要因
(1) 全社
2006年の総売上高は、前年比3.7%増の1,940百万ドルで、DESC Chemical, DESC Consumer Products、DESC AUTOMOTIVEの売上げ増が主な要因。　また、輸出も、DESC Consumer Products と DESC Chemical,の好調に支えられて前年の778百万ドルから 828百万ドルへ6，4％増加。しかし、営業利益と金利税償却前利益は、夫々前年比8.7%と6.7%減少。DESC Chemicalのブタジエンとスチレンの原料費高騰、ポリスチレンの価格競争激化による収益性の低下、ポーク事業の飼料費高騰、さらに2006年の大統領選にともなう政治的不安定による「Punta Mita」開発プロジェクト関連の不動産部門の売上げ不振などが原因。

(2) 自動車部門
補修部品を中心とする売上げ増とプレス部品事業におけるCIE AUTOMOTIVEとの提携により、売上高は1.9%増加。提携は、OEM向けのピストン事業を手放したことによる売上げの落ち込みを一部相殺。金利税償却前利益は、プレス関連の新規受注、ならびにビッグスリーへのシェアは低下したものの、補修部品の売上げが増大したことにより、6.8%増加。一方、営業利益率も前年の2.3%から1%上昇して3.2％

2006年の自動車部門における注目すべき事象
提携関係の解消
ー　2006年5月31日、DESCとDanaは、契約にもとづいて合弁を解消。Danaから出された破産手続き申請を連邦裁判所が受理して、同年7月6日、両社の合弁会社の解消を承認。これにより、DESCは、ドライブシャフト、カプリング、シールの合弁会社のDanaが｣所有していた株を取得し、19.5百万ドルを現金で受領。Danaは、DESCが所有していたアクスル、シャフト、 鍛造、精錬事業の株を継承。

DESC と CIE Automotive, S.A. ("CIE")との間の合弁
ー2006年2月、スペイン法人の”CIE! との間で合弁会社「CIE Desc Automotive, S.A. de C.V.」を設立する契約に調印、直ちに履行。両者は様々な自動車部品を製造する合弁の初期の投資額97百万ドルを折半で出資。DESCは、子会社の Pintura Estampado y Montaje, S.A. de C.V. で現物出資、一方、CIEは、現金と子会社、CIE Celaya, S.A. de C.V.を提供。
ー2006年11月、DESC Automotriz, S.A. de C.Vは、Stamping & Wheels, S.A. de C.V. ("SW") の全株式を4百万ドルでCIE DESC Automotive に売却。売却に先立って、SWは、2006年に一部の供給先の発注取り消しによって132.7百万ドルの損害額が生じたことを了承。

 Pistones Moresa, S.A. de C.V.のOEM用資産の売却
2006年2月、DESCの子会社、 Pistones Moresa, S.A. de C.V. は、OEM向けに供給するピストン製造に使用する全ての設備をおよそ7.6百万ドルでKolbenschmidnt Pierburg AG に売却。DESCは補修用ピストンとOE用と補修用に使用するボルトの製造は継続。

CIEの受注

2006年8月、CIE DESC Automotiveの子会社の1社が、DaimlerChryslerピックアップ用ペイントとアクセサリーのおよそ360百万ドルにのぼる9年間にわたる長期ビジネスを受注。52百万ドルを投資して最新設備の工場を建設、2008年はじめに操業開始の見込み。