Kongsberg Automotive 2006年度の動向

ハイライト

業績

(単位:
百万NOK)
2006
年度
2005
年度
増減率
(%)
要因、背景
全体
売上高 2,863 2,525 13.4% 下記1)参照
営業利益 276 292 -5.5%
事業部門別売上高
-シート 1,389 1,141 21.7% 下記2)参照
-商用車システム 1,104 1,006 9.7% 下記3)参照
-ギアーシフト 370 378 -2.1%  

1) 連結売上全体
- 2006年度は、ビジネス環境に大幅な変動が生じた年であった。 いくつかの原材料が高騰した。 数社の世界的自動車メーカーの将来に、疑問が生じた年でもあった。 自動車業界の世界的なシステムサプライヤーも倒産の危機に立たされた。燃費効率の良い車に市場が傾き、自動車メーカーの市場占有率に頻繁に変動、特に北米では米国車がアジアブランドの車にシェアーを奪われるなどの変動が起きている。
- 同社の2006年度の売上は、NOK2,863百万(前年度:2,525)、営業利益はNOK276百万(前年度:292)であり、対売上営業利益率は9.6%(前年度:11.6%)であった。 2006年度の同社業績は、13.4%の伸長率であった。 これは、主に強いトラック市場と、同社製品に対する根強い需要があったためである。 収益性に関しては、原材料の高騰、並びに、高い生産量と新規プログラムの初期費用に関わる設備費用に特色付けられる。

事業部門別ハイライト
2) シート(Seat Comfort)
- 乗用車向け同社商品の売上は15.8%増加し、2006年度売上全体の66%を占めた。Milan、USA (2005年6月)買収効果を調整すると、売上増は4.4%であった。 これは、同社がマーケットシェアーを伸ばしたことと、全般的に弱含みなマーケットの中で、同社の得意な、Safety & Comfort分野での同社製品ポートフォーリオが比較的好調であった為である。 ヨーロッパの乗用車販売は0.7%成長している。 一方同社の主要取引先は、マーケットシェアーを落とした。
- 2006年度にシートヒーターの組立て生産の大部分をスウェーデンから、以前イギリスでおこなわれていた部品生産と共に、ポーランドに移した。 更にポーランドでは、新しい注文生産が開始された。 その大口注文は、Audi Q7向けヘッドレストである。

3) 商用車システム(Commercial vehicle systems)

- トラックとバスメーカーに対する売上は9.8%増加し、2006年度、同社売上の34%を占めた。 ヨーロッパ市場は、記録的であり、ブラジルも好調であったが、韓国市場はさえなかった。
- トラック販売は全般的経済情勢にリンクしており、とりわけインフラに対する投資に大きく依存している。 本年度は、結果的に東ヨーロッパ、並びに多くのアジアの国々でのトラック市場は拡大しており、翌年も実質的な成長が見込まれる。 2006年度、商業車市場向けに成約した先物契約は、2006年度から2009年度に生産され、年間約NOK365百万の売上が見込まれる。
- 2004年度に買収したRaufoss United の関係で新しいエアーブレーキカップリングの将来性のあるプログラムが始まった。 この新しいコネクターは、その大部分が、金属ではなくプラスチック製。この契約は、2006年の中頃に開始され、将来の全車種に同社の新製品群に使用されるコネクターを、世界的なトラックメーカーに供給する。 この契約は、同社始まって以来最大の契約であり、2008年から2018年に亘って、NOK20億の売上が期待される。 その他に年間売上NOK50百万の契約が締結された。

営業部門の統合
- 2007年1月より、ギアシフト部門と商業車システム部門が統合され、ドライブライン&シャーシー部門の1部門となる。 もうひとつの部門はシートコンフォート部門である。 この統合の目的は、共通技術の活用と、経営構造の簡素化のためである。

アジア重視の戦略
- 2006年度、同社は、アジアでの事業展開を強化した。 これはマーケティングと販売に適用されるのみならず、ローカルニーズに適応した製品コンセプト作りの為にも適用される。 ヒートシーティングエレメンツの製品寿命と環境の関連をテストする為、中国、Wuxi、に新しい研究拠点を建設した。 中国に新工場(約5,000M2)を建設、韓国でも新しい生産設備が操業を開始した。 日本での販売事務所も拡張された。 マーケットリサーチの結果、アジア地区で同社製品は大きな販売潜在能力があると判断された。 年間売上総額、NOK10億超を達成させるため、全製品に対する具体的なプロジェクトを検討している。 その成功の可能性をより確かなものにするため、同社幹部は、日本、韓国、中国及びインドでの事業活動を強化することを決定した。Toyota,Hyundai、Honda等、いくつかのアジア自動車メーカーは、世界でのマーケットシェアーを拡大しており、同社はこの勝利者メーカーとの販売を増やすことを目論んでいる。同社幹部は、色々な将来構想を練っており、そのため日本及び韓国での同社のプレゼンスの強化は不可欠であると考えている。

開発動向

研究開発費用

(単位:百万NOK)

2006年度
(IFRS)

2005年度
(IFRS)
2004年度
(IFRS)
2003年度

2002年度

研究開発費用

159.0 170.0 144.0 93.8 75.4

売上比

5.6% 6.7% 6.6% 5.9% 5.8%

研究開発体制
- 製品開発費は、NOK159百万(前年度:170)。売上対比は5.6%(前年度:6.7%)。 生産以前の段階での製品確認に注意が注がれている。 開発コンセプトは主にスウェーデン、ノルウェー、イギリス及びアメリカのコンピテンスセンターで行われている。
- 全ての新製品は、製品のゼロディフェクトと十分な耐用年数を保証する目的を持って、顧客と協力の下で、総合試験を実施している。 ギアシフト製品群では、GM, Ford, Renault, BMW及びDCに替わって、準備を進めている。
- 2005年度のMilan (USA)買収に続き、ヘッドレストの多くの研究開発が行われている。 2008年度より始まる米国市場での新しい安全基準を満たすための研究開発がMilan (Foam-In-Place)で行われている。 2007年度のマーケティング開始を視野に、むち打ち症予防デザインのアクティブヘッドレストシステムの研究開発を行っている。
- カーシートの腰と側面サポートシステムに関しては、客先のプロジェクトに研究開発を集中させている。 いくつかの新しいプロジェクトが進行しており、いくつかの重要な契約が締結されている。 頑丈で信頼性のあるカーシートヒーティングが要求されるところでは、同社の”Smart Wire"コンセプトは業界のリーダーとして確立している。

設備投資

設備投資費

(単位:百万NOK)

2006年度
(IFRS)
2005年度
(IFRS)
2004年度
(IFRS)
2003年度

2002年度

設備投資費 121.4 121.5 89.3 77.6 37.5

海外投資
ブラジル
Kongsberg Automotiveは、ブラジルにおける同社の事業拡大をうけ、サンパウロから70キロ程郊外にあるjundiaiに、敷地面積3,500平米の生産工場を新設した。新工場は2006年11月29日に竣工。このたびの新工場設立により、Kongsberg Automotiveは、ブラジルにおける同社製品への需要の伸びに対応することが可能となる。同社は、2000年にブラジル市場に参入した。(11月30日付け同社プレスリリースより)