Arconic Inc. (旧 Alcoa, Inc.のValue-Add事業部門) 2017年12月期の動向

業績

(単位:百万USD)
2017年12月期 2016年12月期 増減率 (%) 要因
売上高 12,960 12,394 4.6 1)
営業利益 (74) (941) - -
セグメント別売上高
グローバル圧延製品 4,992 4,864 2.6 2)
エンジニアリング製品およびソリューション 5,935 5,728 3.6 3)
輸送・建設向けソリューション 1,985 1,802 10.2 4)

要因
1) 売上高
-201712月期の同社の売上高は前年から 5.0% 増加し、12,960百万ドルを計上。全てのセグメントでボリュームが増加し、アルミニウム価格が上昇したことによる。グローバル圧延製品部門において、米テネシー州のパッケージング工場で計画されていた生産ボリュームの減少や委託加工契約、エンジニアリング製品およびソリューション部門とグローバル圧延製品部門における価格低迷により、売上高の増加は一部打ち消された。

2) グローバル圧延製品の売上
-グローバル圧延製品の売上高は、2017年12月期で前年比2.6%の増加となり、4,992百万ドルを計上。自動車最終市場におけるボリュームの増加とアルミニウム価格の上昇が主な要因。この増加は、米テネシー州包装事業における生産ボリュームの減少およびAlcoaとの委託加工契約により一部打ち消された。


3) エンジニアリング製品およびソリューションの売上
-エンジニアリング製品およびソリューションは、2017年12月期で前年比 3.6%の増加となり、5,935百万ドルの売上を計上。増加要因としては、航空機エンジンおよびエアフレームのボリューム増加が含まれる。主に航空最終市場における製品価格の下落、2016年4月に売却したRemmele Medical事業の売上がなくなったことは、部分的に売上増加を打ち消した。



4) 輸送・建設向けソリューションの売上
-2017年12月期における輸送・建設ソリューション部門の売上高は、前年比10.2%増加となり、1,985百万ドルを計上。商業輸送、建築および建設市場におけるボリュームの増加、アルミニウム価格の上昇、為替のプラスの動向は、製品価格の下落により一部打ち消された。

施設閉鎖

-Alcoaは、米国とイタリアにあるアルミ精錬施設に関する決定を発表した。米国では、2008年末から操業を停止していたテキサス州Rockdaleの精錬所を閉鎖する。イタリアのPortovesmeアルミ精錬所に関しては、イタリア政府傘下の投資促進機関であるイタリア投資誘致・事業開発公社(INVITALIA)に売却することで合意。Portovesmeの精錬所は、2012年から全面的に操業を縮小し、2014年に閉鎖されていた。(20171218日付プレスリリースより)

移転

-Alcoaは、New York本社を閉鎖し、ペンシルバニア州のPittsburgh拠点にグローバル本社機能および主要管理部門を移転すると発表した。2017年9月1日付で移転する計画。また、今後1年半以内に米国、欧州、アジアに位置する7つの管理部門も閉鎖する予定。現在の従業員は他部門・他拠点に異動、またはテレワークシステムを利用する。全ての移転が完了すれば、年間5百万ドルのコスト削減につながるという。 (2017年4月19日付プレスリリースより)


売却

-Arconicは、イタリアFusinaの圧延工場をSlim Aluminiumに売却したと発表した。Arconic Global Rolled Productsは、コモディティサプライヤーから収益性が高い航空宇宙、自動車産業向けサプライヤーへの転換を図っており、今回の売却も同戦略の一環。再編に関わる損失は、2017年第1四半期に60百万ドルを計上する見通し。 (2017年4月6日付プレスリリースより)

契約

Arconicは、北米トヨタと複数年契約を締結したと発表した。この契約に従い、Arconicはフルモデルチェンジした「Lexus RX」向けにアルミ製品を供給、アルミシートについてはArconicが単独サプライヤーとなる。アイオワ州Davenport工場とイリノイ州Danville工場から出荷する。2016年にデビューした「Lexus RX」は、北米ではトヨタ初のアルミ外装パネルを特徴とする車両で、Consumer Reports2016年「Best Luxury SUV」を受賞している。 (2017319日付プレスリリースより)

研究開発費

(単位:百万ドル)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
合計 111 132 169


-2017年12月期の研究開発費の減少は、主に支出の減少によるもの。

製品開発

-2017年12月期の同社の研究開発活動は、引き続き付加製造へのさらなる投資と高度な3D印刷設計および製造技術の開発に注力。


設備投資額

(単位:百万ドル)
2017年12月期 2016年12月期 2015年12月期
合計 596 1,125 1,180


-同社は2018年12月期に、設備投資としておよそ700百万ドルの投資を計画。