武蔵精密工業株式会社 2006年度の動向

ハイライト

業績

(単位:百万円) 2007年3月期 2006年3月期 増減率(%) 要因
全社
売上高 144,329 125,512 15.0 ・国内は、主要納入先である本田技研工業向けの販売好調により、売上高は増加したが、海外子会社向け機械販売の減少等により減益。
・北米では、四輪車の販売が好調に推移し増収。また新規部品立上げに伴うコスト負担や償却費増加等により営業損失を計上。
・欧州では、Musashi Auto Parts UK Ltd. 、Musashi Hungary Mfg. Ltd. ともに四輪部品の販売が順調に増加し、増収増益。
・アジアでは、インドの二輪市場拡大や、為替が円安で推移したこと等により増収。償却費の増加や年前半のインドネシアでの二輪車販売不振等により減益。
・南米では、主要販売先への二輪部品の販売好調と、為替が前年と比較して大幅にレアル高に変動したこと等により増収増益。
営業利益 11,695 9,577 22.1
経常利益 10,898 9,581 13.7 -
当期純利益 4,964 4,772 4.0 -

組織改正
2006年5月1日付で、全取締役の担当部門を統括する制度導入を盛り込んだ組織変更を実施すると発表した。今回の組織改正は、自動車部品業界の競争激化や企業環境の変化に対応して、グローバルでの総合力の強化とともに、企業価値を向上させる体質へ進化させるための統括制導入が目的。製品別カテゴリーの生産技術領域を集約した「生産技術部」、また国内技術と管理体制を海外拠点にも水平展開してグローバルで生産体制を強化するための「海外企画推進室」「海外地域統括制」を新設。また、国内部品事業を強化するため、各カテゴリー事業本部を各カテゴリーごとの事業部に改める。統括制の導入により本部制は発展的に解消。(2006年4月21日付日韓自動車新聞より)

開発動向

研究開発費

(単位:百万円) 2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
研究開発費 1,104 973 1,033


研究開発体制(2007年3月現在)
担当部門 第一開発部、第二開発部 生産技術部技術開発課 九州武蔵精密㈱
開発部
九州武蔵精密㈱
技術部生産技術課
役割 ・ボールジョイント、カムシャフト、ギヤー等に関する新製品の開発及び既存部品の応用開発
・特許管理
・製品図面の管理
・ボールジョイント、カムシャフト、ギヤー等の新生産技術方案及び生産工程方案の研究開発 ・二輪、汎用ギヤー等の新製品の研究開発 ・二輪、汎用ギヤー等の生産技術に関する研究開発及び工程設計
要員 44名 7名 9名 36名
研究開発費 549百万円 147百万円 139百万円 269百万円


研究開発成果


<ボールジョイント>
・低トルクと高耐久性を両立したボールジョイントの量産を実施、更なる適用の拡大に向けた取り組みの結果、欧州顧客用のリアサスペンション用ポールジョイントを量産化。
・リサイクル性に優れ、軽量化による低燃費につながる環境対応技術として、アルミニウムサスペンションアームを使用したボールジョイントの北米での量産を開始。また、欧州顧客においても進化型のアルミアームボールジョイントの量産を開始。

<カムシャフト>
・素材の評価と共に製品の性能評価を行い、客先への提案ができる体制の整備を推進。今後は生産技術開発と連携した製品開発を展開。

<ギヤー>
・既に製品化されているオリジナル3Dベベルギヤ(3次元)設計の更なる進化を行い、設計品質向上とリードタイムの短縮に取り組んだ。
・耐磨耗、耐焼付性について評価のできる試験機を導入。
・機能、性能保証のため、デフASSYを評価する試験機の導入等も継続して推進。

<生産技術開発>
・カムシャフト、デフASSY、プラネタリASSYに対する機能向上や廉価を実現する独自技術の開発を推進。特に鍛造領域に重点を置き、サーボプレスを活用した新法案開発に取り組む。
・表面改質技術、接合技術に関連したテーマを中心に大学や設備メーカーとの共同開発も積極的に推進。
・更に、信頼性とリードタイム短縮を同時に実現すべく品質工学を活用した効率的な技術開発にも着手し開発力の強化を図る。


技術援助契約(2007年3月現在)

相手方の名称(国名) 契約品目 契約内容 契約期間
Musashi Auto Parts Michigan Inc. (米国) 下記参照 下記参照 1994.02.01-1999.01.31
(以降1年ごとの自動更新)
Musashi Auto Parts Co., Ltd. (タイ) 下記参照 下記参照 1987.12.28-1992.12.27
(以降1年ごとの自動更新)
Musashi Auto Parts UK Ltd. (英国) 下記参照 下記参照 1995.01.01-1999.12.31
(以降1年ごとの自動更新)
P. T. Musashi Auto Parts Indonesia
(インドネシア)
下記参照 下記参照 1996.05.08-2001.05.07
(以降1年ごとの自動更新)
Musashi Auto Parts Canada Inc. (カナダ) 下記参照 下記参照 1998.01.01-2002.12.31
(以降1年ごとの自動更新)
Musashi South Carolina Inc. (米国) 下記参照 下記参照 2001.01.01-2005.12.31
(以降1年ごとの自動更新)
Musashi Hungary Mfg. Ltd. (ハンガリー) 下記参照 下記参照 2001.01.01-2005.12.31
(以降1年ごとの自動更新)
Musashi do Brasil Ltda. (ブラジル) 下記参照 下記参照 2003.11.17-2008.11.16
まで5年間
Musasi Auto Parts India private Ltd.(インド) 下記参照 下記参照 2003.04.01-2004.03.31
(以降1年ごとの自動更新)
Musashi da Amazonia Ltda.(ブラジル) 下記参照 下記参照 2004.11.01-2009.10.31
まで5年間
契約品目 四輪・二輪自動車及び汎用製品で随時決定される特定部品
契約内容 1. 「特定部品」の製造・組立・販売に関する技術援助
2. 工業所有権の提供

設備投資

設備投資
(単位:百万円) 2007年3月期 2006年3月期 2005年3月期
設備投資費 16,991 23,071 13,551
ボールジョイント生産設備 2,096 1,191 1,591
カムシャフト生産設備 2,622 1,913 2,637
ギヤー等生産設備 9,131 16,966 6,469

ボールジョイント生産設備:
・第一明海工場への新機種対応の投資として907百万円
・Musashi Auto Parts Canada Co., Ltd. での新機種対応の投資として493百万円
・Musashi Hungary Mfg. Ltd. の新機種対応の投資として675百万円

カムシャフト生産設備:
・鳳来工場へ新機種対応として373百万円
・Musashi Auto Parts Michigan Inc. での増量対応の投資として1,323百万円

ギヤー等生産設備:
・植田工場へ新機種対応として2,014百万円
・九州武蔵精密(株)へ増量対応などの投資として1,073百万円
・Musashi Auto Parts Co., Ltd.での新機種対応などの投資として1,140百万円
・P. T. Musashi Auto Parts Indonesiaの新機種及び増量対応の投資として1,646百万円
・Musashi do Brasil Ltda.での増量対応等の投資として1,142百万円

2007年度の設備投資計画

地域 2007年3月末
計画金額(百万円)
設備等の主な内容・目的
国内 5,700 既存設備の更新、新機種対応、検査設備の強化
アジア 4,200 二輪部品の生産能力増強及び更新
北米 3,500 新規受注部品の生産対応
南米 1,500 二輪部品の生産能力増強
欧州 400 新規受注部品対応