Hyundai Mobis Co., Ltd. [現代モービス(株)] 2013年12月期の動向

ハイライト

2013年12月期のハイライト

業績 (連結)

(単位:億ウォン)
2013年
12月
2012年
12月
増減率 (%)

備考

売上高 341,985 307,890 11.1 -2013年12月期はモジュール事業の売上が
270,223億ウォンで、全体の79.0%を占める。

-モジュール事業 顧客別売上高比率
現代自動車 : 27.7%
起亜自動車 : 22.7%
北京現代 : 17.1%
合計 : 67.5%
営業利益 29,244 29,063 0.6 -
当期純利益 33,964 35,420 (4.1) -

受注

<現代・起亜>
-現代自動車の新型「Genesis」にアクティブシートベルト (ASB) システムを納入している。このASBシステムは、車間距離維持装置や車線維持装置と連動し、危険を察知した際にシートベルトを通じてドライバーに警告を行う。本製品は現代モービスとタカタ (日本) の共同開発によるもので、他社の既存製品に比べて部品数を約40%減少させて軽量化を実現すると同時に、モーターから発生する騒音も大幅に低減した。(2013年12月12日付プレスリリースより)

-起亜自動車の小型乗用車「Morning」2014年モデルに運転席エアバッグ、助手席エアバッグ、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグ、運転席ニーエアバッグを納入していると発表した。(2013年9月27日付プレスリリースより)

-米国拠点Mobis Alabama, LLCは、米国のHyundai Motor Manufacturing Alabama (HMMA) で生産する現代自「Sonata」にカーオーディオを供給している。(2013年9月2日付プレスリリースより)

-米国拠点Mobis Alabama, LLCは、米国のHyundai Motor Manufacturing Alabama (HMMA) で生産する現代自「Sonata」、「Elantra」にバンパーを納入している。また、Kia Motors Manufacturing Georgia (KMMA) で生産する起亜 「Optima」、「Sorento」、現代 「Santa Fe」にも同部品を供給している。(2013年9月2日付プレスリリースより)

-現代自動車のCNGハイブリッドバス「Blue City」用の部品を開発し、2013年3月より量産開始した。同社が納入するのはハイブリッドコントロールユニット、バッテリーシステム、駆動モーター、インバーターなど。今後10年間で1万台分の部品を供給する計画。(2013年6月20日付プレスリリースより)

-中国子会社である上海摩比斯汽車零部件有限公司[Shanghai Hyundai Mobis Automotive Parts Co., Ltd.]は、エアバッグを北京現代汽車「Sonata」、東風悦達起亜「K3」、「K5」等に供給している。同拠点では運転席エアバッグ、助手席エアバッグ、サイドエアバッグを生産している。 (2013年5月1日付プレスリリースより)

<Chrysler>
-ヘッドランプおよびリアランプを受注。受注金額は約530百万米ドルで、同社にとって過去最大のランプ受注額となる。現代モービスは2007年に初めてChryslerからランプを受注。今回が5回目の納入契約となる。(2013年4月17日付プレスリリースより)

生産関連

-2013年10月、自動車用モジュールの累積生産数量が1億ユニットを突破したと発表。1999年にモジュール生産を開始した同社はこれまで、シャシーモジュール43.59百万ユニット、コックピットモジュール38.46百万ユニット、フロントエンドモジュール17.95百万ユニットを生産した。また、2013年単年の生産数量はシャシーモジュール6百万ユニット、コックピットモジュール7百万万ユニット、フロントエンドモジュール3.8百万ユニットに達する見込み。なお、現代モービスは現在、韓国5拠点、海外11拠点でモジュールの生産を行っている。(2013年10月31日付プレスリリースより)

-2013年09月、エアバッグの累積生産数量が5,000万個を突破したと発表。同社は2002年にエアバッグの生産を開始。需要増加に対応するため、2009年にはエアバッグ工場を忠清南道の天安 (Cheonan) から慶尚北道の金泉 (Gimcheon) に拡張移転した。同工場では現在、運転席エアバッグ、助手席エアバッグ、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグ、ニーエアバッグなどを年間1,000万個生産している。(2013年9月27日付プレスリリースより)

-2013年5月17日付で、Chrysler 「Jeep Wrangler」向けコンプリートシャシーモジュールの累積供給数量が100万台を突破した。コンプリートシャシーモジュールは、シャシーフレームにエンジン、変速機、ブレーキ、ステアリング等を組み合わせたもの。同社はこのモジュールを2006年から米国オハイオ工場で生産している。なお、現代モービスの売上高に占める海外完成車メーカー向け売上高の割合は現在10%程度だが、これを2012年までに20%まで拡大させる考え。(2013年5月28日付プレスリリースより)

認証・受賞

-2013年10月、エアバッグ制御装置 (ACU) についてISO26262認証を取得した。車載電子制御部品の機能安全に関する国際規格。同社は2012年12月にもスマートクルーズコントロール (SCC) および車線維持補助装置 (LKAS) の応用ソフトウェアについてISO26262認証を取得している。(2013年10月17日付プレスリリースより)

-2013年4月、富士重工業から「生産協力賞」を受賞した。同社はスバルの車両向けにリアランプやフォグランプを供給している。(2013年5月1日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発拠点

拠点名 所在地
竜仁 (Yong-in) 技術研究所 韓国
京畿道 龍仁 (Yong-in) 市
義王 (Uiwang) 研究所 韓国
京畿道 義王 (Uiwang) 市
上海R&Dセンター 中国
上海
デトロイトR&Dセンター 米国
ミシガン州デトロイト
フランクフルトR&Dセンター ドイツ
フランクフルト
インドR&Dセンター インド
ハイデラバード

