SKF 2006年度の動向

ハイライト

業績

(単位:百万SEK) 2006
年度
2005
年度
増減率

備考

 

全社
売上高 53,101 49,285 7.7% 売上高は531億100万クローネ。前年比で7.7%の増加。増加分の内訳は、構造要因:0.1%、為替差益分:0.2%、製品構成変動と価格調整:2.1%、販売量増加分:5.1%。
営業利益 6,707 5,327 25.9% 営業利益は67億7百万クローネで利益率は12.6%。共同出資会社Oy Ovako Ab社の利益7億2,500万クローネを含む。12月にはリストラと原低活動を発表、実行し約4億クローネが損益計算書に計上された。この4億クローネには、2億6,400万クローネ相当の減損分、評価損及びリストラ関連費用が含まれる。2006年の為替はプラスに作用し約2億5,000万ドル営業利益をもたらしている。
自動車部門
売上高 18,255 17,423 4.6% ・2006年度の自動車部門は182億5,500万クローネの売上を計上。営業利益は9億9,900万クローネで営業利益率は4.6%(2005年度は2.7%)。2006年度第四四半期にリストラ、特別損失、貸し倒れ償却などによる費用計上として1億7,000万クローネがあり営業利益に影響を与えた。
・欧州の自動車と小型トラックメーカーへの販売はやや鈍かった。一方、北米での販売は落ち込みが厳しかった。大型トラックの販売は欧州及び北米で好調。サービス部品市場への販売も極めて好調。
営業利益 999 560 78.4%

2006年度の新規受注
■自動車部門

・GMの新型クロスオーバー車用の部品を大口受注。対象となる部品はリア及びフロントアクスルのハブベアリング、サスペンション用McPhersonのストラットベアリング、ステアリングとトランスミッション用ベアリングなど。
・アジアは同社の成長にとって欠かせない市場である。同社は中国に進出する西欧のメーカーと地場メーカーよりハブ製品のサプライヤーとして指定を受ける。
・南米でも好調が続きブラジルではFiat社の新規受注を獲得できた。


■トラック部門
・高価値トラックハブが好調。これはDaimlerChryslerの Actros 及び Ivecoの Eurocargo用部品の受注、さらに米国のトレーラーメーカーHendrickson用のトラック対応型アッシーの市場導入によるものである。
・個々のトラックの搭載部品アイテムを増加する基盤づくりに尽力。顕著な伸びを記録できたビジネスとして、Freightliner社向けのホイールシールと米国のConsolidated Metco 社向けアクスル・ベアリングとシールがあげられる。リア及びフロントタイヤ、セントラル・ギア、プロペラシャフト、ターボコンパウンドや冷却ファンサポートなどのエンジン関連部品などを含めた軸受け部品の大半をSKFに依存しているScania社からはギヤボックスのオーダーが大幅に増加した。
・インドでは年間を通して活況を呈し、Tata自動車やAshok-Leyland社などの大手トラックメーカーから新規注文を受けた。


企業買収

・自動車市場と産業用機器市場対応のシーリングソリューション及び軸受けと一体化したシールの開発と製造を行う自動車部門では、2006年シールメーカーとしての世界的地位を強化した。特筆すべき活動は二件の企業買収である。この結果、工業用シール市場で同社のプレゼンスを大幅に押し上げることができた。
(1)米国市場における産業用機器メーカーに供給するフルイド・パワー・シールの大手メーカーであるMacrotech Polyseal Inc.の買収で株式を51%取得。
(2)オーストリアの工業用シールメーカーEconomos Austria GmbHの買収。同社は石油・ガス、飲食料、パルプ・製紙、鉱業そして鉄鋼業に供給する油圧式及び空気圧式シールのメーカー
・上記2件の企業買収は年間売上ベースで合算すると約8億5千万クローネに相当。

・さらに中国ではShanghai Bearing社(2001年に60%の株式を取得済み)の残りの株式40%を取得。同社は深溝玉軸受を製造中国市場に供給している。

リストラクチュアリング
■自動車部門
コストを削減し、北米のOEM市場の競争力を維持する目的で南カリフォルニアAiken市のベアリング工場と、シールを製造するサウスダコタのSpringfield工場の閉鎖を決定。完全閉鎖は2006年中に行い生産ラインの移設は2007年半ばまでに完了予定。ベアリング製造ラインの大部分はメキシコのPuebla工場へ移転するが一部は韓国と中国の工場にも移転される。シールの製造ラインはイリノイ州Elgin工場とメキシコのGuadalajara工場へ移転。

■トラック部門

米国Aiken工場の生産ラインのメキシコへの移転は2006年に完了。同時にドイツで小型円すいころ軸受けを製造するチャンネルを既存のブラジルとインドの工場への移転も開始した。トラック部門では、アジアと東欧からの部品調達量を増加させた。具体的事例としてシートメタル製造ラインをドイツからウクライナとインドに移転した。ウクライナ工場はすでに西欧州製造製品向けに価格競合力がある供給元であると同時に軸受けの製造拠点としてプレゼンスを高めている。

開発動向

研究開発費

  2006
年度
2005
年度
2004
年度
2003
年度
2002
年度
研究開発費 (百万SEK) 875 837 710 871 767
特許数 (ファーストファイル件数) 176 129 144 171 158

製品開発
■自動車部門
・非対称ハブベアリング・ソリューション
2006年、X-Tracker製品ラインはテーパー・テーパー仕様製品を組み込むことでX-Trackerハブユニット製品群が出揃う。この新製品により同部門のボールユニットとハイブリッド円筒ころ軸受ユニットを補完することで業界唯一の小型自動車市場に非対称型ハブベアリングを供給するメーカーとなった。X-TrackerボールユニットはDodge Dakota とCadillac STS-Vに採用されこの製品カテゴリーで米国の優秀自動車部品サプライヤーとして認められPACE賞を受賞。

・摩擦減少と省エネ対策ソリューション
ギアボックスの同期化部分の新規部品とハイブリッド・ピニオンユニット・システム、及び円錐ころ軸受とアンギュラ玉軸受を統合、トランスミッション用の製品ラインを一新した。この結果、ベアリングアレンジメントの摩擦を現行のソリューションに比べ30%削減する。


■トラック部門
・エンジン冷却ファン対応のViscoファンドライブ軸受がすでにDAFトラックの生産車に搭載済み。

設備投資

■アジア
自動車部門では、アジアの基盤づくりに注力し2006年度は7機種の新型自動車プログラムを立ち上げた。これは前年比で3件多い。拡大するアジア市場需要対応のため、ベアリング製造工場を中国に、ベアリングとシール工場を韓国にそれぞれ建設。2007年上半期には工期を終え稼動予定。
■南アメリカ
自動車部門は事業拡大を行い、南米の需要増に対応するため生産能力を増加した。