(株) 豊田自動織機 2017年3月期の動向

業績

(日本基準、単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 増減率 (%) 要因
全社
売上高 2,250,466 2,243,220 0.3 -
営業利益 122,969 134,712 (8.7) -
経常利益 177,121 185,398 (4.5) -
親会社株主に帰属する当期純利益 125,534 183,036 (31.4) -
自動車
売上高 562,672 556,505 1.1 1)
営業利益 24,964 32,778 (23.8) -

全社
-当期の業績は、円高の進展が影響し、前期比で減益を記録。ただし、円高の影響を除くと増益を確保。

自動車部門
1) 市場は、先進国では欧州、北米、国内が堅調に推移し、新興国では中国が増加するなど、世界全体で拡大した。

車両事業

-生産台数は、トヨタ 「Vitz」、「RAV4」共に増加したことにより、売上高は前年比16.2%増。

エンジン事業
-KD型ディーゼルエンジンは減少したものの、GD型ディーゼルエンジンが増加したことにより、売上高は前年比5.8%増。

カーエアコン用コンプレッサー事業
-販売台数は国内および欧州、中国、北米など全世界で増加したものの、為替変動による影響があり、売上高は前年比2.3%減。

電子機器・鋳造品ほか
-鋳造品は減少したものの、電子機器が増加し、売上高は前年比0.1%減。

国内事業

-広島大学と昭和電工、産業技術総合研究所、豊田自動織機、大陽日酸は、アンモニアから燃料電池自動車(FCV)用の高純度水素を製造する技術の開発に成功したと発表した。実用可能な技術としては世界初となる。アンモニアは1分子で3原子の水素を持つため水素を多く含んでいる。しかし、FCV用水素中のアンモニア濃度は国際規格で0.1ppm以下に定められており、実用化に向け障壁となっていた。高いレベルでアンモニアを分解できるルテニウム系触媒や、除去量を3倍にできる無機系除去材料などを開発することでこの問題をクリアした。同研究は内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の委託研究課題の一つとして実施されている。(2016年7月29日付日刊自動車新聞より)

受注

-トヨタ自動車の新型「プリウスPHV」に、エアコン用電動コンプレッサーと、車載バッテリー用充電器が採用。プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)など電動車両向けの新開発部品で、今後の採用拡大を目指す。新開発の電動コンプレッサーは、量産車として世界で初めて「ガスインジェクション機能」を加えた。振動も抑え、寒冷時の暖房能力は3割向上させた。デンソーが開発したエアコンシステムに組み込まれる。また、新開発のバッテリー充電器は後席シート下に搭載。今回開発した充電器は充電出力を従来の1.7倍に高めた。新型プリウスPHVは電池容量を先代と比べて2倍としたが、充電出力を向上したことでフル充電時間を2時間20分(200ボルト電源の場合)に抑えた。ECUを内蔵しながら、容量を従来比半分とコンパクト化した。100ボルトから240ボルトまで、電圧の異なる世界各国の電源事情に対応し、安定した充電を実現するという。(2017年2月17日付日刊自動車新聞より)

2018年3月期の見通し

(単位:百万円)
2018年3月期*
国際会計基準
(IFRS)
(見通し)
2017年3月期
日本基準
(実績)
増減率 (%)
売上高 1,850,000 2,250,446 -
-自動車 580,000 1,124,500 -
営業利益 135,000 122,969 -
経常利益 188,000 177,121 -
親会社株主に帰属する当期純利益 130,000 125,534 -

* 2018年3月期の連結業績予想は国際会計基準(IFRS)に基づき作成。

自動車部門の製品別売上高見通し

(単位:百万円)
2018年3月期*
国際会計基準
(IFRS)
(見通し)
2017年3月期
日本基準
(実績)
増減率 (%)
車両 72,000 557,600 -
エンジン 94,000 167,300 -
コンプレッサー 347,000 334,700 -
鋳造品・電子機器他 67,000 64,700 -

*2018年3月期の連結業績予想は国際会計基準(IFRS)に基づき作成。
-各セグメント売上高は外部顧客に対する金額


>>>次年度業績予想 (売上、営業利益等)

2020年ビジョンに向けた取り組み

産業車両
-日米欧を核とした連携により、物流ソリューション事業をグローバルで拡大、強化を図る。

欧州
-フォークリフト販売統括拠点との連携強化により、成長市場の取り組みを推進。

日本、オセアニア、アジア、ほか
-当社とファンダランデ社が連携し、事業を拡大。

北米
-バスティアン社のシステム構築力とファンダランデ社の大型案件対応力のシナジーで事業を拡大。


コンプレッサー
-中期的な事業成長のイメージ
カーエアコン用コンプレッサー世界シェアNo.1*(シェア50%を目指す)

-豊富な商品ラインナップ
エンジン車、HV、PHV、EV、FCVにフルラインナップで対応

-「世界初」を生み出す商品開発力
トヨタ「新型プリウスPHV」向けにガスインジェクション機能付新電動コンプレッサーを開発

-海外拠点での生産の強化
顧客に近いところでの生産を基本とし、海外拠点での量変動は、日本のマザー工場からのバックアップで対応

*同社調べ

研究開発費

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
全社 69,524 65,440 47,785
-自動車部門 44,757 40,588 25,955