研究開発費

(単位:百万ウォン)
2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
金額 424,054 359,991 322,279
対売上高比率 1.2% 1.2% 1.2%

研究開発体制

-2013年12月、約2,750億ウォンを投資し忠清南道の瑞山 (Seosan) 市に自動車走行試験場を建設すると発表した。2014年上半期に着工し、2016年中に完成予定となっている。(2013年12月16日付プレスリリースより)

-2013年10月、京畿道の龍仁 (Yong-in) 市に位置する技術研究所に「電装研究棟」を完成させたと発表。環境対応車向けの中核部品および知能化自動車向け電子装置などの研究開発を専門に行う。この新研究棟の建設には600億ウォン余りが投資され、延床面積は71,000平方メートルの規模。なお、同社は2015年までに合計1兆8,000億ウォンを研究開発に投じる計画。韓国国内における研究開発人員も、現在の1,800人から2015年には2,300人にまで増員する。(2013年10月17日付プレスリリースより)

研究開発実績

-韓国で初めて解像度100万画素クラスの車載前方カメラを開発した。このカメラは車線逸脱警報システム (LDWS)、ハイビームアシスト (HBA)、車線維持システム (LKAS)、前方衝突警告システム (FCW) に使用される。また、既存製品に比べて約20%のコンパクト化に成功した。(2013年11月7日付プレスリリースより)

-水素燃料電池車 (FCEV) 向け中核部品の開発に成功し、量産を開始した。現代自動車の「Tucson ix」のFCEVモデルに搭載される。同社の忠州 (Chungju) 工場で生産するこの中核部品は、駆動モーター、燃料電池統合モジュール、リチウムイオン電池パック、電子部品などで構成。駆動モーターは最大出力134馬力、最高時速160kmの性能を発揮。また、燃料電池統合モジュールは最大100kWの発電能力を保有する。 (2013年3月6日付プレスリリースより)

-韓国のFintex E&E, Incとの間で、ランプに使用されるベントキャップ用の繊維素材を共同開発した。韓国で同素材の開発に成功したのは今回が初めてとなる。Fintex E&Eはこの繊維素材を韓国のランプメーカーWoo Chang Industrialに納入する。Woo Changは新素材を使用してランプを製造し、現代モービスに納入する。(2013年2月7日付プレスリリースより)

-韓国で初めて、カーナビと連動して照明を調整するAILS (Active Intelligent Lighting System) の開発に成功した。このAILSはカーナビから道路情報を受けて走行経路を予測。交差路や曲線路に進入する40~100m手前で、前照灯の照明角度を自動調節し、前方に対する運転者の認知能力を向上させる。また、夜間走行時には運転者の視力が約50%低下する点を考慮し、1秒でも早く前方の死角エリアを最小化させる。 (2013年1月9日付プレスリリースより)

技術提携

-2013年1月、ソフトウェア企業Wind River Systems Inc.との間で、車載インフォテインメント (In-Vehicle Infotainment: IVI) 分野に関する技術協力契約を締結した。これに基づき、Wind Riverは車載ソフトウェアのプラットフォーム開発技術を現代モービスに提供し、IVIシステムの開発および量産に向けて協力する。なお、Wind RiverはIntelの子会社で、米国カリフォルニア州に本拠を置く。(2013年1月22日付プレスリリースより)

設備投資

設備投資額

(金額:百万ウォン, 千USD)
投資予定
総額
投資済み
金額
国内法人 383,233 341,749
海外法人 USD 299,649 USD 297,082
合計 697,865 665,659

国内投資

-2013年3月、忠清北道の忠州 (Chungju) 市に建設していた環境対応車用部品工場が完成し、本格稼働を開始した。約710億ウォンを投資して京畿道の義王 (Uiwang) 工場から拡張移転したもので、建物面積は約4倍の26,000平方メートル規模となる。この新工場では電気モーター、インバーター/コンバーター、リチウムイオン電池モジュールなどを生産。これらの部品は現代自「Avante」、「Sonata」、起亜自「Forte」、「K5」のハイブリッド車モデル、起亜自「Ray」の電気自動車モデル、現代自「Tucson ix」の水素燃料電池車モデルなどに搭載される。なお、この忠州 (Chungju) 工場には現代モービスとLG化学の合弁会社HL Green Powerも入居し、リチウムイオン電池パックを生産している。現代モービスは両工場の緊密な協力関係を構築し、環境対応車用部品の生産一元化を目指す。(2013年3月22日付プレスリリースより)

-2013年7月、忠清北道の忠州 (Chungju) 市に位置するHL Green Power Co.の工場敷地の一部を取得すると発表。取引金額は10,634百万ウォン。HL Green Powerは現代モービスとLG化学による合弁会社で、自動車用二次電池を生産している。(2013年7月26日付プレスリリースより)

海外投資

<トルコ>
-2013年9月、トルコ子会社Mobis Automotive and Module Industry Trade Co.は、約3,300万米ドルを投資してコジャエリ県イズミット市に建設していたモジュール工場が完成し、本格稼働を開始した。この新工場は現代自動車の現地拠点の近隣に位置し、「i10」および「i20」に搭載されるシャシーモジュール、コックピットモジュール、フロントエンドモジュールを生産する。モジュールの生産能力は年間20万台分。なお、新工場の敷地面積は約36,000平方メートルで、生産工場に倉庫や事務棟を加えた総延床面積は約13,000平方メートル。(2013年9月9日付プレスリリースより)