Arconic Inc. (旧 Alcoa, Inc.のValue-Add事業部門) 2018年12月期の動向

業績

(単位:百万USD)
  2018年12月期 2017年12月期 増減率 (%) 要因
売上高 14,014 12,960 8.1 1)
営業利益 642 (74) N/A -
セグメント別売上高
エンジニアリング製品およびソリューション 6,316 5,943 6.3 2)
グローバル圧延製品 5,604 5,000 12.1 3)
輸送・建設向けソリューション 2,126 2,011 5.7 4)

 要因
1) 売上高
-2018年12月期の売上高は、前年比8.1%増の14,014百万ドル。全セグメントにわたり、売上高が増加した。アルミ価格の上昇、製品ミックスの好況、為替差益などによって売上高はさらに増加した。産業用ガスタービン市場の売上減、特定事業および施設の売却により一部相殺された。

2) エンジニアリング製品およびソリューション
-2018年12月期のエンジニアリング製品およびソリューション部門の売上高は、前年比6.3%増の6,316百万ドル。好調の要因は、航空宇宙機関用エンジン、防衛用エンドマーケットの売上増、為替差益など。

3) グローバル圧延製品
-2018年12月期のグローバル圧延製品部門の売上高は、前年比12.1%増の5,604百万ドル。アルミ価格の上昇で自動車、商業輸送、工業用エンドマーケットで売上が増加、製品ミックスの好況も売上増に大きく寄与した。なお、イタリアFusinaの圧延工場売却と北米での包装事業の売上減により、利益が一部相殺された。

4) 輸送・建設向けソリューション
-2018年12月期の輸送・建設向けソリューション部門の売上高は、前年比5.7%増の2,126百万ドル。ラテンアメリカの押出事業売却によって生じた損失は、商業輸送および建設エンドマーケットの売上増、為替差益、アルミ価格の上昇により相殺された。

 

事業再編

-米テキサス州Texarkanaにある圧延工場を、台湾のアルミニウム・ステンレス鋼メーカー大成不銹鋼工業 (Ta Chen Stainless Pipe) の米子会社Ta Chen Internationalに売却することで合意したと発表した。売却額は、現金で約300百万ドルと、条件付取得対価が最大で50百万ドルとなる見通し。取引は、2018年第4四半期に完了する予定。(2018101日付 プレスリリースより)

-
Norsk Hydroは、Arconicのブラジル2カ所の押出工場買収が完了したと発表した。今回買収が完了したのはブラジル南部UtingaTubaraoの工場で、従業員数は合計600名超。高炉操作室、押出プレス機、付加価値機能設備などを備える。Hydroは押出ソリューション事業の拡張を目指すとともに、ブラジルでのプレゼンス強化を図るとしている。(201842日付プレスリリースより)

受注

-高成形性・高強度の新たな軽量アルミニウム合金をFCA US LLC2018年型JeepWrangler」に供給すると発表した。新アルミ合金C6A1を使用した「Wrangler」のフロントとリアのドアは、以前のモデルと比べて、それぞれ12ポンド、10.5ポンドの軽量化を実現。Arconicは、「Wrangler」のフードやフロントガラス・フレームインナー、シールリテーナー、リーンフォースメント用にもC6A1以外のアルミシートを供給し、先代モデルより車両重量が200ポンド軽い新型「Wrangler」の軽量化に貢献している。同社の高形成性・軽量アルミ合金は、FCA USのほかの人気車種にも採用される予定。(2018627日付プレスリリースより)

研究開発費

(単位:百万ドル)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
合計 103 109 130


-2018年12月期の研究開発費の減少は、主に支出の減少によるもの。

研究開発拠点

-2018年、Arconic Technology Center(ATC)にパイロットマイクロミルラインを導入した。マイクロミル技術は、強化された構造特性を特徴とするアルミニウムシートを数分で製造することが可能。ATCにはパイロットコーティングラインも導入した。

研究開発活動

-2018年、幅広い付加製造(3D印刷)技術に注力。レーザーパウダーベッド印刷技術を通じて、付加製造部品の製造と開発を行っている。

設備投資額

(単位:百万ドル)
  2018年12月期 2017年12月期 2016年12月期
合計 768 596 1,125


-同社は2019年12月期に、設備投資として約700百万ドルの投資を計画。

海外投資

<ハンガリー>
-ハンガリー投資促進公社(HIPA)は、ArconicがハンガリーSzekesfehervarのアルミホイール工場を拡張すると発表した。拡張により、アルミホイールの年間生産量を現在の2倍となる50万本に引き上げる計画。Arconicは107百万ユーロを投じて53,000平方メートル超の土地を購入し、17,000平方メートルの生産ホールを建設する。2019年末操業開始予定で、200名の新規雇用を見込む。今回の拡張は欧州および世界市場での需要増を受けてのもので、Szekesfehervar 工場では2023年に年間100百万ドル超の売上を目指すという。(2018年3月6日付HIPAのプレスリリースより)