研究開発拠点

-同社初のテストコースを三重県亀山市に開設すると発表した。2018年3月に完成予定で、カーエアコン用コンプレッサーやエレクトロニクス部品などの開発に活用する。投資額は土地の取得と造成費のみで約40億円。建屋や設備の投資額は詰めている。電気自動車や燃料電池車など、自動車の多様化に対応した機能部品の開発を行う。新設するのは「亀山試験場」。敷地面積は約66万平方メートルで、時速100キロメートルでの巡航走行に対応する1.6キロメートルの周回路と評価設備を備える。完成後は出張者を含めて、30人が開発、実験業務に当たる見込み。(2016年6月16日付日刊自動車新聞より)


製品開発

自動車部門

  • ディーゼルエンジン
  • ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車向けの電動コンプレッサー
  • コンプレッサーの次世代モデル
  • 主にハイブリッド車向けの電源機器

PHV/EV用の充電スタンド
-プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)用の充電スタンドに、機能を簡素化し価格を従来の半額程度に抑えた「子機」を設定し10月に市場投入する。設置元は、親機とのセットでより安価に充電可能台数を増やすことができる。親機・子機合計で年間1千台の販売を目指す。豊田自動織機と日東工業が共同開発し2015年10月に発売した充電スタンドは、16年3月までの半年間にJTBや商業施設などを中心に約700台を出荷した。出荷が順調なため、子機を市場投入する。9月から受注を開始する。年間販売目標のうち、親機は300台程度、子機が700台程度を見込む。(2016年5月23日付日刊自動車新聞より)

設備投資額

(単位:百万円)
2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
全社 176,999 154,236 179,978
-自動車部門 46,661 36,182 88,815


-インドのディーゼルエンジン(DE)生産子会社トヨタインダストリーズエンジンインディア(TIEI)が開所式を行ったと発表した。TIEIの工場はインド南西部カルナタカ州ベンガルールに150億円を投じて建設した。建屋面積は約4万平方メートル、従業員1200人でDE年産能力は10万8千基。今年3月に生産を開始している。(2016年6月27日付日刊自動車新聞より)

設備投資の主な内訳 (自動車部門)

(単位:百万円)
会社名 2017年3月期 2016年3月期 2015年3月期
同社 33,476 18,491 30,318
Toyota Industries Engine India Private Limited
(インド バンガロール)
- 3,544 -
Michigan Automotive Compressor, Inc.
(米国 ミシガン州)
3,624 2,866 6,323
Toyota Industries Compressor Parts America, Co.
(米国 ジョージア州)
- 2,307 10,230
東海精機 (株)
(静岡県磐田市)
1,595 2,107 3,795
TD Automotive Compressor Georgia, LLC
(米国 ジョージア州)
- 1,209 2,980
TD Automotive Compressor Indonesia
(インドネシア ブカシ県)
1,198 1,128 7,960

東久(株)
(愛知県丹羽郡)

1,085 - -

設備の新設 (自動車部門)

(2017年3月31日現在)
事業所名 / 会社名
(所在地)
設備の内容 投資予定
総額
(百万円)
着手 完了予定
連結財務諸表提出会社
碧南工場
(愛知県碧南市)
ガソリンおよびディーゼルエンジン製造設備 14,028 2016年5月 2018年3月
長草工場
(愛知県大府市)
乗用車製造設備 31,215 2015年4月 2018年3月
刈谷工場
(愛知県刈谷市)
カーエアコン用コンプレッサー製造設備、繊維機械製造設備 6,000 2017年4月 2018年3月
東知多工場
(愛知県半田市)
エンジン用鋳造品製造設備、ディーゼルエンジン製造設備 10,290 2017年4月 2018年3月
大府工場
(愛知県大府市)
カーエアコン用コンプレッサー部品製造設備 3,500 2017年4月 2018年3月
東浦工場
(愛知県知多郡東浦町)
カーエアコン用コンプレッサー部品製造設備 1,000 2017年4月 2018年3月
安城工場
(愛知県安城市)
車載用電子機器製造設備 2,000 2017年4月 2018年3月
共和工場
(愛知県大府市)
車載用電子機器製造設備、自動車用プレス型製造設備 500 2017年4月 2018年3月
国内子会社
東海精機 (株)
(静岡県磐田市)
自動車部品製造設備 1,500 2017年4月 2018年3月
(株)アルテックス
(静岡県浜松市)
自動車部品製造設備 1,000 2017年4月 2018年3月
在外子会社
TD Automotive Compressor Indonesia
(インドネシア ブカシ県)
カーエアコン用コンプレッサー製造設備 2,900 2017年4月 2018年3月
Michigan Automotive Compressor, Inc.
(米国 ミシガン州)
カーエアコン用コンプレッサー製造設備 2,000 2017年4月 2018年3月
TD Deutsche Klimakompressor GmbH
(ドイツ ザクセン州)
カーエアコン用コンプレッサー製造設備 1,500 2017年4月 2018年3月
豊田工業 (昆山) 有限公司
[Toyota Industry (Kunshan) Co., Ltd.]
(中国 江蘇省)
エンジン用鋳造品等製造設備、産業車両製造設備 1,200 2017年4月 2018年3月
豊田工業電装空調圧縮機 (昆山) 有限公司 [TD Automotive Compressor (Kunshan) Co.,Ltd.]
(中国 江蘇省)
カーエアコン用コンプレッサー製造設備 1,000 2017年4月 2018年3月