエキゾーストシステム用のチューブの生産を行っている。Cumminsのエキゾースト事業はCummins Emission Solutionsの一部で、ベントチューブや小型マフラーなどを製造。この売却に含まれるのは、米国ウィスコンシン州Stoughton、 Arcadia、Black River Falls、Viroqua、オーストラリアScoresby、インドDamanの各拠点。売却後、同社は中核の排ガス後処理システム事業に注力する。同事業ではDPFやSCRシステムを扱っている。2011年3月末までに手続き完了となる見込み。なお、売却金額は非公開とされている。(2011年1月25日付プレスリリースより)

受注

-6.7Lターボディーゼルエンジンを、Chryslerの大型ピックアップトラック「Dodge Ram」に納入すると発表。このエンジンは最大トルク800ポンドフィート(1,085 Nm)を実現。米国インディアナ州に位置する同社のColumbus MidRange Engine Plant(CMEP)において、 2011年第2四半期から生産を開始する予定。(2011年2月14日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
全社 629 414 362
エンジン 397 263 241
コンポーネント 175 114 88

研究開発体制

-全世界に19の技術センターを保有。

-米国サウスカロライナ州North Charlestonのテクニカルセンターを約2倍に拡張し、研究開発能力を増強する計画を発表。今後3年間で24百万米ドルを投じる。これにより、 ディーゼルエンジン、天然ガスエンジン、バイオ燃料エンジンなどに関するテストが可能になるという。(2011年11月16日付プレスリリースより)

製品開発

-Cummins Emission Solutionsは、小型・中型・大型商用車向けの尿素噴射システム「EcoFit(TM)」を開発中と発表。このシステムは、既存のエンジンや後処理 システムへの統合が容易で、かつ堅牢性・燃費を向上させるもの。今後、中国、インド、ロシアで施行される排ガス規制にも対応する。なお、このシステムは、Cummins Emission Solutionsの中国・北京拠点で生産される予定。(2011年11月8日付プレスリリースより)

-2013年1月に施行される車載式故障診断システム(OBD)規制に、同社の北米仕様オンハイウェイエンジン「ISB6.7」から「ISX15」の製品群が準拠すると発表した。なお、米国環境保護庁(EPA)と米国運輸省(DOT)は、2010年以降のモデル(車両総重量14,000ポンド超)における全てのハイウェイエンジンに対して、2013年からOBDの搭載を義務づける。(2011年8月9日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2011年12月期 2010年12月期 2009年12月期
エンジン 339 197 207
発電 87 53 34
コンポーネント 141 78 59
物流 55 36 10
合計 622 364 310

設備投資

-2011年12月期の設備投資は前年の364百万ドルから622百万ドルへと増加。新製品開発への投資を推進し、引き続き2012年12月期も800-850百万ドルを投じ、新製品立ち上げや次世代排ガス規制基準に対応するための設備の改良に投じる。2012年12月期の設備投資の約50%が米国外への投資となる計画。