Autoliv 展示会取材アーカイブス

2004年 パリモーターショー

固定ハブ付きステアリングホイール(Fixed Hub Steering Wheel)

-Autolivは、2004年のパリ(Paris)自動車ショーで世界初の固定式ハブ付き(Fixed-Hub)ステアリングホイールを、2004年秋に発売されるCitroenの新型C4に搭載して発表。この機構により、これまで円(丸)形に限定されていた運転者用エアバッグを、衝突時に最適な保護が得られる形状・デザインにすることができる。また従来は、ステアリングホイールに複雑でコストのかかるコイル機構を装備して、ラジオなどの電子機器を断絶することなく電気的に接続する必要があった。固定式ハブ付きステアリングは、エアバッグ作動時のステアリングの回転を考慮する必要が無いためそのコイルが不要。よって、ほぼ無制限にケーブルを直接接続できる。例えば、Citorenは、新型C4のステアリングホイールに21個の制御機能を装備した。

固定ハブ付きステアリングホイールの特長

パッシブセーフティ(Passive safety)
正面衝突時における生体力学的基準が非対称エアバッグを装着することにより向上。胸部に対する保護力が向上。この技術は、ステアリングホイールのエアバッグモジュールが事故の状況がどうであれ静止していることで可能となっている。

アクティブセーフティ(Active safety)
諸機能をダッシュボードからステアリングホイールに移動させたことにより、ドライバーの主要制御類に対する操作性が向上。

人間工学(Ergonomics)
ステアリングホールの固定部分には、多数の制御類(クラクション、衛星ラジオ、電話、車速設定装置、ナビゲーション、空気循環、加減抵抗器、エンジン回転計など)、警告灯(ロービーム、メインビーム、方向指示器など)を収納。この構成によって、ドライバーポジションの人間工学性(視界、制御類の操作性)が向上。

電気的信頼性(Electrical reliability)
標準的なステアリングホイールに必要となる回転式接続方式に替わって、シンプルな配線束が制御類に電気を供給。この電気的構成によってステアリングホイールにさらに多くの機能が収納可能。

ドライビングポジションの設計(Design of the driving position)
ステアリングホイール上に制御類を配置したことで、ダッシュボード及び中央コンソールを簡素化。

オペレーティング原理: ギア式トランスミッション

シングルアイディア:高度なドライバー用エアバッグ及び計器類を収納可能とするスタティックなインターフェースを考案。固定ハブ付きステアリングホイール(Fixed Hub Steering Wheel)のベースとなるギアシステムによって可能となっているコンセプト。
要約:ホイールリムが回転してもエアバッグモジュールが静止している。

標準ステアリングホイールと比較した場合の固定ハブ付きステアリングホイール(Fixed Hub Steering Wheel)
・固定ハブ付きステアリングホイールは標準的ステアリングホイールと同様、車両への装着が容易。
・回転式接続方式に代わるシンプルな配線束。
・ホイール自体の仕様は標準的ステアリングホイールと変わりなく、同様な基準に適合する。
要約:固定ハブ付きステアリングホイールは標準的ステアリングホイールの利点を保持しつつ新たな利点を提供。