Cummins 2008年12月期の動向

ハイライト

業績 (単位:百万ドル)
2008年12月期 2007年12月期 増減率(%) 要因
エンジン事業 8,810 8,182 7.7 要因1を参照。
コンポーネント事業 3,152 2,932 7.5 要因2を参照。

要因1
エンジン事業部門の売上高は、主に以下の要因により増加。
大型トラック用エンジンの売上高が増加。増加の主な要因として、
-北米(米国およびカナダを含むが、メキシコを除く)での大型トラック市場シェアが拡大。
-メキシコにおける新排ガス規制施行に伴って2008年7月1日以前に購入を前倒するケースが増えた結果、2008年度上半期の大型トラック用エンジンの販売が増加。
-2007年の排ガス規則に先駆けてトラックを代替するために2006年に前倒し購入が発生した結果、2007年度上半期の需要が低迷したこと
などが挙げられる。

-中型トラック用エンジンの売上高が、中型トラック市場で世界的に需要が拡大したことにより増加。この増加の主な要因として、
-北米の中型トラック市場でシェアが拡大。
-2007年排ガス規則に伴い、トラックを2006年度中に代替するために購入を前倒しした結果、2007年度上半期の需要が低迷。
-2008年度のブラジルの好景気によってラテンアメリカの需要が拡大したこと
などが挙げられる。

-上記の増加分は、Chryslerへの販売量が50%減少したことにより部分的に相殺。 この減少は、米国経済の悪化に伴う北米における小型トラックの需要縮小および2008年度初頭の燃料価格高騰への懸念が主な要因。

-2008年度のオンハイウェイ関連製品の売上高は、エンジン事業部門の総売上高の53%を占める(2007年度は56%)。

要因2

コンポーネント事業部門の売上高は、主に以下の要因により増加。
-ターボチャージャー事業の売上高が、北米、欧州および中国で堅調な伸びを記録したことにより増加。この増加には、新ユーロ3排ガス規制の施行に伴う前倒し購入や中国国内の販売増も寄与。
-排ガスソリューション事業の売上高が、北米での堅調な販売により増加。製品価格上昇と北米市場のシェア拡大が寄与。

-上記の増加分は、2007年度のUniversal Silencerの売却とそれに伴う製品ラインの生産中止により部分的に相殺されたが、この2つを併せて、2007年度12月期の売上高に75百万ドル寄与した。


受注
-2008年6月、Navistar International Corporationとの間で、オンハイウェイ用クラス8中型トラック向けディーゼルエンジンの供給契約を延長することで合意したと発表。Navistarの「International」ブランドのクラス8中型トラック搭載用に、Cummins ISL、ISM、およびISX エンジンを2013年まで継続供給。この長期供給プログラムには、2010年からNavistarの北米仕様「International」トラック・シリーズ向けに15L/16L ビッグボアディーゼルエンジン(Cummins ISX)を独占供給する契約も盛り込まれているという。この2010年型エンジンは高圧噴射技術により排ガスを低減するHigh Pressure Common Rail (HPCR)燃料システム、次世代の排ガス再循環(EGR)システム、先進の電子制御システム、エアマネジメントシステム、粒子状物質(PM)フィルターシステムを機能的に統合したもの。(2008年6月16日付プレスリリースより)


事業買収および売却
-2008年7月、Fiatグループ傘下のCNH Global N.V. (CNH)およびIveco N.V.と合弁事業に関する契約を締結。同社がCNH保有のConsolidated Diesel Company (CDC)株式50%を取得しCDCを完全子会社化する一方、European Engine Alliance (EEA)株については同社の持株の3分の1をFiat Powertrain Technologieに譲渡することで同意。EEAは、1996年にCumminsとFiat傘下のIveco N.V.およびNew Holland(現CNH)が設立した合弁会社。(2008年7月18日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費 (単位:百万ドル)
2008年12月期 2007年12月期 2006年12月期
エンジン 286 222 225
発電 41 34 28
コンポーネント 95 73 68
合計 422

329

321



研究開発体制
-全世界に17の技術センターを展開。


製品開発
-2008年3月、フィルター部門は、エンジン用の次世代エアクリーナー「Fleetguard Direct Flow?」シリーズの発売を開始する。独自設計により大幅な小型化を実現、従来のエアクリーナーでは難しかったより小さな実装スペースへの収納も可能。Fleetguard Direct Flowシリーズは、性能、エンジン保護性能、作業性、取付けのしやすさ、省コストなど、従来品の水準を上回る数多くの利点を兼ね備えている。補助フィルターは、一切金属を使用していないため廃棄時に分別が不要な環境配慮型。この新型エアクリーナー(特許申請済)は、オン/オフハイウエー車両、固定コンプレッサー、船舶、オフショア機器といった広範な用途に対応。メインフィルターには高性能プリーツフィルターメディアを採用し、フィルター有効期間内は常に99.9%超という高濾過性能を維持。(2008年3月12日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額 (単位:百万ドル)
2008年12月期 2007年12月期 2006年12月期
エンジン 331 189 125
発電 57 51 45
コンポーネント 139 99 70
物流 16 14 9
合計 543 353 249


海外投資
-2008年4月、中国武漢市に北米以外では初となる燃料システム部品工場を竣工した。同社とDongfeng Motor Company(東風汽車)との合弁会社で、同社の地区サービスセンター機能を兼ねる現地法人も、同じく武漢に拠点を構えている。第I期の投資額は10百万ドル。武漢新工場ではCumminsコモンレール(CCR)燃料ポンプおよびCELECTインジェクター/燃料ポンプを生産、中国国内の需要に対応する。Cumminsの事業子会社で、中国の現地工場から国内市場向けにディーゼルエンジンシステム関連部品を供給するのは、Cummins Turbo Technologies (旧Holset)、Cummins Filtration (旧Fleetguard)に次いで、Cummins Fuel Systems(武漢)が3社目。(4月8日付プレスリリースより)